タイの洪水、企業のサプライチェーン直撃-投資家は損失見積もり急ぐ

米アップルやトヨタ自動車 は、日本を襲った3月の東日本大震災以後で最も深刻な供給障害 に直面している。投資家はタイの洪水に伴う経済損失額の見積も りを急いでいる。

アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は今週、 タイで発生した過去50年で最悪の洪水により、パソコン(PC) 「Mac(マック)」に使用する部品の供給が遅れていることを 明らかにした。トヨタはタイでセダン「カムリ」とハイブリッド 車「プリウス」の生産を停止。ハードディスク駆動装置(HDD) メーカー最大手の米ウエスタンデジタル(WD)は10-12月期 が赤字に陥る見込みだとし、生産が通常通りに戻るには数カ月か かるとの見通しを示した。

タイを襲った洪水による死者は7月以降300人を超え、1万 4000社余りが操業停止に追い込まれた。同国は世界のHDD生 産の約4分の1を担い、日本の自動車メーカーにとっては東南ア ジアにおける生産の中心となっている。タイ政府は被害額を最大 1200億バーツ(約3000億円)と概算しているが、BGCパー トナーズによれば、この見積もりは世界的なサプライチェーン (供給網)への影響を過小評価している可能性がある。

BGCのアジア株セールス担当マネジャー、アミール・アン バーザデ氏(シンガポール在勤)は「被害額ははるかに大きくな る公算がある」と述べた。

日本自動車工業会は20日、トヨタとホンダ、日産自動車を 含む日本メーカー全体では今月初めにタイでの生産を停止して 以来の減産が1日当たり6000台相当になると概算した。JPモ ルガン・チェースは、減産に伴う大手3社の損失が月5億ドル(約 380億円)を超える可能性があるとみている。