ユーロが上昇、EFSF拡大など欧州絡みのニュースに一喜一憂

東京外国為替市場ではユーロが上 昇。スペインの格下げなどを手掛かりに売り先行で始まったが、欧州 債務危機の封じ込め対策への期待もくすぶるなか、午後にかけてはユ ーロを買う動きが強まった。

ユーロは対ドルで一時、1ユーロ=1.3841ドルまで上昇。朝方に は1.38ドル前半から反落した海外市場の流れを引き継ぎ、1.3725ド ルまで値を切り下げていた。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券クレジット市場部外貨商品 課長の塩入稔氏は、ユーロの上昇について「特に材料は出ていないと 思う。この数日間、ユーロはヘッドラインで一喜一憂しているだけで、 引き続きフロー主導の部分とヘッドラインに振らされている部分で動 いているようにしか見えない」と話した。

ユーロは対円でも朝方に1ユーロ=105円33銭を付けた後、一時 106円23銭まで上昇。また、午後には対スイス・フランでユーロが急 伸し、1週間ぶり高値を付ける場面が見られた。

一方、ドル・円相場は1ドル=76円後半でもみ合った。朝方には 国内輸出企業などの円買いに一時、76円66銭を付ける場面も見られ たが、その動きも続かず、結局日中の値幅は20銭にとどまった。

欧州救済基金

ドイツのショイブレ財務相は、救済基金、欧州金融安定ファシリ ティー(EFSF)の融資能力は保証モデルを通じて最大1兆ユーロ に拡大することが可能だとの見解を示した。フィナンシャル・タイム ズ・ドイツ版(FTD)が情報源を示さずに報じた。

前日の海外市場では、フランスとドイツがEFSFの規模を2兆 ユーロに拡大することで合意したとの英紙ガーディアンの報道を受け、 ユーロが反発。対ドルでは一時、1.3818ドルまで上昇し、対円では106 円21銭まで値を切り上げていた。

その後、基金拡大合意を否定する報道が伝わると、ユーロは反落。 米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがスペインの 格付けを「A1」に2段階引き下げたことも嫌気され、19日の東京市 場にかけてはユーロ売りが先行していた。

塩入氏は「いろいろなニュースがあり、EFSF拡充の話がまた にわかに出てきているが、何が本当でなにがガセなのかというところ は正直分からない。23日のEU(欧州連合)首脳会合も何か出てくる のか分からないし、ユーロは一回下をやるだけやって、予想以上に大 きく戻した後、手掛かりがなくなりふらふらしている感じに見える」 と語った。

ユーロ圏の財務相らはブリュッセルで、現地時間10月21日の午 後2時から、債務危機に関する会合を持つ。EUが明らかにした。E U加盟27カ国財務相の会合は22日の午前9時に開始される。

これらの会合は23日のEU首脳会議に先立って行われる。ドイツ のメルケル首相は18日、EU首脳会議が「重要な一歩」となるものの、 ユーロ圏のソブリン債危機を解決する最後のステップにはならないと 述べた。

円高対策

日本政府は21日に閣議決定する円高対策の最終案に、円相場が大 幅に上昇する局面では「あらゆる措置を排除しない」と明記し、円売 り・ドル買いの市場介入に踏み切る考えを示唆したと19日付の日本経 済新聞朝刊が報じた。政府と日銀の専門組織「景気対応検討チーム」 の設置や欧州の金融安全網であるEFSFが発行する債券の追加購入 を実施することを盛り込んだという。情報源は明示していない。

前日の海外市場では、円高対策への警戒感から円が対ドルで一時、 76円91銭まで下落する場面が見られた。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部ディレクターの斎藤裕司氏 は、政府による円高対策の内容が報じられたが、「円高レベルの是正に つながるようなものがない」と指摘。この日の東京市場では「輸出企 業から失望売り(ドル売り・円買い)が出ているようだ」とし、今後、 海外勢からも売りが出てくる可能性があると話していた。

一方、日本銀行は19日午前、韓国銀行(中央銀行)との間で、円 とウォンのスワップ取り決めの引出限度額を現行の30億米ドル相当 の円またはウォンから、300億米ドル相当の円またはウォンに増額す ることで合意したと発表した。これに合わせて、財務省は外国為替資 金特別会計と韓国銀行間でドル・円またはドル・ウォンの300億ドル の通貨スワップを1年間の限定措置として新たに締結すると発表した。

日韓での通貨融通枠拡大の発表後、韓国ウォンは急伸。対ドルで 一時、1カ月ぶり高値を付けた。

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