債券先物が約3週間ぶり高値、米債高や円高受けた追加緩和観測支え

債券市場では、先物相場が一時約 3週間ぶりの高値を付けた。前日の米国市場で債券高・株安となった 地合いを引き継いだほか、円がドルに対して戦後の最高値を更新した ことで、日本銀行が追加緩和に踏み切るとの観測も相場を支えた。

しんきんアセットマネジメント投信・投資調査グループの鈴木和 仁ストラテジストは、欧州連合(EU)首脳会議(サミット)で包括 策が大枠で合意されたとしても、詳細の詰めにはなお時間がかかると 指摘。欧州の債務問題に関する不透明感に加えて、外国為替市場で円 高基調が続いていることを背景に、「この日は打診的な債券買いが優勢 だった」と説明している。

東京先物市場で中心限月12月物は、取引開始後に2週間ぶり高値 の142円61銭まで上昇し、前日比28銭高の142円58銭で午前の取引 を終了。午後には142円62銭まで水準を切り上げた後、日経平均株価 がプラスに浮上すると、やや伸び悩む場面も見られたが、一時142円 68銭と6日以来の高値を更新。結局、36銭高い142円66銭で引けた。

現物債市場では、長期金利の指標とされる新発10年物の318回債 利回りが午前の早い段階で2週間ぶりに1%を下回り、午後には前日 比2.5ベーシスポイント(bp)低い0.99%まで水準を切り下げている。 5年物の99回債利回りも午後に一時2.5bp低い0.345%を付けている。

また、この日に実施された2年債の入札好調を受けて、2年物の 309回債利回りは1bp低い0.14%と18日以来の水準まで下げた。

日銀の追加緩和観測

25日の米国債は上昇。EUが26日に予定していた財務相会合を 中止したことで、債務危機の打開を目指すサミットでの危機解決が難 しくなるとの見方が広がった。逃避先として米国債の妙味が高まり、 米10年債利回りは前日比12bp低い2.11%程度。米株式市場ではS& P500種株価指数が4日ぶりに下落。円は対ドルで一時75円74銭ま で上昇。戦後最高値を更新した。

UBS証券の伊藤篤シニア債券ストラテジストは、円高を受けて 日銀による追加緩和観測が出て、債券市場では買いが先行したと説明。 「26日のEUサミットで包括策の大枠を決め、同日の財務相会合で詳 細が決まる見通しだったのが、財務相会合が延期となり、海外市場で リスクオフ(回避)の動きが強まったことも支援材料」とも話した。

日銀は27日に金融政策決定会合を開催する。ブルームバーグが有 力日銀ウオッチャー13人を対象にした調査では現状維持が大勢。しか し、急激な円高など市場で大きな混乱が起こった場合、追加緩和の可 能性があるとの見方も出ていた。

安住淳財務相は26日午前、海外市場で円が対ドルで最高値を更新 したことを受け、「あらゆることにすぐ対応できるよう事務方に準備を 指示した。あらゆる措置を排除せず対応する」と述べ、あらためて為 替介入も辞さない構えを示した。また、日銀による追加緩和の可能性 が指摘されていることについては、「危機感は共有している。適宜適切 に対応してくれると思っている」と語った。

2年債入札、テール1厘に縮小

一方、財務省がこの日実施した2年利付国債(310回債)の入札 結果によると、最低落札価格は100円10銭となり、事前予想の100 円09銭5厘を上回った。小さければ好調とされるテール(最低と平均 価格との差)は1厘となり、1月入札以来の小ささ。応札倍率は4.07 倍と前回の3.29倍を上回った。

RBS証券の徐瑞雪債券ストラテジストは、日銀による追加緩和 観測を背景に2年債入札結果は順調と説明。「日銀が買い入れ対象とす る国債の残存年限を長期化すれば支援材料になると思う」とも話した。

--取材協力 池田裕美、赤間信行、Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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