オリンパス:英社買収FA支払い初開示、解任騒動受け-6.9億ドル

オリンパスは19日、2008年の英 ジャイラス買収で行ったファイナンシャルアドバイザー(FA)への支 払い内容を開示した。マイケル・ウッドフォード前社長が、この支払い などを問題視した後に解任され、経営混乱の中で株価も急落しているこ とを受け、初めて公表した。

発表された支払い額は6億8700万ドルと、前社長がコンサルティ ング会社プライスウォーターハウスクーパース(PwC)に依頼しまと めた報告書と同額。しかしPwCが「FA報酬」に含めたジャイラス優 先株値上がり分4億4302万ドルは「FA報酬」とは明記していない。

オリンパスは17日夜、森久志副社長らによる投資家向け電話会議 を開催。その中でFAへの報酬を300億円程度と説明していた。優先株 の値上がり分を除いた約2億5000万ドルは、買収の手続きを開始した 06年から08年にかけて、支払われた。

発表文によると、優先株はFA側がジャイラスへの資本参加を望ん だため08年9月に発行して割り当てたが、昨年3月にオリンパスがジ ャイラスを完全子会社化するため6億2000万ドルで買い取った。それ 以外に基本報酬、成功報酬、ワラントも加え、総額6億8700万ドルを 払った。ジャイラス買収額の36%が、別にFAに支払われた計算。

ウッドフォード氏は、ブルームバーグ・ニュースの電子メールによ る取材に対し、会社側がFAへの報酬を300億円程度としたことは、同 氏が解任前に森氏が受けた説明と「全く矛盾している」と反論した。

「妥当」

同社広報担当の北田津世志氏は19日にブルームバーグの電話取材 に対し、支払い水準について「第三者機関の評価を加味しており妥当だ と考えている」と述べた。同氏によると、オリンパスはジャイラス買収 額9億3500万ポンドを、円建てでは2117億円と計上した。

オリンパスは19日、08年4月までにヘルスケア関連3社を買収し た事実と、その減損処理についても開示した。買収額は計734億円だっ たが、09年3月に「リーマンショックなどで外部環境が悪化した」と して約8割に当たる557億円を処理していた。

ウッドフォード氏はジャイラスなどの買収案件を問題視し、PwC に報告書作成を依頼。11日付で作成されたPwC報告書は、当時のオ リンパスのリスク管理や手続きの在り方が、金融・検察当局の調査を招 く可能性がある、と指摘していた。

19日のオリンパス発表文は、ウッドフォード氏が過去の買収案件 について外部に調査を依頼したほか、菊川剛会長ら一部経営陣に辞任を 要求するなど「さまざまな独断的な行為」があったと批判。「必要に応 じて法的措置も検討したい」としている。

投資判断の一時停止も

14日の解任以来、オリンパス株式は国内上場株で売買代金トップ を続けている。19日の売買額も721億円と、球団買収交渉を認めた2 位ディー・エヌ・エー(DeNA)の3.9倍。株価も4営業日連続の下 げで、前日比6.6%安まで売られた。終値は同2.0%安の1389円と、解 任発表前の13日終値比では44%の下落だ。

混迷ぶりを背景に、JPモルガン証券は18日付でオリンパス株の 投資判断を中断、ゴールドマン・サックス(GS)証券も19日付で中 止した。シティグループ証券も「見直し中」としている。GS証は同日 付リポートで「過去の買収案件やそれに関わる会計処理の正当性が一段 と不透明になりつつある」などと、中断の理由を説明している。

取材協力:安真理子、沢和世、山口祐輝