10月19日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロが上げを消す-ECBの役割めぐり独仏で意見相違

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルと円に対する上げ を消した。フランスとドイツの首脳は両国の見解の相違を埋めるため、 19日夜に会合を開催した。

ドルはブラジル・レアルや南アフリカ・ランドを含む主要通貨の 大半に対して上昇。域内の救済基金の拡大に関連し、欧州中央銀行 (ECB)の役割をめぐってフランスとドイツの意見が分かれている ことから、逃避需要でドルが買われた。韓国ウォンは対ドルで上昇。 日本と韓国が、円とウォンのスワップ取り決めの限度額を増額するこ とで合意したことを受けた。

みずほフィナンシャル・グループの米通貨セールス担当責任者、 ファビアン・エリアソン氏は独仏の会合について、「会合全般に対し て懸念が広がっている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時1分現在、ユーロは対ドルでほぼ変 わらずの1ユーロ=1.3757ドル。一時は0.9%高まで上げる場面 があった。対円では約0.1%下げて105円60銭。一時は0.8%高 まで上げた。ドルの対円相場はほぼ変わらずの1ドル=76円79銭。

メルケル首相の期待

ドイツのメルケル首相は今週、欧州危機解決への取り組みが23 日の首脳会議でヤマ場に達するとの期待を抑える姿勢を示した。

トラベレックス・グローバル・ビジネス・ペイメンツの市場アナ リスト、ジョー・マニンボ氏は「市場では今週末の会合について、疑 わしいと感じつつも何か建設的な内容が打ち出されるのではと前向き な見方を続けている」と分析した。

メルケル首相のザイベルト首席報道官は、フランスとドイツが欧 州金融安定ファシリティー(EFSF)の規模を4400億ユーロから 2兆ユーロに拡大することで合意したとの英紙ガーディアンの報道に ついて発言を控えた。

ギリシャのパパンドレウ首相が推進する新たな緊縮財政案はこの 日、議会で実施された予備採決で過半数の賛成票を獲得した。一方で 労働者は2日間のストライキに突入した。

日韓スワップ取り決め

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数はほぼ変わらずの77.113。

ウォンは4週間ぶり高値に上昇。日本と韓国は、日本銀行と韓国 銀行(中央銀行)間の通貨スワップの限度額を現行の5倍余りとなる 700億ドルに増額することで合意した。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの新興市場ストラテジスト、イ ラン・ソロット氏は今回の動きについて、韓国の資産全般にとってプ ラスになるとの見方を示した。

ウォンは1.2%高の1ドル=1132.30ウォン。一時1128.53 ウォンと、9月19日以来の高値を付けた。

◎米国株:反落、欧州危機の解決策めぐり懸念-アップル安い

米株式相場は反落。景気への不安や欧州債務危機の解決策をめぐ るこう着状態が嫌気された。アップルは決算が失望を誘い、売りが膨 らんだ。

アップルは5.6%安。同社の7-9月(第4四半期)決算は、 利益が市場予想を少なくとも6年ぶりに下回った。アルミ生産のア ルコアや化学のデュポンなど景気敏感株が下げた。バンク・オブ・ア メリカ(BOA)やウェルズ・ファーゴも安い。

S&P500種株価指数は前日比1.3%安の1209.88。ダウ工 業株30種平均は72.43ドル(0.6%)安の11504.62ドル。

INGインベストメント・マネジメントで資産配分責任者を務 めるポール・ゼムスキー氏(ニューヨーク在勤)は「欧州には時 間がない」と指摘。「危機解決に時間がかかれば、その分不透明感 が高まる。米国で発表される企業業績は悪くはないが、予想を上回 る決算がやや少ない。S&P500種が1230を上抜くには明るい材 料がかなり必要になるだろう」と述べた。

23日の欧州連合(EU)首脳会議(サミット)を前に、ユー ロ圏の首脳らは19日夜にフランクフルトで準備会合を開催。欧州 金融安定ファシリティー(EFSF)をめぐって意見調整した。サ ルコジ仏大統領は同会合に出席するため、ドイツ入りした。これに 反応して株価が下落した。

