BOA批判にモイニハンCEO「怒り心頭」、地域経済貢献で巻き返し

米銀バンク・オブ・アメリカ (BOA)のブライアン・モイニハン最高経営責任者(CEO)は、 同銀に対する世論の批判に「怒り心頭」の思いだと述べ、地域経済に 果たしている貢献について地域指導者に訴えかけることで巻き返しを 図っていると説明した。

モイニハンCEO(52)は先週、社内向けのグローバル・タウ ンホール・ミーティングで本社から社員に呼び掛け、傷ついた社会的 イメージを回復するための「戦いに勝利する場」は州や地方自治体レ ベルにあると指摘した。

BOAの地域浸透キャンペーンは、同銀を復活させようと奮闘す るモイニハンCEOの取り組みの一環だ。モイニハン氏がCEOに就 任した2010年1月までに、BOAは2度にわたる公的資金注入を受 けた。デビットカード利用客向けに一部で月間5ドルの手数料を導入 するとした同銀の計画は、オバマ大統領や議員からの厳しい非難にさ らされている。ダービン上院副院内総務(民主党、イリノイ州)は、 抗議の意を示すために顧客は預金を引き揚げるべきだと発言した。

10月18日に開かれた社内ミーティングでモイニハン氏は、 「ボランティア活動や慈善寄付、顧客サービスで皆さんがどれだけ素 晴らしい行いをしているかを考えると、皆さん同様に私も怒り心頭と いったところだ」と発言。同銀の批判者に対しては「私たちを怒鳴り つける前に、そういった面も少しは考えるべきだ」と論じた。

モイニハン氏は顧客や社員、投資家のBOAに対する評判の回復 に苦戦している。ロサンゼルスやボストンではデビットカード手数料 の導入に抗議する運動が巻き起こった。それ以前にも、住宅差し押さ えを正当化する目的で不適切な書類を使用したとして、州の司法長官 が関連金融機関の法的責任を追及。年初来50%超下落した株価を反 転させようと、BOAは3万人以上の雇用削減を通じた経費抑制に着 手した。

地域に根ざした戦略

BOAのアン・フィヌカン最高戦略・マーケティング責任者がミ ーティングで発表したところでは、全米135人の幹部がここ2週間 で、地方自治体や地域指導者に1500回にわたる電話攻勢や訪問を実 施した。まず先方に手紙を送り、地元企業への融資実績や同銀の地元 雇用規模を説明する手法をとっているという。

同銀の試みは、地方自治体や中小企業の間で評判を向上させるこ とにある。その理由についてフィヌカン氏は、「評判を測る指標とし て、このような対象がより重要であることが調査で示された」と社員 に説明。全米の27地域で紙面広告枠を、15地域でテレビ広告枠を それぞれ購入したことを明らかにした。

フィヌカン氏はインタビューで、「社会的に最も関心の高い課題 に立ち返って正面から挑もうとしている。つまり、融資や投資は活発 か、そのうちどの程度が地域に根ざしたものか、といった課題だ」と し、「こうした問いかけに地域ベースで答えを出していこうと取り組 んでいる」と語った。

顧客満足度は最下位

レビック・ストラテジック・コミュニケーションズの上級副社長 で米証券取引委員会(SEC)の元広報担当責任者、マイケル・ロビ ンソン氏はBOAのキャンペーンについて、規制当局や投資家との関 係改善という大きな取り組みの一環として筋の通った活動だと述べた。

ロビンソン氏は「四面楚歌の状態にある時は、細部まで徹底す ることが必要だ。草の根レベルの計画を実施し、アナリストや代理店 と協力すべきだ」と解説。「BOAは経済の推進力だ。あらゆる機 会を捉えてそれを定量化するのは賢明な戦略といえる」と続けた。同 氏はBOAのアドバイザーは勤めていない。

調査会社JDパワー・アンド・アソシエーツによれば、24行を 対象にした今月の中小企業満足度調査で、BOAは最下位となった。 ウェルズ・ファーゴやシティグループ、JPモルガン・チェースも下 位5社に入っている。コンシューマリスト・ドットコムが今年実施し た調査では、米史上最悪の原油流出事故を起こした英石油会社BPに 次いで、BOAは全企業でワースト2位だった。

BOAのモイニハン氏は政治から距離を置くため、メディアに対 しては議員批判に直接反論することは避けてきた。しかし社員を前に した先週のミーティングでは、「批判者は通常、事実や数字を理解す るととたんに静かになるものだ」と語り、闘争心を垣間見せた。

様々な反対論者と渡り合ってCEOもさぞかしお疲れでしょうと の社員の問いかけに、モイニハン氏は最後にユーモアで締めくくった。 「疲れてはいないよ。そんなにひどい顔をしているかね?」

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