10月24日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルは下落、株式や商品の上昇でリスク志向-円が高い

ニューヨーク外国為替市場ではドルが主要通貨すべてに対して 下落。市場予想よりも良好だった企業の決算や商品高を背景に株価が上 昇、安全逃避先としてのドルの需要が減退した。

円は対ドルで最高値に迫った。9月の日本の輸出額が予想以上 に伸びたのが手掛かりだった。ユーロは対ドルで上昇。欧州の債務危 機解決策への取り組みが好感された。南アフリカ・ランドとオースト ラリア・ドルはいずれも上昇。中国の製造業景況指数が5カ月ぶり高 水準を記録したことに反応した。

BNPパリバの為替ストラテジー責任者、レイ・アトリル氏 (ニューヨーク在勤)は「建設機器メーカーのキャタピラーの決算が 市場予想を上回り、株式市場の地合いに大きく影響した」と述べ、 「中国経済が大きく減速しているかもしれないとの不安もやや緩和さ れた」と続けた。

ニューヨーク時間午後4時12分現在、円は対ドルで前週末比

0.3%高の1ドル=76円06銭。21日には75円82銭まで買い進 まれ、戦後最高値を記録した。ユーロは対ドルで0.2%上昇して1 ユーロ=1.3925ドル。一時は0.5%安まで下げた場面もあった。ユ ーロは対円でほぼ変わらずの1ユーロ=105円92銭。

オーストラリア・ドルは対ドルで1%高。南アフリカ・ランド は同1.8%値上がりした。

26日のEUサミット

23日にブリュッセルで開かれた欧州の首脳会議では、銀行支援 の方法でおおむね合意し、危機解決の包括案に向けて前進した。これ を手掛かりにユーロが対ドルで上昇した。欧州の首脳会議は26日に も開かれる。

仏銀ソシエテ・ジェネラルの為替調査責任者(ロンドン在勤)、 キット・ジャックス氏は、「どっちつかずの状況だ。26日まで何も 政策は発表されないだろう」と述べ、「資金は十分にあるが、ただ十 分なだけでは駄目だ。2倍、3倍の十分な資金が必要だ。信頼感を取 り戻すためには2兆ドルくらい必要だ」と述べた。

マークイット・エコノミクスが24日発表した10月のユーロ圏 総合景気指数(速報値)は47.2と、2009年7月以来の低水準。前 月の49.1から低下した。ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト 17人を対象にまとめた調査では、中央値で48.8が見込まれていた。

フランの動向

先物トレーダーはスイス・フランの上昇見通しを反転させた。 商品先物取引委員会(CFTC)が発表したヘッジファンドなどの大 口投資家によるフランの建て玉明細によると、18日にネットショー ト(売り越し)は2243枚。前週は13枚のネットロングだった。

フランは対ドルで0.1%上昇。一時は0.6%安まで下げた。フ ランは対ユーロではほぼ変わらず。

日本の財務省が24日発表した9月の貿易統計速報(通関ベー ス)によると、輸出額は前年同月比2.4%増と、ブルームバーグ・ ニュースがまとめたエコノミスト調査(1%増)を上回った。

◎米国株:続伸、企業買収を好感-キャタピラー決算は予想上回る

米株式相場は続伸。S&P500種株価指数は年初来の下げをほぼ 埋める上昇となった。相次いで企業買収が発表されたほか、米キャタピ ラーの決算が予想を上回ったことが手掛かり。欧州の債務危機収束へ向 けた協議の進展も相場を押し上げた。

S&P500種を構成する主要10業種のうち、素材とテクノロジ ー、金融株指数の上げが目立った。建設機器メーカー最大手のキャタ ピラーは5%高。買収対象となったライトナウ・テクノロジーズとヘ ルススプリングは大幅上昇。中国と日本の経済指標に成長の兆しが見 えたことから金属が値上がりした。これを受けてアルコアが買い進ま れた。

S&P500種株価指数は前週末比1.3%上げて1254.19。年 初来の下げは0.3%に縮小した。ダウ工業株30種平均は104.83 ドル(0.9%)高の11913.62ドル。ナスダック総合指数は2.4% 上昇し、年初来の下げを帳消しにした。小型株で構成するラッセル 2000指数は3.3%上昇した。

