10月21日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円が戦後最高値、ユーロは解決期待で上昇

ニューヨーク外国為替市場では円がドルに対して上昇し、戦後最高 値を記録した。ドルは他の主要通貨の大半に対しても値下がり。欧州が 債務危機の解決に近づいているとの観測や、米金融当局が一段の金融緩 和に動くとの見方が背景にある。

ユーロは対ドルで4日続伸と、7月以来の長期上昇局面。欧州で は来週にかけ2回のユーロ圏首脳会議が予定されている。南アフリ カ・ランドとオーストラリア・ドルは値上がり。株価や商品相場の上 昇で、高利回り資産の需要が高まった。米連邦準備制度理事会(FR B)のイエレン副議長が新たな証券購入が適切になる可能性があると の認識を示す中、円は対ドルでの堅調を維持した。

テンパス・コンサルティングの資本市場担当シニアバイスプレジ デント、グレッグ・サルバッジオ氏(ワシントン在勤)は「欧州債務 危機がハッピーエンドを迎えるとの観測でドルがユーロに対し下げて いるのは明らかだ」と指摘。「市場ではリスク選好の雰囲気が広がっ ている」と続けた。

ニューヨーク時間午後4時5分現在、円は対ドルで前日比

0.9%高の1ドル=76円10銭。一時75円82銭の戦後最高値を付 けた。ユーロは対ドルで0.9%上昇し、1ユーロ=1.3899ドル。 週間では0.1%高となった。ユーロは円に対してこの日、ほぼ変わら ずの1ユーロ=105円78銭。

ドルの買い持ち

ドルのロング(買い持ち)は約1年ぶりの高水準となったが、今 週末の欧州の首脳会議を控えてドル売りが進んだ。

英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RB S)の為替戦略担当グローバル責任者、ボブ・シンチ氏は「幅広くド ルが売られている」とし、「ドルがロング、リスク通貨がショートに なっているという市場の状況が影響しているだけかもしれない。きょ うは金曜日でこうしたポジションを抱えたまま週末を迎えるのは落ち 着かないのだろう」と分析した。

商品先物取引委員会(CFTC)が発表したヘッジファンド などの大口投資家によるドルの建て玉明細によると、18日までの1 週間で、ネットロング(買い越し)は12万6628枚と、2010年6 月以降で最高だった前週の13万2835枚から減少した。

資源国通貨

カナダ・ドルは続伸。0.7%高の1米ドル=1.0083カナダ・ド ルとなった。カナダの9月のインフレ率は前年同月比で上昇した。

ランドは1.4%高の1ドル=8.0737ランドと、主要16通貨 中で最大の上昇となった。株式・商品相場の上昇が手掛かりとなった。 豪ドルは1.2%高の1豪ドル=1.0357米ドル。

米株式市場ではS&P500種株価指数は1.9%高。また商品銘 柄で構成するトムソン・ロイター・ジェフリーズCRB指数は1.1% 上昇した。

イエレンFRB副議長は、失業と金融混乱の悪影響を受ける米景 気の浮揚に必要なら、量的緩和第3弾が正当化されるかもしれないと の認識を示した。これを受け、市場では量的緩和第3弾が実施される との観測が強まった。

円が前回、戦後最高値を付けたのは8月19日。同月には政府・ 日本銀行が約4.5兆円に上る円売り介入を実施していた。政府・日 銀は円押し下げに向け、過去13カ月で3回の介入を実施している。 円は対ドルで年初以降6.5%上昇。

シティグループのストラテジスト、アンドルー・コックス氏 (ニューヨーク在勤)は「市場は活発さに欠けており、1つの大型フ ァンドがそれなりのポジションを取ると、相場を動かせるような状況 だ」と分析した。

◎米国株:上昇、欧州の合意観測で-米追加緩和発言も材料

米株式相場は上昇。欧州債務危機の解決策をめぐる当局者の合意観 測や米金融当局者による追加量的緩和に関する発言が材料視された。S &P500種株価指数は週間ベースでも上昇し、2月以来で最長の連続 高を記録した。

