カプコン会長:ソーシャルなどモバイル向け利益構成、数年で5倍も

「バイオハザード」などの人気作 で知られるゲームソフト開発会社カプコンの創業者である辻本憲三会長 (70)は、専用機ではなくスマートフォン(多機能携帯電話)などに 配信され、他の人と手軽に遊べる「ソーシャルゲーム」など、モバイル 端末向けの事業の利益構成が、同社でも今後数年で現状の5倍程度まで 高まるとの見通しを示した。

大阪市の本社で20日、インタビューに応じた。同会長はソーシャ ルゲーム浸透に伴い、今期(2012年3月期)は6.6%の見込みである営 業利益中のモバイル関連の比率が、「数年のうち」に約3割まで上昇す るだろうと語った。

辻本氏は約30年にわたり主流であった据え置き機向けパッケージ ソフトは、開発費や流通コストが安く利益率が比較的高いソーシャルゲ ームの台頭で、販売構成比が相対的に低下していくとの認識を示した。

国内のソーシャルゲーム提供企業としては、ディー・エヌ・エー (DeNA)やグリーが急成長し、カプコンも米子会社「ビーライン・ インタラクティブ」などで専用ソフト開発を行っている。三菱UFJモ ルガン・スタンレー証券は、ソーシャルゲームの国内市場が13年まで に昨年実績の約3倍の3050億円に拡大すると予想している。

カプコンの販売構成は依然、ゲーム専用機やパソコン向けが主流。 今期の売上高予想860億円のうち、携帯端末向けは47億円と5.5%。 しかし、辻本氏によるとスマートフォン向けなどは毎年数倍のペースで 増えており、今後の売上高を「予想することは難しい」という。

地殻変動

83年のカプコン創業以前から娯楽産業に携わってきた辻本氏は、 「この業界では40年で10回ぐらい地殻変動が起きてきた」と回顧。代 表例としてピンボールなどの娯楽機器が、ビデオゲームに駆逐された点 を挙げた。

その上で、ソーシャルゲーム台頭もそうした地殻変動の1つだと説 明。同ゲームが当初は無料で「これまで入って来なかったライトユーザ ーが膨れ上がる」ため、ゲーム人口のすそ野拡大も期待できるとした。

一方でゲーム専用機も画像表示性能などが高く、依然重要な商品だ と強調。任天堂が来年発売予定の次期据え置き機「Wii U」につい て、展示会での実演コーナーに行列ができた点をとらえ「面白くなけれ ばあれだけ並ばない。非常に期待している」と話した。