今日の国内市況:株式小反発、債券反落-ユーロ上昇、欧州に一喜一憂

東京株式相場は小反発。欧州の 金融安定化に向けた政策動向、国内外主要企業の決算発表といった見極 め材料が多い中、海外の景気変動の影響を受けにくい医薬品、陸運とい ったディフェンシブ業種が買われた。決算発表後の米金融株が上昇した 流れが波及し、銀行やその他金融、保険株は終日堅調だった。

TOPIXの終値は前日比0.25ポイント(0.03%)高の751.49、 日経平均株価は30円63銭(0.4%)高の8772円54銭。ただ、東証 1部の売買代金は3日連続で9000億円を割り込み、9000億円割れの 連続記録は昨年12月24日から29日の4営業日連続以来となるなど、 市場参加者の様子見姿勢の強さをうかがわせた。

この日の日本株は、米国の住宅統計の改善や金融株高への安心感、 また欧州の金融安定化基金の拡充期待などから上昇して取引を開始。全 米ホームビルダー協会とウェルズ・ファーゴが18日に発表し、米住宅 建設業者の景況感を示す10月の米住宅市場指数は18と、前月の14か ら上昇。また、同日の米国で相次いだ米銀バンク・オブ・アメリカ(B OA)、ゴールドマン・サックス・グループの7-9月(第3四半期) 決算は、BOAが最終黒字化、ゴールドマンは赤字となるなど強弱混在 したが、両社株とも上げ、S&P500種株価指数のセクター別では、金 融の上昇率が最も大きかった。

一方、英ガーディアン紙は18日、ドイツとフランスが欧州債務問 題に解決の救済基金を2兆ユーロまで拡大する方向で合意に達した、と 報道。メルケル独首相のザイベルト首席報道官は、独仏首脳が欧州金融 安定化基金(EFSF)の規模拡大について集中討議していると述べて おり、債務問題解決に向けた取り組みが前進するとの期待が広がり、同 日の米国株高の一因となった。

ただ、米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは 18日、スペイン国債の格付けを「Aa2」から「A1」に引き下げた。 見通しは「ネガティブ」。欧州動向に関する不透明要素はなお多く、日 本株も徐々に上値を切り下げる展開。朝方に一時6.64ポイント高まで あったTOPIXは、午後になるとマイナスに沈む場面もあったが、一 方的に売り進む動きも限られ、投資家の短期的売買コストを示す25日 移動平均線(749.32)が下支えする格好となった。

東証1部の売買高は概算で12億9870万株、売買代金は8929億 円。値上がり銘柄数は726、値下がりは741。東証33業種の上昇率上 位にはパルプ・紙、陸運、医薬品、小売、不動産、その他金融、保険、 医薬品、銀行など15業種が上昇。証券・商品先物や石油・ 石炭製品、 卸売、海運、建設、非鉄金属、ガラス・土石製品など18業種は安い。

個別では、クレディ・スイス証券が、中国経済のハードランディン グ、業績予想の下方修正、中国ローカル企業の台頭などの各種悪材料は 織り込み、株価は売られ過ぎの水準として強気の投資判断を維持したコ マツが上昇。東証1部売買代金上位では、ファナックやキヤノン、三菱 UFJフィナンシャル・グループ、エーザイなどが高かった。

一方、経営内紛に揺れるオリンパスが4日続落。ファンダメンタル ズ以外の情報による株価変動リスクが継続する可能性があるなどとし、 JPモルガン証券やゴールドマン・サックス証券などは投資評価を停止 した。会社側は午前9時40分、これまでの一連の報道に対する見解を 発表。解任した前社長が問題視する英社買収経緯について説明した。

また、プロ野球球団の横浜ベイスターズ買収の交渉事実を明らかに したディー・エヌ・エーは、投資負担への懸念などから急落。前日に上 期業績の減額で大林組が急落したことへの警戒が広がり、鹿島や大成建 設など大手ゼネコン株も安かった。

国内新興市場は、ジャスダック指数前日比0.1%安の48.44と4 日続落、東証マザーズ指数が同0.5%安の400.96と続落した。

20年債入札に向け売り

債券相場は反落。欧州首脳陣が債務危機の波及阻止へ向けた対策で 合意に達するとの観測が強まり、前日の米国市場で株高・債券安となっ た流れを引き継いだ。あす実施の20年国債入札に向けた売りも相場の 重しとなった。

