欧州救済戦略に暗雲、根深い独仏の対立-失望が無力感に変わる危険

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【記者:Mark Deen】

10月20日(ブルームバーグ):フランスとドイツの間で、欧州の高 債務国の救済戦略をめぐる対立が表面化している。債務危機の解決策 の迅速な策定を求める圧力が高まる中で、21日にはユーロ圏財務相会 合がブリュッセルで開かれる。

欧州連合(EU)首脳会議の開催を2日後に控えて、欧州中央銀 行(ECB)が果たす役割について意見が対立しており、世界中の政 策担当者から包括的な戦略の実現を求められている銀行・経済問題を めぐる協議の進展が妨げられる恐れがある。

退任するECBのトリシェ総裁を慰労するイベントを兼ねて、首 脳らが出席する臨時の会合が19日夜にフランクフルトのオペラハウス で開催されたが、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル 議長(ルクセンブルク首相兼国庫相)は会合後、「協議はなお続いてい る」と述べ、意見の溝が埋まっていないことを示唆。フランスのサル コジ大統領とドイツのメルケル首相、国際通貨基金(IMF)のラガ ルド専務理事はいずれもコメントを残さずにその場を立ち去った。

JPモルガン・チェースの欧州担当チーフエコノミスト、デービ ッド・マッキー氏はインタビューで、「週末は失望することになると多 くの人々が予想している。何らかのレバレッジを活用する問題が解決 しなければ、失望感がどうしようもない無力感に変わるだろう」と警 告する。

ドイツはEFSFの銀行化に反対

フランスのバロワン財務相は記者団に対し、高債務国の救済基金 である欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の能力を拡充するた め、ECBのバランスシートを活用する案をめぐる対立が根深いこと を明らかにした。ドイツはECBとともにこの構想を拒否している。

ドイツは高債務国が発行する国債の一部について、EFSFによ る保証を可能にする案を支持しているが、バロワン財務相によれば、 フランスはEFSFをECBから資金供給を受けることができる銀行 に転換することを望んでいる。協議の内容に詳しい関係者1人によれ ば、EFSFがユーロ圏の高債務国の新発債から生じる損失の20- 30%相当を保証する案が検討されているという。

JPモルガンのマッキー氏が既存の拠出合意を基に試算したとこ ろでは、EFSFは約2700億ユーロ(約28兆4000億円)をなお利用 することが可能。しかし、イタリアとスペイン、ベルギーの調達必要 額が今後3年で1兆ユーロを超えると仮定した場合、その最初の20% の損失を保証することで、他の緊急対応に充てることができる資金は 1000億ユーロを割り込むことになる。

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