NY外為(21日):円が戦後最高値、ユーロは解決期待で上昇

ニューヨーク外国為替市場で は円がドルに対して上昇し、戦後最高値を記録した。ドルは他の主要 通貨の大半に対しても値下がり。欧州が債務危機の解決に近づいてい るとの観測や、米金融当局が一段の金融緩和に動くとの見方が背景に ある。

ユーロは対ドルで4日続伸と、7月以来の長期上昇局面。欧州で は来週にかけ2回のユーロ圏首脳会議が予定されている。南アフリ カ・ランドとオーストラリア・ドルは値上がり。株価や商品相場の上 昇で、高利回り資産の需要が高まった。米連邦準備制度理事会(FR B)のイエレン副議長が新たな証券購入が適切になる可能性があると の認識を示す中、円は対ドルでの堅調を維持した。

テンパス・コンサルティングの資本市場担当シニアバイスプレジ デント、グレッグ・サルバッジオ氏(ワシントン在勤)は「欧州債務 危機がハッピーエンドを迎えるとの観測でドルがユーロに対し下げて いるのは明らかだ」と指摘。「市場ではリスク選好の雰囲気が広がっ ている」と続けた。

ニューヨーク時間午後4時5分現在、円は対ドルで前日比

0.9%高の1ドル=76円10銭。一時75円82銭の戦後最高値を付 けた。ユーロは対ドルで0.9%上昇し、1ユーロ=1.3899ドル。 週間では0.1%高となった。ユーロは円に対してこの日、ほぼ変わら ずの1ユーロ=105円78銭。

ドルの買い持ち

ドルのロング(買い持ち)は約1年ぶりの高水準となったが、今 週末の欧州の首脳会議を控えてドル売りが進んだ。

英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RB S)の為替戦略担当グローバル責任者、ボブ・シンチ氏は「幅広くド ルが売られている」とし、「ドルがロング、リスク通貨がショートに なっているという市場の状況が影響しているだけかもしれない。きょ うは金曜日でこうしたポジションを抱えたまま週末を迎えるのは落ち 着かないのだろう」と分析した。

商品先物取引委員会(CFTC)が発表したヘッジファンド などの大口投資家によるドルの建て玉明細によると、18日までの1 週間で、ネットロング(買い越し)は12万6628枚と、2010年6 月以降で最高だった前週の13万2835枚から減少した。

資源国通貨

カナダ・ドルは続伸。0.7%高の1米ドル=1.0083カナダ・ド ルとなった。カナダの9月のインフレ率は前年同月比で上昇した。

ランドは1.4%高の1ドル=8.0737ランドと、主要16通貨 中で最大の上昇となった。株式・商品相場の上昇が手掛かりとなった。 豪ドルは1.2%高の1豪ドル=1.0357米ドル。

米株式市場ではS&P500種株価指数は1.9%高。また商品銘 柄で構成するトムソン・ロイター・ジェフリーズCRB指数は1.1% 上昇した。

イエレンFRB副議長は、失業と金融混乱の悪影響を受ける米景 気の浮揚に必要なら、量的緩和第3弾が正当化されるかもしれないと の認識を示した。これを受け、市場では量的緩和第3弾が実施される との観測が強まった。

円が前回、戦後最高値を付けたのは8月19日。同月には政府・ 日本銀行が約4.5兆円に上る円売り介入を実施していた。政府・日 銀は円押し下げに向け、過去13カ月で3回の介入を実施している。 円は対ドルで年初以降6.5%上昇。

シティグループのストラテジスト、アンドルー・コックス氏 (ニューヨーク在勤)は「市場は活発さに欠けており、1つの大型フ ァンドがそれなりのポジションを取ると、相場を動かせるような状況 だ」と分析した。