スペイン、赤字削減目標の達成難航で危機波及の恐れ-クレジット市場

スペインは景気減速を受け、今年 の赤字削減目標の達成が難航するとみられ、欧州債務危機が波及する 恐れがある。

信用保険会社ユーラーヘルメスのチーフエコノミスト、ルドビッ ク・サブラン氏(パリ在勤)は「スペインは達成できないだろう」と 述べ、「われわれの9月の見通しでは同国の今年の赤字は国内総生産 (GDP)比7%だった」ものの、その見通しは今月のスペインの格 下げより前に出したものだと付け加えた。

欧州首脳が域内の救済基金の拡充に欧州中央銀行(ECB)のバ ランスシートを活用する可能性を排除したことから、スペインの10 年物国債利回りは24日に7ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上昇し5.54%に達した。スペイン政府は財政赤字のGDP 比を2010年の9.2%から今年は6%に削減を目指している。今年1 -9月期の財政赤字は今週中に発表の予定。

マドリードにあるFUNCAS(貯蓄金庫財団)のチーフエコノ ミスト、アンヘル・ラボルダ氏は、欧州の首脳が債務危機を収拾でき ていないため、「赤字削減が成長を圧迫し、削減目標を達成不可能に し、一層の格下げを引き起こすという悪循環」に陥る危険があると指 摘。政策当局者は経済成長がなくてもユーロ圏諸国の債務返済を確実 にしなければならないと語った。

スペインの失業率は21%と域内最高で、個人消費の減少を招い ている。4-6月(第2四半期)の経済成長率は0.2%と、1-3月 (第1四半期)の0.4%から減速した。サパテロ首相は9月14日、 四半期成長率が年内は第2四半期と同程度にとどまるとの見通しを示 した。

見通し修正

欧州連合(EU)は24日、スペインが11年の赤字削減目標達 成に向けて順調に進んでいるとの認識を示したが、エコノミストらは スペインの税収の落ち込みや借り入れコストの上昇、地方や社会保障 制度などの財政悪化を反映して見通しを修正している。

ユーラーヘルメスは8月の緊縮策を考慮した上で0.7%の経済成 長を基に赤字のGDP比予想を試算したとしている。ブルームバー グ・ニュースが集計したエコノミスト10人の予想中央値では財政赤 字のGDP比は6.3%と見込まれている。