モルガン・スタンレーとウェルズ・ファーゴはいずれも上昇。 アルミ生産のアルコアや航空機メーカー大手ボーイングを中心に景気 敏感株が上昇。ファストフード大手マクドナルドは3.7%上昇。低 価格メニューが米既存店の売り上げを押し上げ、同社の四半期利益が 増加した。航空機部品などを製造するハネウェル・インターナショナ ルは5.8%高。商業用航空機の回復が寄与し、7-9月(第3四半 期)決算は前年同期比で44%の増益だった。

S&P500種株価指数は前日比1.9%高の1238.25。終値ベ ースでは8月3日以来の高水準。週間ベースでは1.1%高となり、3 週連続の上げ。ダウ工業株30種平均は267.01ドル(2.3%)上昇 の11808.79ドル

ウェルズ・キャピタル・マネジメントのチーフ投資ストラテジ スト、ジェームズ・ポールセン氏は「危機の収拾がつかなくなるとの 差し迫った不安があるが、欧州がこれを落ち着かせるような解決策を 発表するとみられている」と述べた。「市場は連邦準備制度理事会 (FRB)当局者の追加量的緩和に関する発言を消化しているところ だ。しかし、大半の投資家は追加緩和が必要かどうか確信を持ってい ない」と続けた。

フランスの譲歩

欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の機能拡充案をめぐ り、ドイツと意見が対立していたフランスが譲歩した。フランスは、 EFSFが銀行の認可を取得し、欧州中央銀行(ECB)からの借り 入れを可能にするよう主張していたが、バロワン仏財務相はこの日ブ リュッセルで開幕したユーロ圏財務相会合後に記者団に対し、フラン スの見解は「絶対的な論点ではない」と述べ、「何が有効な手段なの かが大事だ」と続けた。

この日のユーロ圏財務相会合を皮切りに、今後6日間で欧州連 合(EU)首脳会議(サミット)など主要会議が相次いで開かれる。

メルケル独首相とサルコジ仏大統領は、従来から予定されてい た23日のEU首脳会議の前日である22日にブリュッセルで会談す ることを明らかにした。26日には追加首脳会談が開かれる。

シクリカル指数は3%高

米銀行株は欧州の銀行株高に追随して上昇した。モルガン・ス タンレーは2.5%上昇、ウェルズ・ファーゴは2.1%上昇した。

景気敏感株で構成されるモルガン・スタンレー・シクリカル指 数は3%上昇。ダウ輸送株平均は2.2%値上がりした。アルコアは

2.8%高、ボーイングは3.4%上昇した。

ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によると、S&P 500種に採用されている企業の7-9月期利益は前年同期比で16% 増、2011年通年では18%増が見込まれている。10月11日以降、 四半期決算を発表したS&P500種採用企業のうち、アナリスト予 想を上回ったのは約4分の3に達した。

◎米国債:30年債が4日続落、欧州債務危機の解決を楽観

21日の米国債市場では、30年債が4日続落。欧州債務危機の解 決は近いとの楽観的な見方が広がり、安全資産としての米国債の需要が 後退した。

30年債利回りは17日以来の高水準に達した。この日ブリュッ セルで開幕したユーロ圏財務相会合を皮切りに、今後6日間で欧州連 合(EU)首脳会議(サミット)など主要会議が相次いで開かれる。 ギリシャのデフォルト(債務不履行)回避に向けた救済策や銀行への 危機波及の阻止、一段と強力な危機対策の構築などが議題となる。こ の日の米株式相場は上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレ ン副議長は、量的緩和第3弾が適切となる可能性もあるとの見解を示 した。

キャンター・フィッツジェラルドの金利責任者、ブライアン・エ ドモンズ氏(ニューヨーク在勤)は「欧州が一致協力しようとする新 たな意欲を見せており、国債相場が圧迫された」と指摘。「欧州から 信用できる答えが出るならば、長期債は売られるだろう」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後3時52分現在、30年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の3.27%。一時3.19%まで下げる 場面も見られた。同年債(表面利率3.75%、2041年8月償還)価 格は1ポイント下落して109 5/32。