ベージュブック

米連邦準備制度理事会(FRB)が19日発表した地区連銀経 済報告(ベージュブック)によると、経済は9月に緩やかな拡大が 続いたものの、企業が景気の先行きに対する懸念を強めていること も分かった。

ベージュブックは「全般的に、経済活動は9月引き続き拡大し た。ただし多くの地区は成長ペースについて『緩やか』、もしくは 『非常に弱い』と表現した」と記した。また「事業環境の先行きに 関しては、概ね悪化もしくは確実性の低下が指摘された」と説明し た。

景気敏感株で構成されるモルガン・スタンレー・シクリカル指 数は1.7%の下げ。ダウ輸送株平均は1.3%下落。アルコアは

3.7%安、デュポンは2.6%の値下がりだった。

KBW銀行指数は2.9%安。BOAとウェルズ・ファーゴはそ れぞれ3.6%と2.6%値下がりした。

アップルの決算

アップルの7-9月によると、スマートフォン(多機能携帯電 話)「iPhone(アイフォーン)」の販売台数は1707万台と、 ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の2000万台を下回った。 新機種「iPhone4S」の発売前に顧客の間で買い控える動き があった。4Sは10-12月期に入ってから発売された。

この日の米株は、朝方発表された統計を手掛かりに一時上昇す る場面もあった。9月の米住宅着工件数は前月から増加、同月の消 費者物価指数(CPI)は穏やかな伸びだった。

ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によると、S&P 500種に採用されている企業の7-9月期利益は前年同期比で17% 増、2011年通年では18%増が見込まれている。

◎米国債:上昇、10年債利回り低下-救済基金拡大で独仏提案に相違

米国債相場は上昇。欧州救済基金の拡大をめぐる独仏の提案に相 違が生じていることを受け、米株式相場が下落。安全資産を求めて国 債が買い進まれた。

米30年債は不安定な動き。欧州連合(EU)首脳陣が域内の危機 収束へ向けた解決策の決定に近づいているとの観測が広がり、同年債 価格が下げる場面もあった。米連邦準備制度理事会(FRB)のベー ジュブックは、景気回復の強さに不安を感じる企業が増加していると 指摘した。

RBCキャピタル・マーケッツのトレーダー、ダン・マルホラン ド氏(ニューヨーク在勤)は「今週末の首脳会合を前に、市場は報道 に逐一反応しており、相場は依然として不安定だ」と指摘。「プラス の動きが起こるという期待が高い。米国債は確実に上昇するだろう」 と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後4時31分現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)下げて2.16%。一時は最大5bp上昇し ていた。同年債(表面利率2.125%、2021年8月償還)価格は 5/32上げて99 23/32。2年債利回りはほぼ変わらずの0.27%と なっている。

30年債利回りはほぼ変わらずの3.17%。一時3.14%まで下げ た後、3.23%まで上昇する場面も見られた。

独仏の溝

グリーチャーのマネジングディレクター兼金利取引共同責任者、 ラス・サート氏(ニューヨーク在勤)は「米国債は世界の報道に反応 して乱高下を繰り返している。30年債は目下、うっ積した市場心理と 欧州の政策可能性に最も影響されやすい」と指摘した。

30年債と2年債の利回り格差は一時2.96ポイントに拡大し、 今月14日に付けた2.97ポイントに近づいた。

19日にフランクフルトで行なわれた任期満了が近いトリシェ欧 州中央銀行(ECB)総裁を慰労する行事にフランスとドイツの代表 が出席したが、そこでEFSFの機能強化におけるECBの役割をめ ぐって独仏の意見対立が表面化した。これを受けて10年債は朝方の 上げを失った。

バロワン仏財務相は記者団に対し、EFSFの融資力拡大にあた り、ECBとドイツはECBのバランスシート利用に反対しており、 意見対立の溝が深いことを明らかにした。

FRBが19日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)に よると、9月の消費者支出はわずかな伸びとなり、米経済は緩やかな 拡大を維持した。

