10月25日の米国マーケットサマリー:円が戦後最高値、株価は反落

ニューヨークの為替・株式・ 債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3907 1.3929 ドル/円 75.96 76.10 ユーロ/円 105.64 106.00

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 11,706.62 -207.00 -1.7% S&P500種 1,229.06 -25.13 -2.0% ナスダック総合指数 2,638.42 -61.02 -2.3%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .25% -.03 米国債10年物 2.11% -.12 米国債30年物 3.13% -.14

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金(ドル/オンス)1,700.40 +48.10 +2.91% 原油先物 (ドル/バレル) 92.91 +1.64 +1.80%

◎外国為替市場

25日のニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで戦後最高値 を更新し、他の主要通貨の大半に対しても上げた。欧州ソブリン債危 機への懸念が強まり、安全な逃避先として円に買いが入った。26日 には欧州の首脳会議が開かれる。

カナダ・ドルは米ドルに対して4日ぶりに下落。カナダ銀行(中 央銀行)が成長見通しを下方修正したことが響いた。米ドルは南アフ リカ・ランドとメキシコ・ペソに対しても上昇。米消費者信頼感指数 が低下し、米国債が上昇したことが背景にある。日銀が追加的な金融 緩和策を検討すると日本経済新聞の電子版が報じると、円は対ドルで 伸び悩んだ。

ソシエテ・ジェネラルの法人為替営業ディレクター、カール・ フォチェスキ氏は「全般的に質への逃避やリスク回避の傾向が見られ、 円はこうした動きの影響を受けることが多い」と述べ、「欧州の動向 に注目が集まっている」と続けた。

ニューヨーク時間午後1時5分現在、円は対ドルで前日比

0.1 %上昇して1ドル=76円ちょうど。一時は75円74銭まで上 昇した。円は対ユーロでも0.1%上げて1ユーロ=105円90銭。ユ ーロは対ドルで1ユーロ=1.3922ドル。一時は1.3960ドルと、9 月8日以来の高値を付けた。

◎米国株式市場

米株式相場ではS&P500種株価指数が反落。前日までは3日 続伸していた。経済活動の指標と見なされるUPS株が下落したほか、 経済指標が予想を下回ったことが背景にある。投資家は26日の欧州 首脳会議に注目している。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株 価指数は前日比2.0%安の1229.05。前日までの3日間で同指数は

3.7%上昇していた。

セキュリティー・グローバル・インベスターズで230億ドルの 運用に携わるマーク・ブロンゾ氏(ニューヨーク州アービントン在勤) は電話インタビューで、「回復は緩慢なものとなる」とし、「経済統 計は市場が底入れの過程にあることを示している。UPSは世界の経 済成長に関して慎重な見方を示した。さらに市場は依然として欧州で の展開次第だ」と述べた。

この日発表された10月の米消費者信頼感指数は予想に反して大 きく低下し、米経済がリセッション(景気後退)に陥っていた2009 年3月以来の低水準となった。雇用や所得の先行きの暗さが反映され た。これを受けて株式相場は下げを拡大。一方、全米20都市を対象 にした8月の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケー ス・シラー住宅価格指数も予想以上の低下となり、景気回復を妨げる 要因の一角が鮮明になった。

◎米国債市場

米国債相場は上昇。債務危機の打開を目指す欧州サミットの行方 が不透明になってきたことから株価が下落、逃避先として米国債の妙 味が高まった。

この日実施された2年債入札(発行額350億ドル)では、需要が 過去の平均を上回った。米株式市場ではS&P500種株価指数が4営 業日ぶりに下落。欧州連合(EU)が26日に予定していた財務相会合 を中止したことで、首脳会議での危機解決が難しくなるとの見方が広 がった。

ドイツ銀行プライベート・ウェルス・マネジメント部門の債券ト レーディング責任者、ゲーリー・ポラック氏(ニューヨーク在勤)は 「市場では、欧州各国が解決に向け積極的に動かないのではとの懸念 が非常に強い」と指摘。「こうしたことから、米国債はあらゆる年限で 買われている」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時 間午後2時15分現在、30年債利回りは前日比12ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)下げて3.15%。一時3.31%と、9月 16日以来の高水準を付ける場面もあった。同年債(表面利率3.75%、 2041年8月償還)価格は2 15/32上げて111 17/32。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金先物相場は上昇。終値ではオンス当たり1700ド ルを回復し約1カ月ぶりの高値となった。欧州の債務危機対応の遅れ や米インフレ懸念の再燃で、金の買いが膨らんだ。

26日の欧州連合(EU)財務相会合は中止された。包括策に盛 り込まれる他の要素がまとまる前に銀行資本強化の問題について決定 できないためと、事情に詳しい関係者が匿名で語った。イエレン米連 邦準備制度理事会(FRB)副議長は21日、米景気浮揚に必要なら、 量的緩和第3弾が正当化されるかもしれないとの認識を示した。商品 24銘柄で構成するS&PのGSCI指数ではこの日、金と銀の上昇 が目立った。

フォックスホール・キャピタル・マネジメントのポール・ディー トリヒ最高経営責任者(CEO)は電話インタビューで、「債務危機 を背景に欧州がリセッション(景気後退)に陥る可能性がある一方で、 米国では成長支援に向けFRBによる緩和措置が講じられるとの一般 的な見方があるため、金は支えられている」と指摘。「インフレ圧力 になりかねない」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比2.9%高の1オンス=1700.40ドルで終了。一時 は1704.70ドルと、中心限月としては先月23日以来の高値を付け た。年初からは20%の値上がり。

◎NY原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は上昇。12週ぶりの高値となった。 主要な米受け渡し地点での在庫減少を背景に、原油は強気相場の領域 に押し上げられた。

原油は今年の下落分を埋めた。衛星写真に基づく分析によると、 ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油の受け渡 し点であるオクラホ州クッシングの在庫は先週減少した。ロンドンの 北海ブレント原油はWTI原油に対して7月以来最低のプレミアム (上乗せ価格)で取引されている。欧州の財務相会議が中止になった と伝わると、原油は伸び悩む展開になった。

ドイツ銀行のエネルギー担当チーフエコノミスト、アダム・シミ ンスキー氏(ワシントン在勤)は「ここしばらく減少していたクッシ ングの在庫がようやく材料となり、これに基づく取引が始まった」と 指摘。「ブレント原油は依然として110ドルを上回っているため、 WTIはなお安値で取引されており一段高となる可能性があるといっ ても間違いではないだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 日比1.90ドル(2.08%)高の1バレル=93.17ドルで終了。終値 ベースで8月2日以来の高値を付けた。今月4日からは23%の値上 がり。

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