米国債:下落、欧州首脳が銀行の資本増強で合意-逃避需要後退

米国債相場は下落。ブリュッ セルで開かれた欧州連合(EU)首脳会議は、ソブリン債危機を封じ 込める対策の一環として、域内銀行の資本増強で合意。これを受け、 逃避先としての米国債の投資妙味が低下した。

30年債利回りは1週間ぶりの大幅上昇。EU首脳は銀行の資本 増強で合意したとの声明を発表した。米財務省が実施した5年債入札 (発行額350億ドル)では、需要が過去の平均を上回った。これに 反応し、米国債は一時下げを縮める場面があった。

ウンダーリッヒ・セキュリティーズのマネジングディレクター兼 米国債トレーディング責任者、マイケル・フランゼーズ氏(ニューヨ ーク在勤)は、銀行の資本増強は「これまで最も大きな障害の一つだ った。よって今回の合意は米国債に対する圧力を強めるものだ」と指 摘。「欧州が進めている計画が危機の波及に歯止めをかけることがで きると考えるなら、米国債を売るべきだ。株式相場は勢いを増しつつ ある」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時40分現在、30年債利回りは前日比 9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇3.22%。一時 は10bp上昇の3.23%となった。30年債価格(表面利率3.75%、 償還2041年8月)は1 3/4下落の110 6/32。

10年債利回りは9bp上昇の2.20%。既発5年債利回りは8 bp上昇の1.06%。

EU首脳会議

欧州連合(EU)首脳らは域内銀行の資本増強計画をめぐり合意 に達した。ブリュッセルで行われた首脳会議後に声明が発表された。

フランスのサルコジ大統領とドイツのメルケル首相は欧州連合 (EU)首脳会議が行われている26日夜、ギリシャ国債を保有する 銀行団と協議するために調整していることが事情に詳しい関係者の話 で明らかになった。ギリシャ国債のヘアカット(債務減免)の詳細を めぐり行き詰っている交渉の打開を図るという。

フランスのサルコジ大統領は27日に中国の胡錦濤国家主席に電 話し、ユーロ圏への投資資金呼び込みを目的とした事業体に対する中 国の貢献について協議する。事情に詳しい関係者が26日明らかにし た。この日のEU首脳会議では、債務危機を収束させる取り組みの選 択肢として、特別目的投資事業体の創設を検討している。

5年債入札

5年債入札(発行額350億ドル)の結果によると、最高落札利 回りは1.055%と、入札直前の市場予想の1.082%を下回った。前 回入札(9月28日)は1.015%と過去最低だった。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.90倍と、前回の3.04 倍を下回った。利回りが過去最低の落札水準をわずかに上回るレベル にとどまっているものの、欧州の協議難航で需要が高まった。過去 10回の入札の平均は2.80倍。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) の金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏(コネチカット州スタ ンフォード在勤)は入札について、「特に欧州をめぐる不透明感から 非常に好調だった」と発言。「入札はマクロ経済基調がなお米国債の 支援材料になっていることを示している。もちろん、ニュースで一変 する可能性はあるが、それはまた別の話だ」と述べた。

今週は合計990億ドル規模の国債入札が実施される。前日の2 年債(発行額350億ドル)では応札が過去の平均を上回り、間接入 札の落札に占める割合が過去1年で最高となった。27日には7年債 (同290億ドル)の入札が予定されている。

ニューヨーク連銀はこの日、償還期限が2014年3-9月の米国 債88億7000万ドル相当を売却した。4000億ドル相当の保有短期 債を売却して期間が長めの国債を購入する「オペレーション・ツイス ト(ツイストオペ)」の一環。

ドイツ銀行の金利ストラテジスト、アレックス・リー氏は「今週 は供給があり、米国債市場はやや難しい状況にある。海外情勢に端を 発した短期的な荒い金利動向と、米国債の供給の間でバランスをとる 必要がある」と語った。

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