住宅着工件数増加

FRBは19日、償還期限が2017年10月から19年8月まで の中期債を48億8000万ドル購入した。借り入れコストを抑制する 取り組みの一環。

米国債相場は朝方、下げていた。米商務省が発表した9月の住宅 着工件数が市場予想を上回ったことが手掛かり。賃貸住宅の需要が高 まり、アパートやコンドミニアムなど集合住宅が伸びた。住宅着工件 数(季節調整済み、年率換算)は前月比15%増加の65万8000戸 だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中 央値は59万戸だった。

◎NY金先物:3日続落、救済基金拡大めぐる報道で逃避需要が後退

ニューヨーク金先物相場は3日続落。フランスとドイツが欧州の 救済危機の規模拡大で合意に近づいているとの観測から、逃避資産と しての金の需要が後退した。

英紙ガーディアンは、両国が今週末の欧州連合(EU)首脳会議 を前に救済基金である欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の規 模を現在の4400億ユーロから2兆ユーロに拡大することを支持し ていると報じた。金は先月6日に付けた過去最高値のオンス当たり

1923.70ドルから14%下落。欧州の財政問題を背景に株式や商品 の売りが膨らんだことが背景。

MFグローバル・ホールディングスのシニア市場ストラテジスト、 アダム・クロフェンシュタイン氏は電話インタビューで、「市場には 自信がない」と指摘。「人々は欧州からもっとニュースが出てくるの を待っている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比0.4%安の1オンス=1647ドルで終了。今週に入 ってからの下落率は2.1%に拡大した。

◎NY原油:反落、独仏間の調整難航やベージュブック手掛かり

ニューヨーク原油先物相場は反落。一時は1カ月ぶりの高値を付 ける場面もあった。欧州救済基金の規模を拡大する案に関してフラン スとドイツの間で意見が分かれていると伝わったことや、米連邦準備 制度理事会(FRB)が発表した地区連銀経済報告(ベージュブック) で経済成長は「緩やか」と記されたことが背景。

欧州連合(EU)首脳会議を前に意見の相違を縮めようと、ユー ロ圏の首脳らはフランクフルトで会合する。ベージュブックによると、 企業は景気の先行きに対する懸念を強めている。米エネルギー省がこ の日発表した統計によると、先週の燃料使用は2.2%減少の日量 1830万バレルと、5月以来の最低となった。

PFGベストの調査部門バイスプレジデント、フィル・フリン氏 (シカゴ在勤)は「債務危機解決に向けた欧州の計画に対する疑念や ベージュブックの発表で市場は打撃を受けている」と指摘。「市場は 現在著しく不安定だ。ほんの小さなことでも方向が変わってしまう」 と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物11月限は前 日比2.23ドル(2.52%)安の1バレル=86.11ドルで終了。一 時は89.51ドルと、日中としては先月16日以来の高値を付けた。 年初からは5.8%の値下がり。

◎欧州株:反発、救済危機の規模拡大めぐる報道で-コメルツ銀が高い

19日の欧州株式相場は反発。ストックス欧州600指数は3日ぶ りに上昇した。ユーロ圏救済基金の規模拡大をめぐりフランスとドイ ツが合意に達したとする各社報道は内容が交錯している。

フランスの銀行ナティクシスやドイツのコメルツ銀行が高い。銀 行株指数は5営業日ぶりに上昇した。ドイツのソフトウエアAGと スウェーデンの通信会社テレ2、英有料テレビ放送のブリティッシ ュ・スカイ・ブロードキャスティング(BスカイB)はいずれも決算 発表後に買い進まれた。ゴールドマン・サックス・グループが投資判 断を引き上げた独建設会社、ホッホティーフも値上がり。

ストックス欧州600指数は前日比0.6%高の236.71。前日ま での2日間には1.3%下落していた。

ロイヤル・ロンドン・アセット・マネジメントの運用担当者、ア ンドレア・ウィリアムズ氏は「市場心理は前向きな状態にあるようだ」 と指摘。「週末の欧州首脳からの発表を待っている状況で、発表の内 容とそれを実行する方法が具体的に分かるまでセンチメントはかなり 脆弱(ぜいじゃく)だ」と述べた。

