10月20日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:スイス・フラン上昇、欧州の協議行き詰まりで逃避需要

ニューヨーク外国為替市場では、スイス・フランが主要通貨す べてに対して上昇。欧州ソブリン債危機の解決に向けた協議が行き 詰まる中、逃避需要からフラン買いが膨らんだ。

ユーロは対ドルでもみ合い。欧州金融安定ファシリティー(E FSF)をめぐってドイツとフランスが対立する中、域内では23 日の首脳会議後3日以内に2回目の会議が開催されることになった。 カナダ・ドルとオーストラリア・ドルは米ドルに対して値上がり。 米国株が上昇したことで、高利回り資産への需要が高まった。

先物ブローカー、MFグローバル・ホールディングスのアナリ スト、ジェシカ・ホバーセン氏(ニューヨーク在勤)は「何が起き ているのか正確なところは誰にも分からない。そうした状況が不安 感を増幅させている」と分析。「首脳会議は23日ということだっ たが、26日にも開くことになった。EFSFがどのような形にな るか分からない」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時10分現在、フランはユーロに対し 前日比0.8%高の1ユーロ=1.2318フラン。対ドルでは1%上 げて1ドル=0.8938フラン。ユーロは対ドルで0.2%値上がり し、1ユーロ=1.3782ドル。一時は0.8%安となった。ドルは 対円でほぼ変わらずの1ドル=76円85銭。一時は0.4%高まで 上昇した。

1カ月のユーロの対ドルでのインプライド・ボラティリティ (IV)は15.8%と、格付け会社フィッチ・レーティングスがス ペインとイタリアを格下げした7日以来の高水準。JPモルガン・ チェースによると、主要7カ国通貨のIVは13.3%で、これも7 日以降では最高。

株価が上昇

米株式市場ではS&P500種株価指数が0.5%高。一時は 1%安まで下げる場面があった。

カナダ・ドルは対米ドルで0.5%高の1米ドル=1.0153カ ナダ・ドルと、主要16通貨の中ではフランに次ぐ上昇率となった。 豪ドルは0.2%上げて1豪ドル=1.0244米ドル。

欧州各国政府は、域内債務危機の解決策として、一時的措置の EFSFと恒久的な救済枠組みである欧州安定化メカニズム(ES M)の統合を検討しており、最大9400億ユーロ(約99兆3240 億円)を融通する可能性がある。協議に詳しい関係者2人が明らか にした。

フランが値上がり

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの為替ストラテジスト、マー ク・マコーミック氏(ニューヨーク在勤)は「市場ではユーロ圏危 機をめぐり何が起こっているのか、そしてどう対応するのかについ て、ある程度の結論を得たいとの見方が広がっている」と指摘した。

ギリシャのパパンドレウ首相が提出した財政緊縮法案が20日、 議会の本採決で賛成154、反対144で可決した。これにより、同 国が追加の国際支援を受け取る公算が高まった。

ブルームバーグ相関加重指数によると、フランは0.9%上昇と 主要10通貨中で最大の上げとなった。ユーロは0.3%、円は

0.2%それぞれ下げた。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のシニ ア為替ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏は「とレーダ ーはこれまでフランをショート(売り持ち)にし、円をロング(買 い持ち)にしていたが、今そのポジションを解消しようとしている。 その動きが円には売り圧力、フランには買い圧力となっている」と 分析した。

ドルは円に対して一時上昇する場面があった。米フィラデルフ ィア連銀がこの日発表した10月の同地区製造業景況指数は8.7と、 前月のマイナス17.5から上昇。これに反応した。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値はマイナス

9.4だった。

◎米国株:反発、危機解決策として欧州が巨額資金の融通を検討

米株式相場は反発。欧州がソブリン債危機の解決で巨額の資金を 融通する体制作りを検討していることが明らかになり、取引前半の下 げを埋めて上昇した。

S&P500種株価指数産業別10指数の中では金融株が1.8% 上昇と、最大の上げとなった。フィフス・サード・バンコープとキー コープはいずれも上昇。四半期利益が予想を上回ったのが好感された。 たばこ大手のフィリップ・モリス・インターナショナルも高い。出荷 量が拡大したほか、アジア地域でのたばこ値上げが寄与し、四半期利 益はアナリスト予想を上回った。一方、ネットオークションのeベイ は下落。同社の発表した業績見通しが一部市場予想を下回ったのが嫌 気された。

