欧州の救済基金拡充、格付け会社や投資家と協議継続-溝埋まらず

【記者:Brian Parkin and Rainer Buergin】

10月25日(ブルームバーグ):欧州指導者らは26日に開く首脳会 議で、救済基金である欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の支 援能力を高める合意を目指しているが、民間投資家との間でさらに協 議が必要になる見通しだ。一方、ドイツ連邦議会(下院)は26日、首 脳会議で採択するEFSF拡充案を承認するかどうかをめぐる採決を 行う。

ドイツの議員らに配布された欧州連合(EU)の草案は、EFS Fの増強を2つのモデルの下で行うことを想定。2つのモデルを組み 合わせる可能性に言及するとともに、「迅速な実施」が可能だと説明し ている。ただ、レバレッジ(てこ)を活用して支援能力をどの程度ま で拡充するかについては、投資家および格付け会社との協議を経て初 めて確定できるとしている。

EUの債務危機への対応で埋めきれない溝が残っていることを草 案は浮き彫りにしている。欧州中央銀行(ECB)のバランスシート を利用するEFSFの支援能力拡充という選択肢が消えたことから、 欧州の指導者らはレバレッジの手段について協議する一方で、ギリシ ャ国債の損失を民間債権者がどの程度受け入れるかをめぐっても銀行 側との駆け引きが続いている。

ソシエテ・ジェネラルの外国為替調査責任者(ロンドン在勤)、キ ット・ジャックス氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビュー で、EFSFの機能拡充について、「多くの人々が詳細の公表を見守る ことになるだろう」と語った。

内外の投資資金活用も

ドイツ議会では25日、EFSFの2つのレバレッジモデルを検証 する審議が始まる。第1のモデルは高債務国の資金需要の一部を保証 することによってEFSFの実質的な能力を拡大するという内容。2 番目のモデルは欧州内外の官民の投資家から調達した資本を一体的に 活用するものだ。

草案は「EFSFの実質的な支援能力は、裏付けとなる保証を拡 大することなく増強できる」とした上で、「実現可能なレバレッジは、 ユーロ圏の特定の国のソブリン債への投資家の需要を考慮し、新たな 手段をめぐる投資家および格付け会社との協議を経て、初めて確定す ることができる」と指摘している。

保証証券付きEFSF債

草案によれば、第1案は本体と切り離して取引できる「部分保証 証券」付きのEFSF債を発行し、高債務国がこの債券を購入する資 金をEFSFが融資する。保証証券の保有者は、高債務国がデフォル トに陥った場合、別の信託勘定にあるEFSF債によって弁済を受け ることができる。

ただ、発行体が既発債よりも返済順位が高い債券を新たに発行す ることを禁じる担保制限条項に抵触するリスクがあり、どのような事 態がデフォルトに該当するかについても詰められていないという。

第2案は、高債務国の国債を発行市場と流通市場の両方で購入す るための特別目的投資事業体(SPIV)を設立するもので、購入資 金はSPIVが伝統的な債券投資家を向けに優先債を発行して賄う。 SPIVは高リスク志向の投資家を対象に返済順位の低い債券を発行 することも可能だ。

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