スペイン国債「A1」に格下げ、成長見通し悪化などで-ムーディーズ

スペイン国債は、米格付け会社 ムーディーズ・インベスターズ・サービスによって2010年6月以来 3度目の格下げ措置を受けた。欧州債務危機がスペインをのみ込む恐 れがある。

ムーディーズは18日、スペイン国債の格付けを従来の「Aa2」 から投資適格級の上から5番目の「A1」に2段階引き下げたと発表 した。見通しは「ネガティブ(弱含み)」に据え置いた。米格付け会 社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は14日にスペイン格 付けを引き下げ、投資適格級の上から4番目にしている。これに先立 ち7日にはフィッチ・レーティングスもスペイン格付けを同水準に引 き下げた。フィッチは同日、イタリアも格下げしている。

ムーディーズは発表資料で格下げの理由として、成長見通しの悪 化のほか、スペインが市場のストレスに引き続き脆弱(ぜいじゃく) であることを挙げた。また、「ユーロ圏危機が一段と深刻化する可能 性に伴う下振れリスクを反映させるため、ムーディーズはスペイン格 付けの見通しを引き続き『ネガティブ』としている」と説明した。ユ ーロは日本時間19日午前7時時点でドルに対して0.1%安の1ユー ロ=1.3738ドル。

基本的な脆弱さ著しい

ムーディーズは「ユーロ圏レベルでの政策行動によって短期的に 域内の銀行とソブリン債市場がある程度常態を取り戻したとしても、 基本的な脆弱さと信頼の喪失は著しく、今後も変わらない公算が大き い」と分析した。

米ブルッキングズ研究所のドメニコ・ロンバルディ上級研究員は 「欧州が危機対応の包括的枠組みを打ち出すことが肝要だ」と指摘。 それができない場合はさらなる格下げと借り入れコスト上昇の悪循環 に陥り、「本格的な財政・金融危機を引き起こすだろう」と述べた。

ムーディーズはスペインについて、11月の総選挙後に発足する 政権が財政赤字削減で追加措置を公約しない場合はさらなる格下げ圧 力に直面するだろうとしながらも、「逆に、説得力のある欧州危機収 拾策が打ち出され、信頼のおける断固たる中期財政・構造改革計画が 実行されれば、格付け見通しが『ステーブル(安定的)』に戻るきっ かけになるだろう」と説明した。

ムーディーズは、スペインの12年成長見通しを従来の1.8%か ら1%に引き下げ、「リスクは主として下振れ方向」だと述べた。成 長が鈍化した場合、特に地方政府は目標を達成できない公算が大きく、 財政赤字削減は一段と難しくなると指摘した。