S&P500種株価指数は前日比0.5%高の1215.39。この日 は一時1%安まで下げる一方で、0.8%高まで上昇した。ダウ工業株 30種平均は37.16ドル(0.3%)高の11541.78ドル。

米キャンビア・インベスターズのブライアン・バリッシュ社長 は、「私のように長期的な展望に基づき株を購入する投資家にとって、 今の状況で仕事を進めるのは失笑を誘うほど難しい」と述べた。

9400億ユーロ規模の解決策

欧州各国政府は域内債務危機の解決策として、一時的措置の欧 州金融安定ファシリティー(EFSF)と恒久的な救済枠組みである 欧州安定化メカニズム(ESM)の統合を検討しており、最大9400 億ユーロを融通する可能性がある。協議に詳しい関係者2人が明らか にした。これに反応して株の買いが膨らんだ。

ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領は共同声明 を発表し、26日に開く追加のユーロ圏首脳会議で「包括的で意欲的 な」解決策に合意するようユーロ圏指導者らに要請した。

ヘイバーフォード・トラストの最高投資責任者(CIO)、ハ ンク・スミス氏は、「欧州は危機の波及を防ぐために、米財務省の問 題資産購入計画(TARP)のような金融機関の後ろ盾となる措置が 必要だ」と述べた。

ブルームバーグが前日にまとめたアナリスト予想によると、S &P500種に採用されている企業の7-9月期利益は前年同期比で 17%増、2011年通年では18%増が見込まれている。10月11日以 降、四半期決算を発表したS&P500種採用企業のうち、アナリス ト予想を上回ったのは約4分の3に達した。

24銘柄で構成するKBW銀行指数は1.9%上昇。JPモルガ ン・チェースは2.7%上昇、シティグループは2.4%高だった。

フィフス・サードは9.1%の大幅高。キーコープは6.9%上昇 した。

フィリップ・モリスは3.3%高。同社は日本やオーストラリア、 インドネシアといった需要が好調な地域で値上げを実施した。

◎米国債:下落、追加のEU首脳会議発表で逃避需要が弱まる

米国債相場は下落。欧州連合(EU)は域内のソブリン債危機へ の対策で、追加の首脳会議(サミット)を来週開催すると発表した。 これを受けて米国債への逃避需要が弱まった。

10年債利回りは上昇。EU当局は23日に予定通り首脳会議を開 催し、26日に追加会議を開くと発表。ドイツとフランスの政府が発 表した共同声明によれば、意欲的な危機対策が必要との認識で独仏両 国は合意に達している。米財務省が20日実施した30年物インフレ 連動債(TIPS)の入札では、最高落札利回りが過去最低となった。

モルガン・スタンレー・スミス・バーニーのチーフ債券ストラテ ジスト、ケビン・フラナガン氏(ニューヨーク在勤)は、「市場の動 きは全て欧州関連の報道が材料になっており、最新の報道が米国債の 方向感を定める」と指摘。「短期的にはデータではなく、政策に左右 される」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後4時24分現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の2.19%。一時は2.20%に上昇し たが、2.11%に低下する場面もあった。同年債(表面利率2.125%、 2021年8月償還)価格は7/32下げて99 15/32。30年債利回り は3bp上げて3.21%となっている。一時3.12%まで下げていた。

追加サミット

米国債はもみ合いが続き、朝方の上げを日中に失った。ドイツの メルケル首相とフランスのサルコジ大統領がユーロ圏首脳に対し、「包 括的で意欲的な」対策パッケージの検討を23日の首脳会議で求めるこ とで合意したとの発表が背景にある。26日の追加サミットで対策措置 の合意を目指している。メルケル首相の言葉としてザイベルト首席報 道官が電子メールで明らかにした。

