EFSF指針草案:GDPの10%の与信枠が可能に-ドイツ議員は反対

救済基金である欧州金融安定 ファシリティー(EFSF)は、危機に見舞われそうな国の政府に対 し、最大で国内総生産(GDP)の10%相当の与信枠の設定が可能 になる公算がある。機能拡充後のEFSF運用の指針を示す草案が示 した。ただ、一部のドイツ議員は納税者への負担が重過ぎるとの見解 を示している。

ブルームバーグ・ニュースが入手した草案によると、EFSFは 当該国の「資金調達が困難になる前に融資を提供することができる」。 同文書によるとまた、EFSFが発行市場で国債を購入する場合は民 間投資家の購入額を超えてはならない。

ドイツのメルケル政権の連立与党議員らはこの指針が23日の欧 州連合(EU)首脳会議で承認された場合、耐えられないほどの負担 をドイツの納税者にもたらすと述べた。

メルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)と連立する自由民 主党(FDP)のフランク・シェフラー議員は20日のインタビュー で、「これほど大規模な与信枠に道を開けば納税者にしわ寄せが行く」 として、「イタリアとスペインのまわりに防護壁を築くというのは、 こういうことではない。これに十分な基金を用意するなど不可能だ。 明らかにドイツの国益にならない」と語った。

国際通貨基金(IMF)によれば、昨年末時点のイタリアの実質 GDPは1兆6000億ユーロ(約170兆円)。この10%は1600億 ユーロ。スペインのGDPは昨年、1兆1000億ユーロだった。

深刻さに応じて2種類の「条件付き信用」

首脳会議が近づく中で、ドイツとフランスはまだ、EFSFの実 際の融資能力を拡大する方法で合意できていない。予防的な融資提供 から発行・流通両市場での国債購入まで、新たな機能を果たすには現 在の4400億ユーロ規模からの能力拡大が不可欠だが、指針の草案は その方法には触れていない。

フランスはEFSFを銀行として認め、欧州中央銀行(ECB) を支えに資金力を高める案を支持しているが、ドイツはこれに反対。 ショイブレ独財務相はこの日ベルリンで記者団に、「ECBに頼りた いと考える者もいるが、これは欧州条約の下ではあり得ない。ドイツ 政府がこのような解決策に決して同意しないことは確実だ」と語った。

指針草案によると、EFSFは当該国財政の健全性に対する脅威 の度合いによって2種類の「条件付き信用」を供与できる。

国債購入については、発行市場で民間投資家より多量に購入でき ないとした上で、購入した国債の活用については4つの選択肢を示し ている。EFSFの発行市場での国債購入額は最終的な発行額の 50%を超えてはならないと定め、入札での加重平均価格で購入する こととしている。「これは発行体が市場からの応札を受け入れる動機 付けになる。市場から調達した額と同額をEFSFから受け取れるこ とになるからだ」と説明している。

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