英紙ガーディアンは、フランスとドイツが救済基金である欧州金 融安定ファシリティー(EFSF)の規模を現在の4400億ユーロ から2兆ユーロに拡大することで合意したと報道。一方、フィナンシ ャル・タイムズ・ドイツ版(FTD)は、ショイブレ独財務相が議員 に対しEFSFの融資能力は最大1兆ユーロに拡大することが可能だ との見解を示したと伝えた。

この日の西欧市場では、18カ国中11カ国で主要株価指数が上 昇した。

ナティクシスは2.8%高の2.25ユーロ。コメルツ銀行は

4.7%上昇して1.63ユーロ。ソフトウエアAGは12%急伸し

30.45ユーロ。テレ2は2.2%高の133.70スウェーデン・クロ ーナ。BスカイBは5.1%高の710ペンス。ホッホティーフは

3.7%上昇の52.98ユーロで終了した。

◎欧州債:ドイツ債下落、債務危機解決の期待高まる-ギリシャ債続落

19日の欧州債市場で、ドイツ国債は3日ぶりに下落。欧州首脳 が域内の債務危機解決への取り組みで前進しつつあるとの観測から、 高利回り資産の需要が増え株高となったことが背景にある。

独10年債利回りは1週間ぶりの低水準から上昇。英紙ガーディ アンの報道によれば、ドイツとフランスが救済基金の欧州金融安定フ ァシリティー(EFSF)の規模を4400億ユーロから2兆ユーロに 拡大することで合意した。ショイブレ独財務相はドイツ議員に対しE FSFの規模を最大1兆ユーロに拡大することが可能だとの見解を示 したと、フィナンシャル・タイムズ・ドイツ版(FTD)が伝えた。 この日はフランスとスペイン、ギリシャの国債も軟調だった。

クレディ・スイス・グループ(チューリヒ)の債券ストラテジス ト、ラスムス・ロウジング氏は「この日はリスク選好の動きになって いるようだ」とし、それが独債利回りを押し上げたと述べた。「欧州 の政治状況で雑音を遮るのは依然として難しい。引き続き変動性は高 く、不透明感は強い」と続けた。

ロンドン時間午後4時14分現在、独10年債利回りは前日比4 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.06%。18日 には1.99%まで下げ、10日以来の低水準となった。同国債(表面 利率2.5%、2021年9月償還)価格は0.395下げ101.705。2 年債利回りは3bp上昇し0.61%。

スペイン債は8営業日続落。格付け会社ムーディーズ・インベス ターズ・サービスは前日、同国の格付けを「Aa2」から2段階引き 下げ「A1」とした。見通しは「ネガティブ(弱含み)」。

スペイン国債の10年物利回りは前日比5bp上げ5.40%、5 年物利回りは4.70%に上昇した。

ギリシャ国債は4日続落。2年債の利回りは13bp上昇し

76.58%、価格は38.70となった。2020年6月償還債(表面利率

6.25%)は2bp上げ24.30%。

◎英国債:3日ぶり下落-欧州救済基金の規模拡大観測で安全需要後退

19日の英国債相場は3日ぶりに下落。フランスとドイツがユーロ 圏の困難に陥った諸国を対象にした救済基金の規模拡大で合意したと 報じられたことを背景に、比較的安全とされる英国債の需要が後退し た。

10年債利回りは1週間ぶり低水準から上昇。英紙ガーディアン の報道によれば、メルケル独首相とサルコジ仏大統領が欧州金融安定 ファシリティー(EFSF)の規模を4400億ユーロから2兆ユーロ に拡大することで合意した。

エボリューション・セキュリティーズ(ロンドン)の債券アナ リスト、エリザベス・アフセス氏は、独仏両国は「何らかの策をまと めることを公約しており、少なくとも解決策の一部は打ち出すだろう」 と述べ、「こうしたことからリスク意欲がこの日は旺盛で、安全資産と される国債相場は下落した」と続けた。

ロンドン時間午後4時19分現在、10年債利回りは前日比3ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.46%。18日に は2.40%まで下げていた。同国債(表面利率3.75%、2021年9月 償還)価格はこの日、0.270下げ111.225。

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