米国債:上昇、欧州サミットをめぐる不透明感で逃避需要

米国債相場は上昇。30年債利 回りはここ3週間で最大の下げとなった。債務危機の打開を目指す欧 州首脳会議(サミット)の行方が不透明になってきたことから株価が 下落、逃避先として米国債の妙味が高まった。

この日実施された2年債入札(発行額350億ドル)では、需要 が過去の平均を上回った。米株式市場ではS&P500種株価指数が4 営業日ぶりに下落。欧州連合(EU)が26日に予定していた財務相 会合を中止したことで、首脳会議での危機解決が難しくなるとの見方 が広がった。

ドイツ銀行プライベート・ウェルス・マネジメント部門の債券ト レーディング責任者、ゲーリー・ポラック氏(ニューヨーク在勤)は 「市場では、欧州各国が解決に向け積極的に動かないのではとの懸念 が非常に強い」と指摘。「こうしたことから、米国債はあらゆる年限 で買われている」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時 間午後5時5分現在、30年債利回りは前日比14ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)下げて3.13%。一時15bp低下と、3 日以降では最大の下げとなった。同年債(表面利率3.75%、2041 年8月償還)価格は2 7/8上げて111 30/32。

5年債利回りは11bp低下の0.99%。終値ベースでは8月以 来の大幅な下げとなった。財務省は26日に5年債入札(発行額350 億ドル)を実施する。

2年債入札

既発2年債の利回りは4bp下げて0.24%と、10月4日以来 の低水準。この日の2年債入札では、最高落札利回りは0.281%と、 入札直前の市場予想の0.288%を下回った。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は3.64倍となった。過去 10回の平均は3.33倍。

大和証券キャピタル・マーケッツ・アメリカの債券部門責任者、 レイ・レミー氏(ニューヨーク在勤)は「入札は非常に好調だった」 とした上で、「状況は何も変わっていない。欧州ではまだ不確実な要 素が見られ、株式相場も不安定だ」と付け加えた。

間接入札

2年債入札で間接入札の落札全体に占める比率は39.2%と、 2010年10月の入札(40%)以降で最大。過去10回の入札の平均 は30.1%。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接 入札の比率は8.2%。前月は12.2%で、過去10回の入札の平均 は14.9%。

この日の2年債を含め、今週は合計990億ドル規模の国債入札 が実施される。26日は5年債(発行額350億ドル)、27日は7年 債(同290億ドル)の入札が予定されている。

EU議長国のポーランドはこの日、26日に予定されていたEU の財務相会合が中止されたと発表した。これを手掛かりに30年債利 回りは6営業日ぶりに低下した。首脳会議は予定通り開催される。