欧州各国政府は、一時的措置の欧州金融安定ファシリティー(E FSF)と恒久的な救済枠組みである欧州安定化メカニズム(ESM) の統合を検討しており、最大9400億ユーロ(約99兆3240億円) を融通する可能性がある。協議に詳しい関係者2人が明らかにした。

シティグループの金利ストラテジスト、ブレット・ローズ氏 (ニューヨーク在勤)は、10年債は欧州討議の成果に強く反応する公 算が大きいとの見方を示した。

欧州討議の成果

同氏はまた、「成果が見られない、あるいは弱いものであれば、利 回りは20bp下げる可能性がある。予想をはるかに超える大きな成果 が出れば、利回りは20bp上げるだろう」とし、「市場は期待の変化 につれて上下に動いている。われわれは今、その中間に位置している」 と指摘した。

米国債相場は朝方に不安定な動きを増した。米フィラデルフィア 連銀管轄地区の製造業活動は10月、市場予想に反して拡大したほか、 米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、 前週から6000件減少して40万3000件となったことが背景。

米財務省が20日実施した30年物インフレ連動債(TIPS)の 入札(銘柄統合、発行額70億ドル)の結果によると、最高落札利回り は0.999%と、入札直前の市場予想の1.038%を下回った。前回入 札(6月23日)は1.744%と、当時の過去最低を記録していた

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「明らかにTIPS 入札は引きが強かった」と指摘。「今後30年間のインフレに対応しよ うとする需要が存在する」と説明した。

◎NY金先物:続落、2週間ぶり大幅安-欧州懸念で商品全般に売り

ニューヨーク金先物相場は続落。2週間ぶりの大幅安となった。 欧州が域内債務危機の解決策をまだ見いだしていないことを手掛かり に、原材料の需要が後退するとの懸念が強まった。

商品24銘柄で構成するS&PのGSCI指数は一時1.9%下落。 ソブリン債危機の解決策をめぐるドイツとフランスの意見の相違が背 景。欧州連合(EU)の各国首脳は23日に会議を開き救済計画に関 して協議する。金は先月6日に付けた過去最高値のオンス当たり

1923.70ドルから16%値下がりしている。

カントリー・ヘッジング(ミネソタ州セントポール)のアナリス ト、スターリング・スミス氏は電話インタビューで、「欧州に関する 不安が金を含む商品全般に萎縮効果をもたらしている」と指摘。「金 はここ最近、商品の典型的な値動きをしている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比2.1%安の1オンス=1612.90ドルで終了。4日 以来の大幅下落となった。一時は1604.70ドルと、5日以来の安 値を付ける場面もあった。

◎NY原油:続落、欧州債務危機めぐる不安が圧迫

ニューヨーク原油先物相場は続落。欧州債務危機をめぐる主要国 間の調整難航が市場心理を悪化させている。

欧州各国政府は、一時的措置の欧州金融安定ファシリティー(E FSF)と恒久的な救済枠組みである欧州安定化メカニズム(ESM) の統合を検討していると、協議に詳しい関係者2人が明らかにした。 ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領は共同声明を発表 し、「包括的かつ意欲的な」計画に26日までに合意するよう各国政 府に求めた。

ゴールドマン・サックス・グループ(ニューヨーク)のエネルギ ー調査担当責任者、デービッド・グリーリー氏は「欧州債務危機をめ ぐるセンチメントが原油相場を動かしている」と指摘。「解決策がま だ出ていないことや不確実性が市場に大きな影響を及ぼしている」と 述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物11月限は前 日比81セント(0.94%)安の1バレル=85.30ドルで終了。11 月限はこの日が最終取引。実質中心限月となった12月限は22セン ト安の85.30ドル。

