NY連銀総裁:FOMCは住宅金利の一段高阻止へ、追加措置も

米ニューヨーク連銀のダドリ ー総裁は、金融当局として住宅ローン金利の過度の上昇を阻止したい 考えを示し、連邦公開市場委員会(FOMC)は借り入れコストの一 段の低下に向け追加措置を講じる可能性があると指摘した。

FOMCは9月、保有する政府機関債と政府機関発行の住宅ロー ン担保証券(MBS)の償還元本を同MBSに再投資する方針を表明 した。ダドリー総裁はこの決定について、「住宅ローン金利の水準に われわれが懸念を抱いているというシグナルだ」と説明。「われわれ は住宅市場の支援、そして金利の過度の上昇阻止に関心があることを 明確に示した」と付け加えた。

FOMCは、借り入れコストの低下により景気を押し上げる取り 組みの一環として、連邦準備制度理事会(FRB)が保有する4000 億ドル(約30兆4000億円)相当の短期債を売却して期間が長めの 国債を同額購入する「オペレーション・ツイスト(ツイストオペ)」 の実施を決定した。

ニューヨーク市ブロンクス地区にあるフォーダム大学で講演した ダドリー総裁は講演後の質疑応答で、「われわれはその方向でさらに 進むことができる」とし、政策当局者らは「住宅を購入できる状況に なっているかという問題に強い関心を寄せている」と述べた。

同じくこの日講演したダラス連銀のフィッシャー総裁は、ツイスト オペについて、うまく効果を挙げている兆しは見られないと指摘した。

フィッシャー総裁はトロントでの講演後記者団に対し、「ツイスト オペが効果を表すかははっきり分からない」とし、「実際のところ10 年債利回りは下がっておらず、逆に上昇している」と続けた。

住宅市場のてこ入れは重要

ダドリー総裁はFOMCが利上げの時期をめぐって国民への意 思伝達を明確にする方法を検討していると説明。その上で、「これは 今検討中の事項だが、実際コンパクトな方法でどのように示すかはか なり複雑な問題だ」とし、「難しいことだ」と続けた。

FOMCは8月、少なくとも2013年半ばまで政策金利をゼロ付 近にとどめる方針を示した。また9月にはツイストオペの実施を決定 した。ダドリー総裁は講演で、こうした政策は「経済成長と雇用の支 援を後押しする」としながらも、「金融政策が全能だとは思わない。 可能な限り力強い回復を実現するためには、住宅や財政といった政策 面で補強する必要がある」と述べた。

その上で、住宅市場のてこ入れは「特に重要だ」とし、家計資産 の中で鍵となる要素だからだと説明した。

総裁は「住宅価格の下落が続いていることで、デフォルト(債務 不履行)や差し押さえ、損失覚悟の投げ売りがさらに増加し、家計の 資産や景況感、支出の落ち込みにつながりかねない」とし、「こうし た悪循環を断ち切ることが、政策当局が抱える最も差し迫った課題だ」 と指摘した。

その上で、「住宅の購入希望者がさらなる価格下落という不安を 抱えなくなれば、安くなった価格や低い資金調達コストというチャン スを生かそうと市場により積極的に入ってくる。また既存の住宅所有 者であれば、支出に対する安心感が強まる」と説明。「現在の悪循環 は、住宅価格の安定化が支出や経済成長、雇用を下支えする好循環に 変わることもあり得る」と語った。