フィフス・サード・アセット・マネジメントのキース・ワーツ最 高投資責任者(CIO)は電話インタビューで、「相場が5カ月にわ たり下落した後で地合いが変わるとすれば、株価は反発するだろう。 市場はとにかく欧州危機を過去のものとして、国内の材料に集中した がっている。リセッション(景気後退)には陥っていない」と述べた。

月間ベースでは91年以来の好調

S&P500種は10月に入ってこれまでで11%上昇し、月間ベ ースでは1991年以来の上昇率となっている。前月までは5カ月連続 で下落していた。10月初旬には欧州首脳陣が銀行支援の手段を模索 する協議に入ったことや、米企業の好決算を受けて、S&P500種 は弱気相場入り直前で踏みとどまった。相場は反発し、8月以来の取 引レンジを抜けて上昇した。

23日にブリュッセルで開かれた欧州首脳会議では、銀行の救済 計画の概要を協議し、救済基金拡充で欧州中央銀行(ECB)に依存 しない方針を固めた。危機対策の欧州首脳会議はこれまでの21カ月 間で13回目。今回はさらに、国際通貨基金(IMF)の役割強化が 検討された。EFSF拡充の最終青写真は26日に再度行う首脳会議 まで持ち越しとなった。

フィラデルフィア・トラストの最高投資責任者(CIO)、リチ ャード・シーシェル氏は電話インタビューで、「今が欧州の決断の時 となることを願う」とし、「この危機を過去のものとして、再び米企 業の決算に目を向ける必要がある」と述べた。

景気敏感株に買い

景気敏感株で構成されるモルガン・スタンレー・シクリカル指数 は2.6%上昇。経済活動の指標と見なされるダウ輸送株平均は

1.8%高となった。KBW銀行指数は2.9%上げた。S&Pの住宅 建設株指数は3.2%上昇。米連邦住宅金融局(FHFA)が住宅ロ ーン借り換え促進策を強化する一環として、手数料の排除や銀行の負 担リスク軽減などを打ち出したことが好感された。

今週はS&P500種銘柄の191社が決算報告を予定している。 ブルームバーグがまとめたアナリスト調査によれば、第3四半期の利 益は16%増が予想されており、11年通期は18%増の1株当たり

99.34ドルと過去最高を記録すると見込まれている。10月11日以 降に決算を発表したS&P500種構成企業のうち4分の3にあたる 企業で利益が市場予想を上回った。

キャタピラーはダウ平均の構成銘柄で最も上げて5%高の

91.77ドル。同社の発表によれば、通期利益は1株当たり6.75ド ルとなる見込み。売上高は従来予想である560億-580億ドルのレ ンジの上限になるとの見通しを示した。12年通期の売上高は10- 20%増加する見込みという。

米オラクルはライトナウを15億ドルで買収することで合意した と発表。これを受けてライトナウの株価は19%高の42.94ドルで 終えた。保険大手シグナはヘルススプリングを現金38億ドルで買収 することで合意。ヘルススプリングは34%急伸し53.71ドルで引 けた。米国でアルミ生産最大手のアルコアは3.4%高の10.58ドル だった。

◎米国債:中期債が下落、リスク回避の動きが後退-今週の入札控え

米国債市場では5、7年債など中期債が下落。投資家のリスク回避 の動きが後退し、逃避先としての米国債の妙味が低下した。米財務省は 今週、3日間にわたり計990億ドルの国債入札を実施する。

入札を前に中期債の利回りは上昇した。あす25日からの入札の 規模は2年債が350億ドル、5年債も350億ドル、7年債は290 億ドル。

ジェフリーズ・グループの政府債エコノミスト、トーマス・サイ モンズ氏は「今週は非常に供給の多い週だ」とした上で、「きょうは リスクオン(選好)の日だといえる」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時 間午後4時22分現在、5年債利回りは前週末比2ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の1.09%。利回りは18日以降、1 -1.11%の間で推移している。同年債(表面利率1%、2016年9 月償還)価格は3/32下げて99 19/32。7年債利回りは2bp上昇 し1.68%。10年債利回りは1bp未満上げて2.23%。

