UBSの7-9月期:純利益は39%減、不正取引の損失響く

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スイスの銀行最大手UBSは25 日、7-9月(第3四半期)の純利益が39%減少したと発表した。ト レーダーが権限のない取引を行って23億ドル(約1750億円)の損失 をもたらしたことが響いた。

発表文によると、純利益は10億2000万スイス・フラン(約879 億円)となり、前年同期の16億6000万フランから減少した。ブルー ムバーグがアナリスト11人を対象にまとめた予想中央値では、3億 1800万フランの利益が見込まれていた。UBSは今月、自行のクレジ ットスプレッド拡大で得られた会計上の利益や保有債券の売却益が、 投資銀行部門で発覚した不正取引によるトレーディング損失の影響を 抑えて小幅黒字になったもようだと説明していた。

8月に3500人の削減を発表したUBSは、投資銀行部門を縮小し てウェルスマネジメント事業により多くの資本を配分する計画。カス パー・フィリガー会長は先月、業界の変化を「パラダイムシフト」と 称していた。トム・ナラティル最高財務責任者(CFO)は今月に入 って投資家に対し、経済の不透明感で顧客が第3四半期に取引を手控 えた一方、株式相場の下落で運用資産が減少したことを明らかにして いた。

UBSによると、投資銀行部門では不正取引事件や自行のクレジ ットスプレッド拡大の影響を除いたベースの税引き前損益が5億 6600万フランの赤字となった。前年同期は1900万フランの赤字だっ た。フラン高や厳しい市場環境での全事業にわたる減収が響いた。

ウェルスマネジメント事業とスイスの銀行部門の利益は67%増 の15億7000万フラン。債券売却益に支えられた。ウェルスマネジメ ント米州は税引き前損益が1億3900万フランの黒字と、前年同期の 4700万フランの赤字から改善。資産運用部門の利益は31%減の7900 万フラン。ウェルスマネジメント事業では顧客資金が第3四半期にネ ットベースで78億フラン増えた一方、資産運用部門では顧客が26億 フランを引き出した。

同行は「世界経済成長の見通しは依然、ユーロ圏のソブリン債問 題や銀行業界の不安、米国の経済成長や雇用、連邦財政赤字をめぐる 問題が満足に解決されるかどうかに大きく左右される状況にある」と 指摘。「これらで進展がなければ、今の市場環境やトレーディング活動 が著しく改善する可能性は低く、収入の伸びや新規資金の純増に逆風 となる可能性がある」との見解を示した。

同行は7月に税引き前利益の倍増目標を断念しており、11月17 日にニューヨークでの投資家向け会合で新戦略の詳細を開示する計画。

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