ユーロが下落、債務問題長期化で景気不透明感-ドル・円76円台前半

東京外国為替市場では、ユーロ が下落。欧州連合(EU)首脳会議(サミット)を26日に控えて、最 終的な調整が難航する可能性が警戒される中、ユーロの上値が抑えられ た。

ユーロ・ドル相場は朝方に付けた1ユーロ=1.3933ドルを上値に じり安となり、午後には一時1.3877ドルまで下押しされる場面も見ら れた。前日の海外市場では、欧州債務問題の前進期待を背景にリスク選 好の動きが進み、1.3957ドルと、9月8日以来の水準までユーロ高・ ドル安が進行していた。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、欧州銀行の資本 増強額や欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の規模拡大が不十分 との見方に加え、資金源など不透明な部分があり、市場に「不安が残っ ている」と指摘。さらに、EUサミットで決着したとしても、ユーロ圏 は財政だけでなく、「景気の問題もそのあとに控えている」といい、ユ ーロの上値を追う動きは見込みにくいと説明している。

一方、ドル・円相場は円の上昇局面では政府・日本銀行による円売 り介入への警戒感があり、午前には1ドル=76円23銭までドル高・ 円安が進行。その後は対ユーロでの円買いが波及する場面もみられ、午 後には76円04銭まで円が値を戻した。

EUサミットを見極め

26日に予定されているEUサミットでは、包括的な危機解決策と して1兆ユーロ超へのEFSFの融資能力引き上げとギリシャ債のヘア カット(債務減免)率が最優先議題となる。ドイツ連邦議会(下院)は 26日、EUサミットで採択するEFSF拡充案を承認するかどうかを めぐる採決を行う。

24日までにドイツの議員らに配布されたEUの草案によると、E FSFの増強を2つのモデルの下で行うことを想定。2つのモデルを組 み合わせる可能性に言及するとともに、「迅速な実施」が可能だと説明 している。ただ、レバレッジ(てこ)を活用して支援能力をどの程度ま で拡充するかについては、投資家および格付け会社との協議を経て初め て確定できるとしている。

上田ハーローのシニアアナリスト、山内俊哉氏は、欧州債務問題に ついては、一時の「総悲観」からは心理的に改善したものの、最終的に 合意できるかというところはまだ不透明な段階にあると指摘。ギリシャ の債務問題は、どういう形を取ってもデフォルト(債務不履行)に近い 格好になってしまうので、そこは懸念として一つ残っているといい、 「新たにユーロを買っていくというのは難しい」と説明している。

一方、銀行が保有するギリシャ国債の損失をどの程度まで受け入れ るかという議論では、銀行側が欧州の指導者らの要求に抵抗。ギリシャ 支援への民間関与をめぐる交渉の当事者である国際金融協会(IIF) のダラーラ専務理事は24日、「投資家やより広範な市場参加者にとっ て、自発的と考えることができる範囲」には限界が存在すると電子メー ルで指摘した。

三菱東京UFJ銀行米州金融市場部マーケティンググループのマネ ジングディレクター、村尾典昭氏(ニューヨーク在勤)は、仮に市場が 期待しているような内容がまとまらないとか、再延期されるなどした場 合は、「高まったリスクオン(選好)の動きが今度はリスクオフ(回避 )になる」可能性があると予想。市場が円買いで反応する展開もあり得 るとみている。

介入警戒でドル・円こう着

前週末の海外市場で一時75円82銭(ブルームバーグ・データ参 照)と、戦後の円最高値を更新したドル・円相場は、週明け24日に 76円49銭まで値を戻したあと、海外市場で75円99銭までドル安・ 円高が進んでいた。

安住淳財務相は25日午前の閣議後会見で、為替相場について「急 激で短期的な円高は決して実体経済を反映した動きではなく、投機的な 動きと判断せざるを得ない」と指摘。「円高が行き過ぎれば断固たる措 置を取ることになる」とし、「市場でさらに投機的な動きが強まれば、 事務方にあらゆる対応ができるよう指示している」とあらためて強調し た。

上田ハーローの山内氏は、ドル・円相場について、安住財務相の発 言を受けて、当局はいつでもどこでも介入を実施する態勢になっている と受け止められ、「75円台でドル売り・円買いを進めたくない」との 心理が働いていると説明。介入警戒感でドルが支えられているとしてい る。

この日の東京市場では、76円23銭を円の下値に76円04銭まで 円高が進んだが、上下ともに限定的で、日中の値幅は19銭にとどまっ た。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE