UBSやドイツ銀など欧州大手銀、資産と人員の圧縮急ぐ-危機対応

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欧州の大手投資銀行は業績見 通しの悪化や資本増強の必要性に対応し、資産圧縮と人員削減を急が ざるを得ない状況にあるようだ。

JPモルガン・チェースのアナリスト、キアン・アボホセイン氏 によると、向こう8日間に7-9月(第3四半期)決算を発表予定の スイスのUBSとクレディ・スイス・グループ、ドイツ銀行、英バー クレイズは、コスト節減のための追加人員削減や一部事業の処分・規 模縮小、欧州ソブリン債危機を受けた引当金の積み増しを行う可能性 がある。

4行はこれまでに、新銀行資本規制「バーゼル3」に備えてリス ク資産を最大で総額4150億ドル(約32兆円)圧縮する計画を公表 している。ユーロ圏のソブリン債危機による業績悪化を受け4行は、 新株発行を避けたい場合は、バーゼル3で最も影響を受ける証券部門 の再編計画を加速する必要があるとみられる。

アボホセイン氏(ロンドン在勤)は「各行がリスク資産をできる だけ早期に減らそうとしている」と述べ、「各行は既に着手している が、環境は明らかに厳しくなりつつあるため、予想よりも困難である と気付くだろう」と語った。

欧州連合(EU)の各国首脳は23日にブリュッセルで会合を開 き、ギリシャ債務危機をデフォルト(債務不履行)なしに解決するた めの打開策とユーロ圏救済基金の拡充、銀行への悪影響防止やイタリ アやスペインへの危機波及の回避を目指して協議した。26日に包括 策をまとめるため再び首脳会議が開かれる。

業績目標

事情に詳しい関係者によると、EUの銀行は保有国債を市場価格 で評価した上で約1000億ユーロ(約10兆6000億円)の資本増強 が必要になる見込み。スイス監督当局はUBSとクレディ・スイスに 対し、できるだけ速やかに質の高い資本を積み増すよう要請している。

ブルームバーグがまとめたアナリスト予想中央値によれば、UB Sが25日発表する第3四半期純利益は前年同期比83%減の2億 8500万スイス・フラン(約246億円)と見込まれている。前年同 期決算が12億1000万ユーロの純損失だったドイツ銀は3億4300 万ユーロの利益を発表すると予想されている。

バークレイズは31日に第3四半期決算を発表する。クレディ・ スイスの発表日は11月1日。4行の広報担当者はいずれも業績発表 前だとしてコメントを控えた。

UBS株はスイス時間午前9時52分までに前週末比1.6%高の

11.17フラン、ドイツ銀は1.4%上げて28.23ユーロ。バークレ イズは1.6%上昇の184.9ペンス、クレディ・スイスは2.3%上 げ24.41フランで取引されている。

UBS

UBSはリスク加重資産をさらに700億フラン削減するととも に投資銀行部門で1700人の追加削減を実施する措置を11月に明ら かにする公算があると、アボホセイン氏はみている。金利やストラク チャード・ファイナンス事業を現行の3分の1の規模にするとともに、 商品事業から撤退し、信用取引部門を約20%圧縮する可能性もある という。

UBSのセルジオ・エルモッティ暫定最高経営責任者(CEO) は「投資銀行業界は縮小する方向にある業界で、拡大することはない」 と電話会議で説明している。