今日の国内市況:株式は反落、債券反発-ユーロ下落

東京株式相場は反落。米国経済の 先行きや対ユーロでの円高進行が懸念され、精密機器や機械、輸送用 機器、電機など輸出関連、鉄鋼など素材、非鉄金属など資源関連とい った景気敏感業種が総じて売られた。タイの洪水が生産に深刻な悪影 響を及ぼすとの警戒から、日本電産や昭和電工などハードディスク駆 動装置(HDD)関連株の下げも目立った。

TOPIXの終値は前日比5.47ポイント(0.7%)安の746.02、 日経平均株価は同90円39銭(1%)安の8682円15銭。欧州動向の 不透明さに加え、米国に続き日本でも来週から決算発表が本格化する ため、市場参加者の様子見姿勢は強く、東証1部の売買代金は4日連 続で9000億円割れ。

米連邦準備制度理事会(FRB)が19日に発表した地区連銀報告 (ベージュブック)では、経済は9月に緩やかな拡大が続いたものの、 企業が景気の先行きに対する懸念を強めていると指摘。また、米経済 の先行指標となる商務省公表の9月の住宅着工許可件数は、前月比 5%減の年率59万4000件と5カ月ぶりの低水準だった。

欧州では、23日の欧州連合(EU)首脳会議を前にドイツ、フラ ンス間の意見対立の懸念も浮上。両国を含むユーロ圏首脳らは19日夜、 フランクフルトで準備会合を開き、欧州金融安定化基金(EFSF) の融資力拡大で欧州中央銀行(ECB)とドイツが、ECBのバラン スシート利用に反対していることが明らかになっている。

欧州懸念を反映し、東京外国為替市場午前半ばごろから、円が対 ユーロで強含んだ。これを受け、精密や電機、輸送用機器など輸出関 連株は終日軟調。投資家のリスク回避姿勢は商品市況にも見られ、前 日に2.5%安だったニューヨーク原油先物相場はアジア時間20日の時 間外取引でも続落。19日のNY銅先物は3%安と9月28日以来の大 幅安だったため、非鉄、鉱業など資源関連にも売りが優勢だった。

東証1部の売買高は概算で14億5787万株、売買代金は8823億円 と低調が持続。値上がり銘柄数は371、値下がり1153。

東証1部の売買代金上位ではコマツやファナック、ホンダ、三井 物産、日産自動車、ソニー、日立製作所、ニコン、三菱重工業が下落。 タイの大洪水が日本企業のHDDなどデジタル機器生産にも深刻なダ メージを与えている、と20日付の産経新聞が報じた影響で、日電産や TDK、昭電工などHDD関連株が軒並み売られた。

債券反発、20年入札無事通過

債券相場は反発。前日の米国市場で債券高・株安となった流れを 引き継いだほか、国内株安や20年債入札の無難な結果も買い安心感に つながった。

東京先物市場で中心限月12月物は、前日比1銭安の142円14銭 で開始したが、午前9時30分過ぎに17銭高の142円32銭まで上昇。 午後に入り、一時142円15銭と前日終値まで伸び悩む場面もあったが、 引け間際に142円34銭と約1週間ぶりの高値を記録。結局は、18銭 高の142円33銭で終了した。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは前日比変わらずの1.02%で始まった後、1.01%と1.015%の間で 推移。午後3時過ぎには2bp低い1%ちょうどと、12日以来の水準に 低下した。

財務省がこの日実施した20年利付国債(130回債)の入札結果に よると、最低落札価格は100円60銭となり、事前予想と一致。小さけ れば好調とされるテール(最低と平均価格との差)は6銭と昨年10 月以来の小ささ。応札倍率は3.57倍と、前回の3.39倍から上昇した。

ブルームバーグ・ニュースは20日、今年度第3次補正予算の編成 に伴う国債の追加発行額約10兆円のうち、機関投資家に入札を通じて 販売する市中発行額が1兆円程度にとどまることが19日に分かった と報じた。昨年度中に借り換え債の前倒し発行を進めたことなどによ り、大幅な国債増発余力が発生したことが要因としている。

ユーロ下落

東京外国為替市場ではユーロが下落。救済基金の機能強化をめぐ る独仏間の意見対立が表面化したことが嫌気された。23日に欧州連合 (EU)首脳会談を控えて、欧州債務危機封じ込めへの期待がしぼん でいる。

ユーロは対ドルで1ユーロ=1.37ドル後半から一時、1.3673ドル まで下落。対円でも1ユーロ=105円後半から値を切り下げ、一時104 円89銭まで売られる場面も見られた。

20日のアジア株は下落。商品相場も軟調で、新興国通貨や資源国 通貨に売り圧力がかかった。一方、円とドルはともに逃避通貨として 買いが優勢で、ドル・円は1ドル=76円後半で動きづらい展開が続い た。日中の値動きは76円86銭から76円68銭とわずか18銭だった。

ユーロ圏の首脳らが19日夜、フランクフルトで開催した首脳会議 の準備会合では、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の機能強 化における欧州中央銀行(ECB)の役割をめぐり独仏の意見対立が 表面化した。バロワン仏財務相は記者団に対し、EFSFの融資力拡 大にあたり、ECBとドイツはECBのバランスシート利用に反対し ており、意見対立の溝が深いことを明らかにした。