10年債利回りは前日比2bp上げて2.21%。一時2.16%まで 下落した後、2.24%まで上げていた。

S&P500種株価指数は1.9%上昇した。投資家が高利回り資 産を求めたことが背景にある。

利回り格差が拡大

30年債と2年債の利回り格差は最大3ポイントと、9月20日 以来の大幅となった。

イエレンFRB副議長は、失業率の高止まりや金融混乱で米経済 の浮揚が必要となる場合には、量的緩和第3弾が正当化され得るとの 認識を示した。

同副議長は21日、デンバーで講演し、「金融緩和の大幅な拡大 が必要になるような経済状況に陥れば、様々な償還期限の証券の購入 が適切とみなされる可能性がある」と述べた。

ニューヨーク連銀はこの日、償還期限が2019年11月から21 年8月までの米国債を46億ドル購入した。借り入れコストの抑制を 図る「オペレーション・ツイスト(ツイストオペ)」の一環。

2度のサミット

米ダラス連銀のフィッシャー総裁はツイストオペについて、投資 家や資産家に利益をもたらす一方、雇用創出の助けにはなっていない との認識を示した。総裁は21日のダラスでの講演で、同プログラム は「これまでのところ、雇用を創出する企業よりもトレーダーや資産 家に大きな恩恵をもたらしている」と述べた。

この日はユーロ圏財務相会合が開催された。22日にはEU全27 カ国の財務相が一堂に会する。EUとユーロ圏の指導者は23日の首 脳会合に続き、26日にも追加のユーロ圏サミットを開催する。

債務危機の対策として欧州各国政府は最大9400億ユーロを融通 する枠組みで合意する可能性がある。独仏両国の意見の相違から協議 がこう着状態となっており、4日間で2度のサミットを行うことで調 整を図る。

◎NY金先物:1週間ぶり大幅高-ドル下落や欧州への期待で

ニューヨーク金先物相場は反発。約1週間ぶりの大幅高となった。 ドルの下落や、欧州が債務危機の収束で進展するとの楽観が広がった ことを背景に金に買いが入った。

ドルは主要6通貨のバスケットに対して4日続落、一時は

0.9%値下がりする場面もあった。週末にはブリュッセルで欧州連合 (EU)首脳会議が開かれ、域内財政危機の解決策を模索する。債務 危機の深刻化で世界の成長と商品需要が脅かされるなか、金は8月末 以降11%下落している。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レ シュ氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「ドルの下落と現物買 いが相場を支えている」と指摘。「欧州が危機を食い止めるためにど ういう行動を起こすのかが関心の的だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比1.4%高の1オンス=1636.10ドルで終了。10 日以来の大幅上昇となった。週間では2.8%安と3週ぶりの下落。

◎NY原油:3日ぶりに上昇、欧州が危機解決で合意との期待

ニューヨーク原油先物相場は3日ぶりに上昇。欧州の各国首脳が 域内債務危機の収束に向け合意に達するとの期待が膨らんだ。

23日に開催される欧州連合(EU)首脳会議に向けた下準備と して、この日はユーロ圏財務相会合がブリュッセルで開かれた。米国 のマクドナルドやハネウェル・インターナショナルの決算がアナリス ト予想を上回ったことも原油買いにつながった。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード) のアナリスト兼ブローカー、ジーン・マクギリアン氏は「欧州が今週 末に何らかの成果を見せてくれるとの前向きなセンチメントが広がっ ている」と指摘。「決算発表では、米経済の著しい減速はないだろう ということが示唆された」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 日比1.33ドル(1.55%)高の1バレル=87.40ドルで終了。週 間では0.7%高と、3週連続の上昇。

