日銀地域経済報告:複数の地域で「海外経済の減速の影響」(1)

日本銀行が20日午後発表した「地 域経済報告」(さくらリポート)によると、9地域中5地域が判断を上 方修正したものの、複数の地域から「海外経済の減速などの影響が生 産活動の一部にみられ始めている」との報告があった。

5地域(北海道、東北、関東甲信越、東海、九州・沖縄)から供 給制約の解消などから持ち直し方向の報告があった一方、4地域(北 陸、近畿、中国、四国)から前回からの持ち直しの基調に大きな変化 はないとの報告があった。

一方、海外経済の影響については、近畿が「このところ海外経済 の減速などの影響が一部にみられ始めている」、九州・沖縄が「海外経 済の減速や為替円高を背景に、一部に操業度を引き下げる動きがみら れる」と報告した。このほか、会見した調査統計局の市川能英参事役 によると、「支店長会議では、中国地方から、先行きの下振れ懸念がじ わじわ広がっているとの報告があったほか、東海地域からも、先行き 不透明感が強まっているとの報告があった」としている。

7月の前回報告では、全9地域中7地域が情勢判断を上方修正し、 「供給面の制約の和らぎ、家計や企業のマインドの改善等を背景に持 ち直しの動きが出ている」と報告した。白川方明総裁は20日午前、定 例支店長会議であいさつし、「海外情勢をめぐる不確実性や、それらに 端を発する為替・金融資本市場の変動がわが国経済に与える影響につ いては、引き続き丹念に点検していく必要がある」と語った。

東北は「全体として回復」

震災で甚大な被害を受けた東北からは「被災地以外の地域では震 災前を上回る水準にまで復してきているほか、被災地の一部でも経済 活動再開の動きがみられるなど、全体として回復している」、関東甲信 越からも「着実に持ち直してきている」と、震災以降の経済活動の着 実な立ち上がりを示す報告があった。

また、複数の地域から、「地域・業種・規模間で、持ち直しの動き にばらつきがみられている」との報告があった。