30年債利回りはほぼ変わらずの3.26%。一時3.21%まで下げ た。

米株式市場ではS&P500種株価指数が1.3%高。外国為替市 場ではドルが主要16通貨すべてに対して値下がりした。

住宅ローン借り換えプログラム

米連邦住宅金融局(FHFA)は、ファニーメイ(連邦住宅抵当 金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)が組成もしくは保 証した住宅ローンの借り換えプログラムのガイドライン変更を発表し た。変更内容には、住宅価格の下落幅にかかわらずローンを借り替え られるようにすることなどが含まれる。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロ ス氏(ニューヨーク在勤)はガイドライン変更について、「景気には プラスだ」とし、「市場はこれに若干反応している」と続けた。

ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査によれば、今週発 表される7-9月(第3四半期)の米実質国内総生産(GDP)はこ こ1年で最大の伸びになると見込まれている。

エコノミスト調査では、第3四半期の実質GDP速報値は前期比 年率2.5%増と予想されている。4-6月(第2四半期)は同

1.3%増だった。また25日に発表される10月の消費者信頼感指数 は2カ月連続での上昇が見込まれている。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、 米国債はこのままいけば月間ベースで6月以来で初の下げとなる。

ニューヨーク連銀のウェブサイトによれば、同連銀はこの日、償 還期限が2036年2月から41年5月までの米国債25億200万ドル 相当を購入した。これはオペレーション・ツイスト(ツイストオペ) の一環で、26日には償還期限が14年の米国債90億ドル、28日に は償還期限が13、14年の中期債を同額売却する。

◎NY金:続伸、中国経済の成長見通し改善で商品全般に買い

ニューヨーク金先物相場は続伸。他の商品につれ高となった。中 国の成長に関して楽観的な見方が強まったことで、原材料需要の見通 しが改善した。

中国の製造業活動を測る10月の指数(速報値)で活動が4カ月 ぶりに拡大に転じたことが示されると、商品24銘柄で構成するS& PのGSCI指数は一時2.7%上昇した。景気てこ入れを目的とし た米金融政策がインフレを誘発するとの懸念も金の買いにつながった。 イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)副議長は21日、米景気浮 揚に必要なら、量的緩和第3弾が正当化されるかもしれないとの認識 を示した。

ヘレウス・プレシャス・メタルズ・マネジメント(ニューヨーク) のトレーダー、フレッド・シェーンスタイン氏は電話インタビューで 「中国の成長についての楽観的な見方から、金を含む商品全般が押し 上げられている」と指摘。「金を安全逃避先とみる動きもある」と述 べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前営業日比1%高の1オンス=1652.30ドルで終了した。 先週末は1.4%の上昇だった。

◎NY原油:続伸、90ドル超え-WTI在庫減少や株高で

ニューヨーク原油先物相場は続伸。約2カ月ぶりの高値となった。 主要な米受け渡し地点での在庫減少が示されたことが背景。米キャタ ピラーの予想を上回る決算を手掛かりに米国株が上昇したことも買い 材料。

衛星写真に基づく分析によると、オクラホマ州クッシングの在庫 は21日時点で、18日と比べ2.6%減少した。米国の代表的な油種 であるウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油に 対するロンドンの北海ブレント原油のプレミアム(上乗せ価格)は過 去12週での最小に縮小した。株式相場は2カ月ぶりの高値となった。 中国製造業活動の拡大が示唆されたことや、日本の輸出がエコノミス ト予想を上回ったことも原油の買いにつながった。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチの マイケル・リンチ社長は、「クッシングの在庫に反応し、WTI原油 が本格的に回復し、ブレントとの価格差縮小がみられる」と指摘。 「好調な決算発表で、景気に関して強気な見方が広がっている」と述 べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 営業日比3.87ドル(4.43%)高の1バレル=91.27ドルで終了。 終値では8月3日以来の高値となった。

◎欧州株:ストックス600は11週ぶり高値-日本と中国の指標好感

24日の欧州株式相場は続伸。ストックス欧州600指数は11週 間ぶり高値を付けた。欧州債務危機をめぐる週末のユーロ圏首脳会議 を受けてギリシャの銀行が売られたものの、日本や中国の景気に明る い兆しが見られたことが好感された。

英・オーストラリア系のBHPビリトンやリオ・ティントを中心 に資源株が高い。ロンドンでの金属価格急騰が手掛かり。決算が市場 予想を上回ったオランダのカーナビゲーション機器メーカー、トムト ムは大幅高。一方、ギリシャ・ナショナル銀行(NBG)は21%下 落。ギリシャ債保有者は最大60%の評価損を計上する公算があると の報道が嫌気された。