◎欧州株:上昇、欧州債務危機の解決策に期待-銀行株高い

21日の欧州株式相場は上昇。ユーロ圏の債務危機を救済するた めに欧州当局者が巨額資金の融通を協議していることが手掛かりだっ た。週間ベースでは年初来で最長の連続高となった。

この日は銀行株と鉱山株が上昇。仏自動車部品メーカー、ヴァ レオは6.6%高。売上高の増加が好感された。スウェーデンのルン ディン・ペトロリウムは9.8%の大幅上昇。ノルウェー最大の石 油・ガス会社スタトイルが北海での石油埋蔵量の見積もりを2倍に引 き上げたのが手掛かりだった。

ストックス欧州600指数は前日比2.5%高の238.93。米格付 け会社フィッチ・レーティングスがフランスの「AAA(トリプル A)」格付けを変更する計画がないことを明らかにすると、上値を伸 ばした。

EFGアセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、 セイレシュ・ブンディア氏(ロンドン在勤)は「長期的な危機への解 決策を盛り込んだ信頼性ある3つ星、4つ星の対策が望まれている」 と述べ、「投資家は強気になりたいが、今の政治的状況では不可能だ」 と続けた。

イタリアのウニクレディトは6.6%高。スペインの銀行大手の サンタンデール銀は2.9%上昇。ソシエテ・ジェネラルは5.6%値 上がりした。

ヴァレオは2011年の業績見通しを維持。7―9月(第3四半 期)売上高は前年同期比14%増の26億6000万ユーロだった。

◎欧州債:ドイツ債下落、救済負担増の観測で-スペイン債高い

21日の欧州債市場ではドイツ国債が2週間ぶりの大幅安となっ た。欧州各国が域内の債務危機打開に向け最大9400億ユーロの融通 を検討する中、ドイツが負担増加を余儀なくされるとの観測が高まっ た。

欧州の債務危機解決への期待から株高となり、域内で最も安全と されるドイツ国債の需要が後退した。この日のユーロ圏財務相会合に 続き、23日にはEU首脳会議とユーロ圏首脳会議、さらに26日に 再びユーロ圏首脳会議が予定されている。

一方、スペインとイタリアの国債は上昇。欧州中央銀行(ECB) が両国債を購入している模様だと伝えられた。フランス国債は軟調。

ノルデア銀行(コペンハーゲン)のチーフアナリスト、ニール ズ・フロム氏は、「救済拡大の費用は誰かが払わなければならない。 こうした責任はドイツなどの経済規模の大きな国に圧し掛かってくる」 と発言。「ドイツ国債もやや圧迫されている。株式相場が極めて好調 なためだ」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時11分現在、独10年債利回りは前日比11 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.10%。一時 は12bp上昇し、5日以来で最大の上げを記録した。同国債(表面 利率2.25%、2021年9月償還)価格は0.95下げ101.29。独 2年債利回りは6bp上昇し0.65%。

取引を知る関係者2人が匿名を条件に発言したところによると、 ECBはスペインとイタリア国債を小規模購入した。スペイン10年 債は10日ぶりに上昇し、同利回りは前日比5bp低下の5.48%。 イタリア10年債利回りは12bp下げ5.90%となった。

一方、フランス国債は下落。救済策拡大が同国財政への追加負担 になるとの懸念から売られた。ロボバンクの債券ストラテジスト、リ ン・テーラー氏(ロンドン在勤)は「フランスは最上級格付け国の中 で救済策拡大の費用を負担する能力が一番低い。恐らくAAA格付け を失うことになるだろう」と語った。

◎英国債:10年債下落、利回り2.53%-株高で逃避需要減る

21日の英国債市場では10年債相場が下落。株高を背景に比較 的安全とされる国債の需要が後退した。

10年債利回りは前日比8ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上昇の2.53%。同国債(表面利率3.75%、2021年9 月償還)価格は0.725下げ110.585となった。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、英国債の年初来のリターン(投資収益率) はプラス12%。これに対しドイツ国債は7.2%、米国債7.9%と なっている。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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