イタリアとスペイン、ポルトガルに直撃か、欧州の銀行資本増強計画

欧州の金融機関の1000億ユー ロ(約10兆6000億円)の資本増強計画で、影響をまともに受けるの はイタリアとポルトガル、スペインの銀行のようだ。一方、英国やド イツ、フランスの銀行は増資を回避できる可能性がある。

事情に詳しい関係者2人によると、26日にブリュッセルで開かれ る首脳会議を前にユーロ圏の危機収拾に向けた包括策合意を目指して いる欧州の当局者は、狭義の中核的自己資本(コアTier1)比率 を6月末までに9%に引き上げるよう銀行に迫る見込み。アナリスト の間では、イタリアの銀行最大手ウニクレディトとポルトガルの銀行 2位のコメルシアル・ポルトゲース銀行、スペインで同2位のビルバ オ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)などの銀行に大幅な 資本増強が必要だと指摘されている。

同関係者によると、時価が額面を上回っている国債の評価を引き 上げることは可能であるとみられ、銀行は南欧諸国国債の評価損の影 響を軽減できるという。英国やドイツの銀行は保有する債券で最も多 いのが自国の国債であるため、有利な状況であり、フランスの銀行も 追加資金調達を避けることができるかもしれないという。

メディオバンカのアナリスト、クリストファー・ウィーラー氏 (ロンドン在勤)は、「評価切り上げがドイツと欧州北部、英国の銀 行を支援することは間違いなく、周辺国には打撃になるだろう」と述 べ、「国債のヘアカット(債務減免)分を他の国債の評価益で相殺す ることが銀行に本当に認められた場合、市場が落ち着いていくことに なるのか分からない」と付け加えた。

保有国債の割合

クレディ・スイス・グループのアナリスト、カルラ・アントゥネ スシルバ氏によれば、政策当局はまだ個々の銀行に必要な資本調達の 額や方法に関する詳細を提示していない。資本増強の必要額に関する アナリスト予想は国債評価損の規模によって900億ユーロから1100 億ユーロの範囲となっている。

JPモルガン・チェースやMFグローバルのロンドン在勤アナリ ストらによると、英独仏の国債保有の多い銀行は資本増強を避けられ る可能性がある一方、ギリシャやアイルランド、イタリア、ポルトガ ル、スペインの国債保有の多い銀行は最も資本増強を迫られるという。

2020年償還のギリシャ国債は24日、額面1ユーロに対して約

0.38ユーロで取引されていた。10年物のポルトガル国債は同0.55 ユーロ、同年限のスペイン国債は同0.998ユーロ、フランス国債は同

0.995ユーロ。同年限の英国債は額面1ポンドに対し1.10ポンド、 ドイツ国債は額面1ユーロに対し約1.01ユーロだった。