榊原氏:円は対ドル70円台前半も、日本国債「5、6年心配ない」

青山学院大学教授の榊原英資元財 務官は19日午前、都内で開催されたブルームバーグ・ジャパン・コン ファレンスの討論会で、円は対ドルで1ドル=70円台前半に上昇し、 対ユーロでは1ユーロ=100円の大台を突破する可能性もあるとの見 解を示した。欧州債務危機が深刻化する中でも、日本国債の市中消化 は今後5、6年は心配ないとも語った。

榊原氏(70)は、政府・日本銀行は「政治家の命令」があれば円 売り介入するかもしれないが、効果は期待できないと予想。介入が成 功するのは米欧との協調体制を築けた場合だけだと説明した。

公的債務が国内総生産(GDP)の約2倍と主要国で最悪の状況 にある日本の国債市場については「向こう5、6年は心配していない」 と発言。負債は多いが、国内消化の裏付けとなる個人の金融資産も多 いと指摘した。長期的には「解決策は増税だ」とし、消費税率を現在 の5%から15%程度に引き上げるべきだと語った。

政府・日本銀行は8月4日、円売り介入と追加金融緩和を実施し た。しかし、円・ドル相場は半月後の19日、一時1ドル=75円95銭 の戦後最高値を記録。その後も76円台を中心に高止まりしている。欧 州債務危機が深刻化する中、円は対ユーロでも今月4日、約10年4カ 月ぶりに1ユーロ=100円76銭に上昇する場面があった。ユーロは対 ドルでも同日、一時1ユーロ=1.3146ドルと1月13日以来の安値を つけた。円は足元で対ドルは76円台後半、対ユーロでは105円台後半。

一方、日本の公的債務残高は国内総生産(GDP)の約1.9倍と 主要国で最悪。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S& P)は1月、ムーディーズ・インベスターズ・サービスも8月に日本 国債を格下げした。しかし、長期金利の指標とされる新発10年物国債 利回りは1%前後。スイスと世界最低を競っている。

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