英中銀総裁:不均衡是正や銀行資本で各国に協調促す-時間切れ迫る

イングランド銀行(英中央銀行) のキング総裁は、世界的な景気回復の勢いは失われつつあり、各国当 局が不均衡是正や銀行の資本増強を目指す取り組みは「時間切れが迫 っている」との見解を示した。

キング総裁は18日遅くのリバプールでの講演で、「2008-09年は、 20カ国・地域(G20)において国際的行動を協調させるのは容易だっ た」とした上で、「1930年代よりも急速な世界貿易の破綻に直面するな か、各国は刺激策の必要性については説得の必要はない。しかし、こ うした基本的な問題への対処方法で合意を形成するのは一段と難しく なった」と指摘した。

同総裁は、経常収支不均衡への各国政府の対応が遅れており、英 国の金融政策が同国の「進まない景気回復」を再び軌道に乗せる能力 は限られていると述べた。欧州首脳らはギリシャ危機対応を話し合う ため今月23日に開かれる欧州連合(EU)首脳会議(サミット)への 準備を進めているが、キング総裁は世界経済には「大胆な対応」が必 要だと語った。11月3日にはG20首脳会議が開幕する。

同総裁は「世界経済の支出の再均衡化を行わなければ、債務国と 債権国の争いによって全員が経済的な痛みを味わうことになる」と述 べ、「われわれは2009年に協調行動を取った。それはもう一度可能だ」 と語った。

同総裁はまた、ユーロ圏の銀行の「資本が十分かという懸念が再 燃」していると発言。「市場の信認を回復するためには透明性のある損 失の認識とかなりの追加資本注入が必要だ」と説明した。

欧州債務危機による金融市場の混乱を受け、英中銀は今月6日、 いわゆる量的緩和(QE)の上限を2750億ポンド(約33兆1000億円) とし、従来の2000億ポンドから引き上げた。

QE拡大を擁護

キング総裁は、9月の英インフレ率は5.2%に上昇したが、来年は 原油価格や付加価値税引き上げの影響が減少することからインフレは 「急速に」鈍化するだろうとして、QEの拡大を擁護した。

同総裁は「低い金利と大規模な資産購入という金融刺激策がなけ れば、成長は失速しインフレ率は中銀の目標である2%を下回るリス クがある」とした上で、「当面は、需要を支えるためにかなりの程度の 刺激策が適切だ」と述べた。