ストックス欧州600指数は前週末比1.3%高の242.03。8月 4日以来の高値となっている。週ベースでは前週末時点で4週連続高 と、昨年12月以来で最長の上昇となっていた。ギリシャをデフォル ト(債務不履行)の瀬戸際に追い込んだ債務危機への解決策をユーロ 圏の政治家らがまとめるとの見方が背景。今年2月17日に付けた年 初来高値は17%下回っている。

バークレイズ・ウエルスの株式ストラテジスト、ヘンク・ポッツ 氏(ロンドン在勤)は「中国の様子は依然として明るいが、ユーロ圏 で起こっている幅広い問題が引き続き議論の的だ」と指摘。「政策当 局者から何らかの具体的な提案が出始めるという期待がある」と付け 加えた。

23日にブリュッセルで開かれた欧州首脳会議では、欧州金融安 定ファシリティー(EFSF)の拡充で欧州中央銀行(ECB)に依 存しないことや、ギリシャ債務の強制的な再編は実施しない方針で一 致。EFSF拡充の最終青写真は26日に再度行う首脳会議まで持ち 越しとなった。

24日の西欧市場では、18カ国中15カ国で主要株価指数が上昇。 この日発表された指標では、中国の製造業活動を測る10月の指数 (速報値)が4カ月ぶりに活動拡大に転じたことを示したほか、日本 の貿易収支が9月に2カ月ぶりに黒字に転じるなど、いずれも株価押 し上げ材料となった。

ストックス欧州600指数を構成する業種別指数で上昇率トップ は鉱業株。BHPビリトンは5.2%高の1996ペンス、リオ・ティ ントは7.1%上げ3373.5ペンスでそれぞれ取引を終えた。トムト ムは19%上昇の3.62ユーロ。NBGの終値は1.60ユーロ。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセ ンブルク首相兼国庫相)は、第2次ギリシャ救済での民間投資家の関 与をめぐる協議では債券保有者の損失負担を最大60%とすることが 焦点となっているとの認識を示した。

◎欧州債:ドイツ債上昇、危機が景気損なうとの観測-イタリア債下落

24日の欧州債市場ではドイツ国債が上昇。この日発表された統 計でユーロ圏のサービス業と製造業の生産活動の縮小が示され、債務 危機が景気回復を損ねるとの懸念が強まった。

独2年債が大きく伸びた。欧州各国は23日にブリュッセルで開 かれた首脳会議(サミット)で、救済基金の実質拡充策をめぐって欧 州中央銀行(ECB)に依存しないことで一致した。危機解決の包括 策合意は26日の次回サミットまで持ち越された。

一方、イタリアとスペインの国債は下落し、ドイツ債に対する両 国債の利回り上乗せ幅(スプレッド)が拡大した。

ノルデア銀行(コペンハーゲン)のシニア金利アナリスト、モル テン・ハッシングポブルセン氏は、「当局者がようやく本腰を入れた が、期待していたような包括案ではなかった」と述べ、「当局が試み ているのは止血に過ぎず、やや失望させられた。リスク回避の動きは 続くだろう」と続けた。

ロンドン時間午後4時9分現在、独2年債利回りは前週末比3ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.63%。同国債 (表面利率0.75%、2013年9月償還)価格は0.060上げ

100.225。独10年債利回りは1bp下げ2.09%。

マークイット・エコノミクスが24日発表した10月のユーロ圏 総合景気指数(速報値)は47.2と、前月の49.1から低下し、拡 大と縮小の分かれ目となる50を2カ月連続で割り込んだ。

イタリア10年債利回りは前週末比6bp上昇の5.95%、スペ イン10年債利回りは7bp上げ5.54%。イタリア10年債の独10 年債に対するスプレッドは6bp拡大の385bp。先週は先月22日 以来で最大となる400bpまで広がった。スペイン10年債と独10 年債のスプレッドは8bp拡大し344bp。

◎英国債:下落、10年債利回り2.56%-株高で安全求める動き後退

24日の英国債相場は下落。株高を背景に安全を求める動きが後 退した。

10年債利回りは前週末比3ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上昇の2.56%、同国債(表面利率3.75%、2021年9 月償還)価格は0.25下げ110.34。2年債利回りは0.59%だっ た。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、英国債の年初来のリターン(投資収益率) はプラス11%。これに対しドイツ国債は6.6%、米国債7.7%とな っている。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor:Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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