◎欧州株:反落、欧州首脳の意見対立を懸念-ウニクレディトが安い

20日の欧州株式相場は反落。2週間ぶりの大幅安となった。ユー ロ圏の首脳が域内債務危機を収束させる計画で合意するにはほど遠い 状態にあるとの懸念が強まった。

イタリアの銀行インテーザ・サンパオロやウニクレディトを中心 に銀行株が下落。社債リスクが高まったことが背景。スイスのバイオ 企業アクテリオンは約1年半ぶりの大幅安。同社は医薬品販売が来年 は減少するとの見通しを示した。フランスのエンジニアリング会社、 シュナイダーエレクトリックは今年の利益見通しを下方修正したこと を手掛かりに売り込まれた。

ストックス欧州600指数は前日比1.5%安の233.07。4日以 来の大幅下落となり、2月に付けた年初来高値からは20%の値下が りとなった。独紙ウェルトがドイツは23日開催予定の欧州連合(E U)首脳会議を延期する可能性を否定していないと報じると、同指数 は下げ幅を拡大した。

スイスカント・アセット・マネジメントの運用担当者、ベン・ハ ウツェンベルガー氏は「市場は今、解決を求めている」と指摘。「現 在の質への逃避の動きは、投資家の信頼感がいかに弱いかを示して いる」と述べた。

この日の西欧市場では、18カ国中16カ国で主要株価指数が下 落した。

ストックス600指数の業種別では銀行株指数の下げが最もきつ かった。インテーザ・サンパオロは9.8%安の1.20ユーロ。ウニ クレディトは12%急落し84.6ユーロ・セント。アクテリオンは

9.7%安の30.70スイス・フランと、昨年3月以来の大幅安。シュ ナイダーエレクトリックは7.6%下落の41.22ユーロで終了した。

◎欧州債:スペインなど高債務国債が下落-伊10年債利回りは6%

20日の欧州債市場で、スペインを中心に高債務国の国債が下落 した。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスによるス ペイン格下げ後の初めての国債入札で、需要が前回入札を下回ったこ とが背景にある。

イタリア10年債利回りは上昇し、8月5日以来で初めて6%に 達した。欧州中央銀行(ECB)が同国債を購入した模様だと伝えら れたものの、大きく影響しなかった。フランス2年債は3日続落。同 国政府は92億9000万ユーロ規模の入札を実施した。

ドイツ国債も一時、軟調となった。ブルームバーグ・ニュースが 入手した指針草案で欧州の救済基金である欧州金融安定ファシリティ ー(EFSF)は当該国の「資金調達が困難になる前に融資を提供す ることができる」ことが示され、これが材料視された。

DZ銀行(フランクフルト)の債券調査部門責任者、トマス・マ イスナー氏は「リスク回避に戻りつつある」と述べ、「救済パッケー ジ拡充で負担が増えることも懸念されている」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時40分現在、スペイン10年債利回りは前 日比13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の5.53%。 同国債(表面利率5.5%、2021年4月償還)価格は0.95下げ

99.72。イタリア10年債利回りは12bp上げて6.02%。

スペイン10年債の独10年債に対する利回り上乗せ幅(スプレ ッド)は18bp拡大の353bpと、先月26日以来の最大となった。

スペイン政府がこの日実施した2021年債入札の応札倍率は

1.76倍。7月の前回入札では1.9倍だった。2019年債の応札倍率 は2.09倍と、9月15日に行われた前回入札の2.17倍を下回った。

仏10年債利回りは前日比4bp下げ3.17%、独10年債利回 りは5bp低下の2.01%。ブルームバーグのデータによると、両国 債のスプレッドは119bpと、1992年以来の最大に広がった。

◎英国債:変わらず、10年債利回り2.46%-入札需要は前回上回る

20日の英国債相場は前日からほぼ変わらず。10年債(表面利率

3.75%、2021年9月償還)の利回りは2.46%、価格は111.24 となった。

英政府はこの日、表面利率1.75%の2017年1月償還債を47 億5000万ポンド入札した。英公債管理局(DMO)によると、平均 落札利回りは1.547%。9月22日の前回入札では1.394%だった。 応札倍率は1.7倍と、前回の1.2倍を上回った。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、英国債の年初来のリターン(投資収益率) はプラス12%。これに対しドイツ国債は6.7%となっている。

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