円高対策、GDP0.5%押し上げ目指す-投資拡大など企業支援で

政府は21日午前の閣議で「円高へ の総合的対応策」を決定した。円高メリットを活用した海外M&A(合 併・買収)や資源開発を支援するための融資枠拡大や省エネ・新エネル ギー導入支援策などが柱。実質国内総生産(GDP)の0.5%程度の押 し上げと30万人程度の雇用創出・下支えの効果を期待する。規模は国 費が約2兆円、事業規模は約23兆6000億円。

野田佳彦首相は閣議に先立つ経済情勢に関する検討会合で、「急速 な円高への対応は、内閣にとって震災からの復興と同じく最重要課題」 と明言。円高対応策で「迅速に産業空洞化の回避、景気の下振れリス クへの対応を行いたい」との決意も示した。古川元久国家戦略担当相 も閣議後の会見で、「インパクトの大きい政策を実施することが重要」 と語った。

対応策は、海外M&Aや資源開発支援に、外国為替特別会計から 国際協力銀行(JBIC)への融資枠を現在の1000億ドル(約7.7兆 円)から10兆円規模に拡大することを明記。また、産業革新機構が金 融機関から資金調達する場合の政府保証枠(現行8000億円)の1.8兆 円への拡充を通じて海外M&Aを促進する方針も盛り込んだ。

対応策はまた、家庭向けのリチウムイオン蓄電池(定置用)、住宅 用太陽光発電システムなどの導入を補助する「節電エコ補助金」(2000 億円程度)の創設を明示。住宅エコポイント制度の1年間を対象とし た再開なども盛り込んだ。税制・財政・金融上の支援措置を講じて国際 競争力の強化を目指す「国際戦略総合特区」の第1次指定について5 か所程度を目安に年内に行う方針も打ち出した。

数値目標と期限

個々の政策の進め方には「数値目標と期限を設け、迅速に具体的 な成果を出す」として、「景気対応検討チーム」で進ちょく状況を管理 するという。

為替市場の現状については「一方的に偏った円高の動きが続いて いる」と指摘。その上で「為替市場の過度な変動は、経済・金融の安定 に悪影響を及ぼすものであり、その動向を注視するとともに、あらゆ る措置を排除せず、必要な時には断固たる措置を取る」と、場合によ っては再度の市場介入に踏み切る方針も示した。

--取材協力:Editor:Hitoshi Sugimoto, Kenshiro Okimoto, Takeshi Awaji

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