米国債(21日):30年債が4日続落、欧州債務危機の解決を楽観

21日の米国債市場では、30 年債が4日続落。欧州債務危機の解決は近いとの楽観的な見方が広が り、安全資産としての米国債の需要が後退した。

30年債利回りは17日以来の高水準に達した。この日ブリュッ セルで開幕したユーロ圏財務相会合を皮切りに、今後6日間で欧州連 合(EU)首脳会議(サミット)など主要会議が相次いで開かれる。 ギリシャのデフォルト(債務不履行)回避に向けた救済策や銀行への 危機波及の阻止、一段と強力な危機対策の構築などが議題となる。こ の日の米株式相場は上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレ ン副議長は、量的緩和第3弾が適切となる可能性もあるとの見解を示 した。

キャンター・フィッツジェラルドの金利責任者、ブライアン・エ ドモンズ氏(ニューヨーク在勤)は「欧州が一致協力しようとする新 たな意欲を見せており、国債相場が圧迫された」と指摘。「欧州から 信用できる答えが出るならば、長期債は売られるだろう」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後3時52分現在、30年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の3.27%。一時3.19%まで下げる 場面も見られた。同年債(表面利率3.75%、2041年8月償還)価 格は1ポイント下落して109 5/32。

10年債利回りは前日比2bp上げて2.21%。一時2.16%まで 下落した後、2.24%まで上げていた。

S&P500種株価指数は1.9%上昇した。投資家が高利回り資 産を求めたことが背景にある。

利回り格差が拡大

30年債と2年債の利回り格差は最大3ポイントと、9月20日 以来の大幅となった。

イエレンFRB副議長は、失業率の高止まりや金融混乱で米経済 の浮揚が必要となる場合には、量的緩和第3弾が正当化され得るとの 認識を示した。

同副議長は21日、デンバーで講演し、「金融緩和の大幅な拡大 が必要になるような経済状況に陥れば、様々な償還期限の証券の購入 が適切とみなされる可能性がある」と述べた。

ニューヨーク連銀はこの日、償還期限が2019年11月から21 年8月までの米国債を46億ドル購入した。借り入れコストの抑制を 図る「オペレーション・ツイスト(ツイストオペ)」の一環。

2度のサミット

米ダラス連銀のフィッシャー総裁はツイストオペについて、投資 家や資産家に利益をもたらす一方、雇用創出の助けにはなっていない との認識を示した。総裁は21日のダラスでの講演で、同プログラム は「これまでのところ、雇用を創出する企業よりもトレーダーや資産 家に大きな恩恵をもたらしている」と述べた。

この日はユーロ圏財務相会合が開催された。22日にはEU全27 カ国の財務相が一堂に会する。EUとユーロ圏の指導者は23日の首 脳会合に続き、26日にも追加のユーロ圏サミットを開催する。

債務危機の対策として欧州各国政府は最大9400億ユーロを融通 する枠組みで合意する可能性がある。独仏両国の意見の相違から協議 がこう着状態となっており、4日間で2度のサミットを行うことで調 整を図る。

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