日銀展望:12年度成長率はプラス2.2%、コアCPIはプラス0.1%

(発表内容を追加し、更新します)

【記者:日高正裕】

10月27日(ブルームバーグ):日本銀行は27日午後、半年に1度 の経済・物価情勢の展望(展望リポート)を公表した。2012年度の見 通し(委員の中央値)は、実質国内総生産(GDP)成長率が海外経 済の減速などから7月の中間評価時点のプラス2.9%からプラス

2.2%に下方修正。消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)前 年比は基準改定の影響でプラス0.7%からプラス0.1%に下方修正さ れた。

今回新たに示された13年度の見通しは、実質成長率がプラス

1.5%、コアCPI前年比はプラス0.5%だった。11年度は実質成長 率がプラス0.3%と7月時点のプラス0.4%から小幅下方修正、コア CPI前年比横ばいと7月のプラス0.7%から下方修正された。

日銀は13年度までの経済・物価情勢の中心的な見通しについて 「当面、海外経済減速や円高の影響を受けるものの、見通し期間を通 じてみれば、新興国・資源国を中心に海外経済が高めの成長を維持す るとみられることや、震災復興関連の需要が徐々に顕在化していくこ となどから、緩やかな回復経路に服していく」としている。

物価については「物価の安定が展望できる情勢になったと判断さ れるにはなお時間を要するものの、やや長い目で見れば、物価安定の もとでの持続的成長経路に服していく」と述べている。

欧州債務問題などがリスク

リスク要因としては欧州ソブリン問題の帰すうを第一に挙げ、「そ の世界経済への影響も含めて不確実性が大きく、為替・金融資本市場 においてグローバル投資家のリスク回避姿勢が一段と強まる可能性が ある」と指摘。その結果として「円高や株価の下落が進めば、企業や 家計のマインドを通じた影響も含め、わが国の景気の下振れ要因とな る」としている。

さらに、海外経済の動向に関する不確実性にも触れ、特に米国経 済について「金融・財政政策の発動余地が限られている上、住宅価格 の低迷が続き、雇用の回復ペースも鈍い中で、米国経済の減速は想定 以上に長引くリスクには注意が必要である」と指摘した。

日銀は「中長期的な物価安定の理解」として、CPIの前年比で 「2%以下のプラスの領域にあり、中心は1%程度」という数値を示 している。日銀は昨年10月に打ち出した「包括的な金融緩和政策」の 中で、この理解に基づき「物価の安定が展望できる情勢になったと判 断するまで、実質ゼロ金利政策を継続していく」と表明している。

日本銀行は27日開いた金融政策決定会合で、資産買い入れ等基金 を「50兆円」から「55兆円」に拡大することを8対1の賛成多数で決 定した。世界経済の先行き不透明感や円高により日本経済の下振れリ スクが高まっていることに対応し金融緩和を強化する。反対したのは 宮尾龍蔵審議委員で、同委員は60兆円への増額を提案したが反対多数 で否決された。

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