オリンパス:菊川氏が代表権返上、取締役に降格-内紛と株安経て

オリンパスは26日付で菊川剛会 長兼社長(70)が代表権を返上して取締役へと降格し、後任の社長に 高山修一取締役(61)を充てる人事を発表した。同社は14日に、過去 の買収に絡んで経営陣を批判したマイケル・ウッドフォード氏を社長か ら解職、経営不安を受けて株価も急落していた。

高山氏は26日夕に都内で会見し「信頼回復に向けた陣頭指揮を執 る」と強調。「企業価値が毀損(きそん)しているわけではなく、事業 も順調に推移している」として株価は「必ず回復できる」と語った。

時価総額急減で他社から買収提案を受ける可能性について高山氏は 「全く聞いていない。心配ないと思っている」と説明。株価下落に伴い 株主が代表訴訟を起こすとの話は「聞いていない」と語った。ウッドフ ォード氏が社長解職後も「取締役でありながら社内の機密情報を開示」 した点については「大変な憤りを感じている」と語った。

ウッドフォード氏は解職前に、2008年の英ジャイラス社買収でフ ァイナンシャルアドバイザー(FA)に6億8700万ドルを支払ったこ とは、当局の検査を招く可能性があるとした報告書を外部の会計事務所 に依頼して作成。13日に菊川氏らの退任を要求し、逆に14日に社長の 職を解かれていた。

オリンパスはFAへの支払いなどは適切だったとの主張を続ける一 方、21日には過去の買収を調査する第三者委員会の設置を発表してい た。高山氏は26日の会見で第三者委は1-2週間のうちに設置可能と 語り、同委で何か指摘されれば「それにふさわしい対応を取る」と語っ た。FAへの支払い額は「適切だった」との認識を繰り返した。

一定のけじめ

今回のトップ交代について、ミョウジョウ・アセットマネジメント の菊池真社長は、菊川氏退任は「一定のけじめ」であり、株価が27日 に反発する可能性があるとコメント。しかし、FA支払いなどの「真相 は闇の中」であり、買収に関連する支払い問題をオリンパスが「積極的 に真相究明していかないとロングの買いは入らない」と述べている。

SMBC日興証券の河田剛国際市場分析部部長は、映像部門のトッ プだった高山氏の起用は、「内視鏡が稼ぎ頭」であるオリンパスにして は意外な部分もある、と指摘した。

高山氏は会見で他の取締役から「強い要請」を受けて社長に就任し たと説明した。菊川氏は会見には出席せず、司会者が同氏のコメントと して、交代は「信頼回復を新体制で推進すべきと判断した」ためで、今 後は「取締役の1人として努力する」とする文書を読み上げた。

高山氏は菊川氏が会見に欠席したのは「第三者委を推進する立場で はないから」と説明。「無任所の取締役」となった菊川氏が、経営に 「口は出さないと思う」と述べた。

FBIに書類提出へ

一方でウッドフォード氏は日本時間26日夕、ニューヨークでブル ームバーグ・ニュースの電話取材に対し、ジャイラス社買収のFA支払 い関連書類を米連邦捜査局(FBI)に提出することを明らかにした。

同氏は菊川氏の辞任について「依然として取締役の地位にとどまっ ている」点をとらえオリンパス問題が「どの程度進展したのか不明だ」 と語った。高山氏の人選に関しては「いい人ではあるが、この状況で必 要なのだろうか」と疑問を呈した。

ウッドフォード氏解職以降に下落を続けていたオリンパス株価は 25日に8営業日ぶりに反発していたが、26日には再度、値を下げた。 一時は 前日比11%安となった後、同90円(7.6%)安で取引を終了し た。売買代金は425億円と、国内上場株で首位。

--取材協力 藤村奈央子、山口祐輝、Chris Cooper

Editors:Yoshinori Eki, Eijiro Ueno, Hideki Asai

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