円買い圧力くすぶる、欧州不透明でリスク回避根強い-対ドル76円後半

東京外国為替市場では、ドル・円 相場は1ドル=76円台後半で円買い圧力がくすぶる展開が継続。欧州 債務問題をめぐる不透明感から、リスク回避姿勢が根強く残る格好と なった。

ドル・円相場は欧州債務問題に絡む材料を背景としたリスク動向 に左右される展開が続く中、前日の海外市場では、リスク回避の動き が弱まる局面で一時77円09銭と、3営業日ぶりの水準までドル高・ 円安が進行。この日の東京市場では円が76円92銭を下値にじりじり と水準を切り上げ、午後4時5分現在は76円71銭前後で推移してい る。

みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは、週末から来週にか けて欧州で債務問題に関する各種会合が開かれる予定だが、本気の姿 勢が改めて確認されて、ユーロの下値は限定的になっていると説明。 しかし、これだけ協議を重ねる必要があるということは、合意自体が 難しいことを裏付けている上、市場が納得する対策を一気に出すこと はできないのではないかという懸念もあり、「リスク回避的なフローが 円に向かいやすい」面があるとしている。

ユーロ・円相場は午前に付けた1ユーロ=106円10銭をユーロの 上値に、欧州時間にかけて105円台前半までユーロ安・円高が進んだ。

欧州問題、ヤマ場迎える

欧州では債務問題を議論するため、この日はユーロ圏財務相会合、 あす22日には欧州連合(EU)財務相会合に加えて、独仏の首脳会談 も予定されている。そして、23日と26日にはEU首脳会議(サミッ ト)が開かれる。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、欧州債務問題 の解決に向けては、「時間稼ぎも限界」と言った感があり、一連の会議 を通過したあとは、かなりの方向性が出てくるとの期待があると指摘。 ただ、独仏が首脳会談を重ねているにもかかわらず、いまだに意見相 違が続いており、市場の不安が払しょくできない状況下で、「リスクが 高い」と説明している。

ユーロ・ドル相場は東京市場で一時1ユーロ=1.3808ドルまで値 を戻した後、欧州時間にかけて1.37ドル台前半までユーロが水準を切 り下げた。

欧州各国政府は、域内債務危機の解決策として、一時的措置の欧 州金融安定ファシリティー(EFSF)と恒久的な救済枠組みである 欧州安定化メカニズム(ESM)の統合を検討している。協議に詳し い関係者2人が明らかにした。統合すれば、基金の規模は最大9400 億ユーロ(約99兆5100億円)に増大する。

欧州ソブリン債危機の解決策をめぐる独仏間の見解の相違が懸念 材料となる中、メルケル独首相とサルコジ仏大統領は20日に電話会談 を行った。両首脳は共同声明で、危機対策で「グローバルで野心的な」 戦略を目指していると述べ、従来から予定されていた23日のEU首脳 会議の前日である22日にブリュッセルで会談することを明らかにし た。EUは26日にも、追加の首脳会談を行うことを発表している。

一方、日本では政府が午前の閣議で「円高への総合的対応策」を 決定したが、佐藤氏は、効果はまだ不透明で、「為替相場への影響も限 定的」とみている。

野田佳彦首相は閣議に先立ち官邸で、急速な円高への対応は内閣 の最重要課題との認識を表明した上で、空洞化回避や景気の下振れリ スクに迅速に対応する考えを示した。

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