現物債市場では超長期債が安い。30年物の35回債利回りは前日 比1.5ベーシスポイント(bp)高い1.97%と、9月13日以来の高水準 を付けた。20年物の130回債利回りは1.5bp高い1.755%。長期金利 の指標とされる新発10年物の318回債は前日比1bp高い1.02%で開 始。その後は1.015-1.02%の狭い値幅で推移している。

5年物の99回債利回りは1bp高い0.385%と、新発5年債とし て7月29日以来の水準で始まった。いったんは横ばいの0.375%に戻 したが、午後に入って0.5bp高い0.38%で取引されている。

財務省は20日、20年債入札を実施する。前回入札された130回 債利回りは1.7%台半ばで取引されており、表面利率(クーポン)は据 え置きの1.8%か、0.1ポイント低い1.7%が予想されている。発行額 は前回債と同額の1兆1000億円。

新発20年債利回りは9月22日に今年最低の1.675%まで下げた が、その後は1.7%を挟んだレンジで推移。今週に入ると水準を切り上 げ、前日には約1カ月ぶり高水準の1.76%を付けた。

東京先物市場で中心限月12月物は小反落。前日比3銭安の142 円15銭で始まり、6銭安まで下落した。直後から買いが増えて5銭高 まで上昇する場面があったが、午後に入って再び値を下げて、結局は3 銭安の142円15銭で引けた。

ユーロが上昇

東京外国為替市場ではユーロが上昇。スペインの格下げなどを手掛 かりに売り先行で始まったが、欧州債務危機の封じ込め対策への期待も くすぶるなか、午後にかけてはユーロを買う動きが強まった。

ユーロは対ドルで一時、1ユーロ=1.3841ドルまで上昇。朝方に は1.38ドル前半から反落した海外市場の流れを引き継ぎ、1.3725ド ルまで値を切り下げていた。

ユーロは対円でも朝方に1ユーロ=105円33銭を付けた後、一時 106円23銭まで上昇。また、午後には対スイス・フランでユーロが急 伸し、1週間ぶり高値を付ける場面が見られた。

一方、ドル・円相場は1ドル=76円後半でもみ合った。朝方には 国内輸出企業などの円買いに一時、76円66銭を付ける場面も見られ たが、その動きも続かず、結局日中の値幅は20銭にとどまった。

ドイツのショイブレ財務相は、救済基金、欧州金融安定ファシリテ ィー(EFSF)の融資能力は保証モデルを通じて最大1兆ユーロに拡 大することが可能だとの見解を示した。フィナンシャル・タイムズ・ド イツ版(FTD)が情報源を示さずに報じた。

前日の海外市場では、フランスとドイツがEFSFの規模を2兆ユ ーロに拡大することで合意したとの英紙ガーディアンの報道を受け、ユ ーロが反発。対ドルでは一時、1.3818ドルまで上昇し、対円では106 円21銭まで値を切り上げていた。

その後、基金拡大合意を否定する報道が伝わると、ユーロは反落。 米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがスペインの格 付けを「A1」に2段階引き下げたことも嫌気され、19日の東京市場 にかけてはユーロ売りが先行していた。

ユーロ圏の財務相らはブリュッセルで、現地時間10月21日の午 後2時から、債務危機に関する会合を持つ。EUが明らかにした。EU 加盟27カ国財務相の会合は22日の午前9時に開始される。

これらの会合は23日のEU首脳会議に先立って行われる。ドイツ のメルケル首相は18日、EU首脳会議が「重要な一歩」となるものの、 ユーロ圏のソブリン債危機を解決する最後のステップにはならないと述 べた。

日本政府は21日に閣議決定する円高対策の最終案に、円相場が大 幅に上昇する局面では「あらゆる措置を排除しない」と明記し、円売 り・ドル買いの市場介入に踏み切る考えを示唆したと19日付の日本経 済新聞朝刊が報じた。政府と日銀の専門組織「景気対応検討チーム」の 設置や欧州の金融安全網であるEFSFが発行する債券の追加購入を実 施することを盛り込んだという。情報源は明示していない。

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