欧州の指導者、包括的危機対策の取りまとめ難航も-26日に首脳会議

ドイツのメルケル首相は欧州首脳 が「困難に対処した」と述べ、フランスのサルコジ大統領は7月21 日のユーロ圏首脳会議を「歴史的な転換点」と評した。ユーロ圏財務 相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国 庫相)も欧州債務危機の収束に向けた「最終的な包括案であることは 間違いない」と発言した。

そして各国首脳は休暇を取ったが、仕事に戻るまでの間に首脳ら の足並みに乱れが生じてきた。

欧州首脳は26日、再びブリュッセルに集まり、ガイトナー米財務 長官が「壊滅的なリスク」と呼んだ債務危機への対策を取りまとめる。 ギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥ればその衝撃はイタリアや フランスをのみ込み、欧州金融システムを揺るがすばかりか世界経済 に大きな打撃をもたらす恐れがある。

米カリフォルニア大学バークリー校のバリー・アイケングリーン 教授(経済学)はブルームバーグラジオの番組「ブルームバーグ・サ ーベイランス」でトム・キーン、ケン・プレウィット両司会者のイン タビューに答え、「この危機はまだしばらく続くだろう」とした上で、 「26日のサミットでは解決に向けた対策を講じることはできないの ではないかと危ぶんでいる」と語った。

この1年9カ月で14回目となる首脳会議は、ブリュッセル時間 26日午後6時(日本時間27日午前1時)に欧州連合(EU)首脳会 議で幕を開ける。午後7時15分からはユーロ圏首脳会議が行われる。

財務相会合中止

首脳会議に先立って開催する予定だった財務相会合は中止となっ たが、このことは危機収拾案の問題点を浮き彫りにした。EU当局者 の1人によると、財務相らは銀行の保護やギリシャ債の損失負担など の主要問題の技術的な細部を詰めるため、首脳会議後に会合を開く予 定。具体的な日時は未定だという。

欧州が自ら設定した期限は、11月3、4の両日にフランスのカン ヌで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議だ。

ユンケル議長は25日、ギリシャ債の損失負担割合について「われ われは現在、50-60%で議論している」と発言。「ブリュッセルで並行 して銀行と協議する予定であり、自発的な関与の結果がどうなるか見 る必要がある」と述べた。

欧州首脳らは政治家が干渉しているような印象を与えずに欧州中 央銀行(ECB)から国債購入継続の言質を取り付ける方法を模索し ている。事情に詳しい関係者3人が24日明らかにした。

ECBの役割が重要に

これら関係者によると、各国政府が資金を拠出する欧州金融安定 ファシリティー(EFSF)の実質的な融資能力拡大の仕組みは首脳 会議直後には整備できず、能力が不十分な可能性があるため、ECB の関与が極めて重要になる。

4400億ユーロ(約46兆6000億円)規模のEFSFの能力強化に ついては主として2つの方法が議論されている。EFSFを国債発行 の保証に活用することと、国際通貨基金(IMF)など外部から資金 を呼び込むための特別目的投資事業体(SPIV)を設立することだ。 関係者らによると後者の議論は今週始まったばかりで、その有効性は 格付け会社や国際投資家との交渉にかかっているという。

ESMの条項見直しも

EFSFと恒久的な救済枠組みである5000億ユーロ規模の欧州 安定化メカニズム(ESM)をどのように統合するかについての議論 は継続している。首脳らは、ESMの規定に盛り込まれているEFS FからESMに移行する期間中の融資の上限を5000億ユーロとする 条項の修正ないし削除を検討する見通しだ。また、債券保有者の負担 の共有に関するESMの条項についても内容を緩和するかどうかが検 討される見込み。

米ブルッキングズ研究所のドメニコ・ロンバルディ上級研究員は 24日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「欧州はつい に正しい方向に動き出しているが、危機対策は、市場の期待の沈静化 に必要な『衝撃と畏怖』の反応を引き起こすまでには至らないとみら れている」と指摘した。

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