日銀:追加緩和決定、資産買い入れ等基金55兆円に-長期国債増額

日本銀行は27日、同日開いた金 融政策決定会合で、資産買い入れ等基金を「50兆円」から「55兆円」 に拡大することを8対1の賛成多数で決定したと発表した。世界経済 の先行き不透明感や円高により日本経済の下振れリスクが高まってい ることに対応し金融緩和を強化する。反対したのは宮尾龍蔵審議委員 で、同委員は60兆円への増額を提案したが反対多数で否決された。

政策金利は0-0.1%に据え置いた。日銀は同基金のうち、資産買 い入れを「15兆円」から「20兆円」に拡大した。増額するのは長期国 債のみで、社債やコマーシャル・ペーパー(CP)、指数連動型上場投 資信託(ETF)、不動産投資信託(J-REIT)は増額せず、固定 金利方式の共通担保オペは「35兆円」に据え置いた。2012年末をめど に増額を完了する。

日銀の追加緩和は8月4日に政府の円売り介入に合わせて実施し て以来、約3カ月ぶり。円ドル相場は26日の海外市場で一時1ドル= 75円72銭を付け、戦後最高値を更新した。欧州債務問題の深刻化や 世界経済の減速懸念、円高などにより、国内景気の先行き不透明感が 高まっている。

日銀は会合後に公表した声明で「景気は持ち直しの動きが続いて いる」と指摘。先行きも「緩やかな回復経路に復していく」との見通 しを維持した。しかし、「物価の安定が展望できる情勢になったと判断 されるにはなお時間を要すると予想される上、国際金融資本市場や海 外経済の動向次第で、経済物価見通しがさらに下振れするリスクにも 注意が必要である」と表明した。

より確かにするため

日銀はその上で「8月に強化した金融緩和措置の下で、金融資産 の買い入れ等を着実に進めているが、物価安定の下での持続的成長経 路への移行をより確かなものとするためには、金融緩和を一段と強化 することが必要と判断した」としている。

シティグループ証券の道家映二チーフJGBストラテジストは 26日の顧客向けリポートで、日銀は同日の欧州連合(EU)サミット の結果を受けた27日の東京市場を見極めた上で最終決定するだろう、 と指摘。「仮に円高、株安が進み、政治圧力が強まった場合、日銀は追 加緩和に追い込まれよう。選択肢としては、資産買い入れ等基金を5 兆円程度増額し、購入する長期国債の残存期間を現行の1-2年を1 -5年に変更することが考えられる」としていた。

EUは26日開いた首脳会議で、域内銀行に対し、保有ソブリン債 の評価を引き下げた上で、2012年6月30日までに中核的自己資本比 率を最低9%とするよう求めることで合意した。また、ギリシャ債の 民間投資家の損失負担を50%とすることで銀行側と妥結した。欧州債 務問題の進展に加え、米経済指標が市場予想を上回ったことを好感し、 ダウ工業株30種平均は162.42ドル高の11869.04ドルと反発した。

11月1、2日開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に 米金融当局者からも追加緩和を示唆する声が出始めている。ニューヨ ーク連銀のダドリー総裁は24日、ニューヨーク市内の講演後の質疑応 答で「量的緩和の第3弾を実施することはあり得る」と発言。イエレ ン米連邦準備制度理事会(FRB)副議長も21日、景気の浮揚に必要 なら量的緩和第3弾が正当化されるかもしれないとの認識を示した。

円相場は、金融政策決定会合の結果発表を受けて、対ドルでいっ たん小幅下落した後に切り返し、一時1ドル=75円95銭まで上昇し ている。午後2時01分現在は76円ちょうど前後。

日銀は午後3時に半年に一度の経済・物価情勢の展望(展望リポ ート)を公表し、白川方明総裁が午後3時半に定例記者会見を行う。 議事要旨は11月21日に公表される。

金融政策決定会合、金融経済月報等の予定は以下の通り。 *T 会合開催 総裁会見 金融経済月報  議事要旨 11月15、16日  11月16日 11月17日  12月27日 12月20、21日  12月21日  12月22日  1月27日 1月23、24日 1月24日 1月25日 2月17日 2月13、14日  2月14日   2月15日 3月16日 3月12、13日 3月13日 3月14日 4月13日 4月9、10日 4月10日 4月11日 5月7日 4月27日 4月27日 - 5月28日 5月22、23日 5月23日 5月24日 6月20日 6月14、15日 6月15日 6月18日 未定 *T

総裁会見は午後3時半。金融経済月報は午後2時、経済・物価情 勢の展望(展望リポート)は10月27日。議事要旨は午前8時50分。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE