10月18日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロ上昇-首脳会議を前に危機緩和への期待広がる

ニューヨーク外国為替市場ではユーロがドルに対して上昇。23日 の欧州連合(EU)首脳会議で、各国がソブリン債危機の緩和に向け た措置で合意するとの観測が広がった。

英紙ガーディアンは、ドイツとフランスが欧州救済基金の規模を 2兆ユーロに拡大することで合意したと報道。これを受けユーロは下 げを埋めた。メルケル独首相の報道官はこの報道に対するコメントを 控えた。米ドルは豪ドルやカナダ・ドルに対して下落。株式相場や商 品価格の上昇を受け、安全な資産としての米ドルの需要が弱まった。

テンパス・コンサルティングの資本市場担当シニアバイスプレジ デント、グレッグ・サルバッジオ氏(ワシントン在勤)は「2兆ユー ロの救済基金に向けてフランスとドイツが協力している兆しが見られ れば、株式にもユーロにも強材料であることは確かだ」と指摘。「欧 州は一致協力できていなかったが、今になり実質的に一致協力しつつ あるようだ」と続けた。

ニューヨーク時間午後4時18分現在、ユーロはドルに対し前日 比0.2%高の1ユーロ=1.3758ドル。一時は0.6%高まで上げた。 対円では0.2%上げて105円74銭。円は対ドルでほぼ変わらずの 1ドル=76円86銭。一時は0.3%高まで上昇した。

日本政府が21日に閣議決定する円高対策の最終案がわかったと、 日本経済新聞電子版が報じたことをきっかけに、円は対ドルで上げを 消した。空洞化対策について数値目標を設け、政府と日銀による専門 組織で進ちょくを管理する枠組みを導入するという。

豪ドルが上昇

米ドルは豪ドルに対して1.2%安の1豪ドル=1.0279米ドル。 カナダ・ドルに対しては1%安の1米ドル=1.0136カナダ・ドル。

米株式市場では、S&P500種株価指数が2%高。一時は

0.8%安まで下げる場面もあった。商品24銘柄で構成するS&Pの GSCIトータルリターン指数は0.6%上昇。原油相場の上昇が手掛 かりとなった。

ガーディアンは、23日のEU首脳会議を前にドイツとフランス が欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の規模を現行の4400億 ユーロから拡大させることで合意したと報じた。この報道を材料にユ ーロはドルに対して値上がりした。

欧州の動向次第

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは17日、 フランスの「AAA(トリプルA)」格付けについて、欧州債務危機 に伴う追加的な負担の可能性や債務指標の悪化からの圧力にさらされ ているとの見解を明らかにした。これに反応し、ユーロは一時値下が りする場面があった。

メルケル独首相はこの日、23日の欧州連合(EU)首脳会議が 「重要な一歩」となるものの、ユーロ圏のソブリン債危機を解決する 最後のステップにはならないと述べた。

先物ブローカー、MFグローバル・ホールディングスのアナリス ト、ジェシカ・ホバーセン氏(ニューヨーク在勤)は「すべては欧州 の動向次第といった感じだ」とし、「市場には不透明感や懸念が広が っている」と続けた。

◎米国株:上昇、S&P500種は8月以来の高水準-BOA高い

米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は8月以来の高水準に 上げた。バンク・オブ・アメリカ(BOA)が金融株の上げを主導し たほか、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の規模拡大をめぐ って楽観が広がったのが手掛かり。

BOAは10%高。同行の7-9月(第3四半期)決算は純損 益が黒字に回復した。信用の質改善が寄与した。S&Pの住宅建設銘 柄で構成する指数は9.6%高と、2009年3月以来で最大の上げだっ た。米住宅建設業者の景況感を示す指数が予想以上に伸びたのが好感 された。建機大手のキャタピラーやアルミ生産のアルコアを中心に景 気敏感株が上げた。

S&P500種株価指数は前日比2%高の1225.38。ダウ工業 株30種平均は180.05ドル(1.6%)高の11577.05ドル。

レイモンド・ジェームズ・アソシエーツのチーフ投資ストラテ ジスト、ジェフリー・ソー氏は電話インタビュー「買いが殺到する局 面に突入しつつあるのかもしれない」と述べた。「最悪な時期は過ぎ 去ったようだ。住宅部門はリセッション(景気後退)に陥る要素には ならないだろう。企業業績はまだ堅調のようだ。欧州からも何か発表 されるはずだ」と続けた。

企業業績への楽観

S&P500種は今月、弱気相場入り直前のところで回避した。 企業利益や欧州指導者の金融支援措置への楽観が背景にある。

景気敏感株で構成されるモルガン・スタンレー・シクリカル指 数は3.3%上昇。ダウ輸送株平均は3.1%高。アルコアは5.9%上 昇、キャタピラーは3.9%値上がりした。住宅建設のパルトグルー プは11%の大幅高だった。

KBW銀行指数は6.1%上昇。構成する24銘柄はいずれも上 昇した。前日の同指数は3.9%低下だった。

BOAの7-9月期の貸倒引当金は34億ドル。前年同期(54 億ドル)から減少した。カード部門や商業融資での信用の質改善が 背景にあるとBOAは説明している。

カストディー(証券管理)銀行、ステート・ストリートも高い。 同行の7-9月決算は11%の増益と、市場予想を上回った。

ゴールドマン

ゴールドマン・サックス・グループは7-9月期決算が過去12 年間で2度目となる赤字だったが、株価は5.5%高。投資資産の価値 目減りに加え、トレーディング、資産運用、証券引き受けからの収入 が減少した。

JPモルガン・ファンズのチーフ市場ストラテジスト、デービ ッド・ケリー氏は「今は弱気な見方を後退させる時期だ」と述べた。 「投資家は将来に前向きになり、景気は何とか切り抜けると認識で きるはずだ」と続けた。

◎米国債:反落、欧州が危機収束策で進展との観測-英紙報道で

米国債相場は反落。30年債利回りが上昇した。欧州首脳陣が債務 危機の波及阻止へ向けた対策で合意に達するとの観測が広がり、安全 資産の需要が弱まった。

フランスとドイツが欧州救済基金の規模を2兆ユーロに拡大する ことで合意したとの英紙ガーディアンの報道を受け、米国債相場は上 げを失った。メルケル独首相の首席報道官はこの報道についてコメン トを控えた。利回りは朝方、一週間ぶり低水準を付けていた。米格付 け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが前日、欧州危機に よる債務拡大でフランスの「AAA(トリプルA)」格付けが圧力に さらされているとの見解を発表したことが手掛かり。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレ ーディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は、「欧州を めぐって様々な話が飛び交っている」とし、「米国経済のニュースは 改善しているが、引き続き欧州が関心の的となるだろう」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後4時48分現在、30年債利回りは前日比4ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上げて3.17%。一時3.05%まで下げる 場面も見られた。同年債(表面利率3.75%、2041年8月償還)価 格は27/32下げて111 2/32。

「集中討議」

域内の債務危機の解決へ向けた政策の実施を目指し、23日には ブリュッセルで欧州連合(EU)首脳会議が開催される。メルケル独 首相は18日、次回の欧州連合(EU)首脳会議が「重要な一歩」と なるものの、ユーロ圏のソブリン債危機を解決する最後のステップに はならないと述べた。

ドイツのザイベルト首席報道官は18日、フランスとドイツが欧 州金融安定ファシリティー(EFSF)の規模拡大について「集中討 議」していると述べた。同基金の規模拡大について合意したとの英紙 ガーディアンの報道については発言を控え、交渉の中間結果について はコメントしない方針だと述べた。

米財務省がこの日発表した8月の対米証券投資統計によると、外 国の政府と投資家の米国債保有率は前月比2%増加し、4兆5700億 ドルと過去最高に達した。年初から8カ月間で、外国人投資家の米国 債保有高は3.1%増加した。

海外で最大の米国債保有国である中国は、米国債の保有高を 365億ドル減少させた。中長期債の保有高は3.5%減少の1兆1230 億ドルとなった一方、短期債は140億ドルに増加した。

海外2位の米国債保有国である日本は、保有高を2.4%増加さ せ過去最高の9366億ドルとした。

PPI上昇

米国債は午前にも上げを失う場面があった。米労働省が発表した 9月の生産者物価指数(PPI)全完成品は前月比0.8%上昇と、 5カ月ぶりの高い伸びを示したことが背景。前月は横ばいだった。市 場予想は前月比0.2%上昇だった。

消費者物価の予測値を示す2年債と同年限インフレ連動債(TI PS)の利回り格差(ブレークイーブンレート)は1.35ポイントに 縮小した。年初来の最高は4月に付けた2.70%。

◎NY金先物:続落、2週間ぶり大幅安-ドル上昇で代替需要が後退

ニューヨーク金先物相場は続落。2週間ぶりの大幅安となった。 ドルの上昇で代替資産としての金の需要が後退した。

ドルは主要6通貨のバスケットに対してこの日は一時0.5%高。 格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがフランスの最 上級格付けは圧力にさらされているとの見解を示したことで、欧州の 首脳にとって域内債務危機の解決は困難なものになるとの懸念が広が ったことが背景。中国の7-9月(第3四半期)の国内総生産(GD P)は2009年以来の低い伸びに鈍化した。ドルは先月6%上昇した 一方、金は11%値下がりした。

TEAMファイナンシャル・マネジメント(ペンシルベニア州ハ リソン)のジェームズ・デーリー氏は電話インタビューで、「ドルの 上昇で金が押し下げられている」と指摘。「世界的な景気不安が市場 にのしかかっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比1.4%安の1オンス=1652.80ドルで終了。中心 限月としては4日以来の大幅安となった。

◎NY原油:反発、1カ月ぶり高値-BOA決算受けた株高で

ニューヨーク原油先物相場は反発。約1カ月ぶりの高値となった。 米銀バンク・オブ・アメリカ(BOA)の決算を好感して米国株が上 昇したことから、経済成長が安定化するとの期待が高まった。

S&P500種株価指数は一時下げていたものの反転。BOAの 7-9月(第3四半期)決算は純損益が黒字に回復した。これより先、 中国経済の成長率が2年ぶりの低い伸びとなったことが示されると 原油は1%下落する場面もあった。

エナジー・セキュリティー・アナリシス(マサチューセッツ州ウ ェークフィールド)のシニアアナリスト、クリス・バーバー氏は、 「原油と株式の相関関係は今年の上期以降著しく高まった」と指摘。 「トレーダーはリスク選好およびリスク回避の戦略を実行している。 良いニュースがある時はリスク志向が強まり、原油や株が上昇する」 と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物11月限は前 日比1.96ドル(2.27%)高の1バレル=86.34ドルで終了。終 値では先月15日以来の高値となった。一時は85.55ドルまで値下 がりしていた。

◎欧州株:続落、仏格付けに圧力で債務危機懸念が再燃-BHP安い

18日の欧州株式相場は続落。フランスの格付けをめぐる懸念が 欧州に対する危機解決への圧力をさらに強めたほか、中国の経済成長 減速も売り材料となった。

資源大手の英豪系BHPビリトンとリオ・ティント・グループを 中心に鉱山株が下落。金属相場の値下がりが背景。仏銀BNPパリバ とソシエテ・ジェネラルも下げた。米格付け会社ムーディーズ・イン ベスターズ・サービスは、フランスの「AAA」格付けに圧力がかか っていると指摘した。仏ダノンは上昇。ミネラルウオーターの「エビ アン」や「ボルヴィック」などのブランドを保有するダノンがサント リーホールディングスへのウオーター事業売却で交渉していると、事 情に詳しい関係者3人が明らかにしたことが好感された。

ストックス欧州600指数は前日比0.4%安の235.33。独政 府の広報官が前日、ユーロ圏指導者は次回会合で域内債務危機への 即効薬を処方するわけではないとの見方を述べたことが嫌気され、 同指数は前日1%下落した。

アセナゴン(ミュンヘン)のチーフエコノミスト、マーティン・ ヒューフナー氏は、「危機はまだ終わっていない」と述べ、「過去数 週間でかなり大幅な上げが続いていたが、それは行き過ぎだった。そ れを裏付けるだけのファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)がな い」と続けた。

中国の7-9月(第3四半期)の国内総生産(GDP)は、前年 同期比9.1%と2009年以来の低い伸びだった。

BHPは0.8%安、リオ・ティントは4.3%値下がりした。ロ ンドン市場では銅が続落した。

BNPは3.6%安、ソシエテ・ジェネラルは5%下落した。

ダノンは2.2%上昇。同社の7-9月(第3四半期)決算は 売上高が予想を上回った。中国とインドネシアでベビーフードや医 療用栄養製品の販売が好調だった。

◎欧州債:独仏債利回り格差、1992年来最大-ムーディーズ見解で

18日の欧州債市場で、フランス10年債のドイツ10年債に対 する利回り上乗せ幅(スプレッド)が拡大し、過去約20年で最大と なった。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがフラ ンスの「AAA(トリプルA)」格付けについて、圧力がかかってい ると指摘したことが背景。

ギリシャやスペインなどの国債も軟調だった。ムーディーズは 17日、フランスの財務力は世界の金融危機によって悪化したと指摘 した。ユーロ圏2位の経済大国であるフランスは、救済基金の欧州金 融安定ファシリティー(EFSF)に保証を提供している。

中国の7-9月(第3四半期)成長率が2009年以来の低水準 となったほか、ドイツの10月の景況感が悪化したことを受けて、景 気回復が世界的に勢いを失いつつあるとの見方が強まった。

ラボバンク・ネーデルラントのシニア市場エコノミスト、エルビ ン・デフロート氏(ユトレヒト在勤)は、「EFSFが拡大されれば、 フランスやドイツなどトリプルA格付けの保証提供国の偶発債務が高 まる」とし、「市場の懸念がスプレッド拡大に表れている」と述べ た。

ロンドン時間午後4時51分現在、仏10年債利回りは前日比8 bp上昇の3.14%。同国債(表面利率3.25%、2021年10月償 還)価格は0.705下げ100.960。これに対し独10年債利回りは 8bp低下し2.01%。

両国債のスプレッドは一時、18bp拡大し114bpとなった。 ブルームバーグのデータによれば、これは1992年以降で最大。

ギリシャを中心に高債務国の国債が下落。ギリシャの2013年 8月償還債(表面利率4%)の利回りは161bp上昇し76.42%、 価格は38.61となった。スペイン2年債利回りは13bp上げ

3.88%、イタリア2年債利回りは7bp上昇の4.45%。アイルラ ンド2年債利回りは15bp上げて7.83%。

◎英国債:10年債続伸-高インフレ率でも金融政策への見方変わらず

18日の英国債市場では、10年債相場が続伸した。

9月のインフレ率が過去最高に並んだものの、イングランド銀行 (英中央銀行)が今月に再開を決定した資産買い取りプログラムを縮 小するとの見方につながらなかった。英政府統計局(ONS)がこの 日発表した9月の消費者物価指数は前年同月比5.2%上昇した。

バンク・オブ・ニューヨーク(BNY)メロンの主任為替ストラ テジスト、サイモン・デリック氏は「目先のインフレ率は上振れする だろうが、長期的にはデフレ要因が継続すると英中銀は考えているは ずだ」と述べ、「金融政策は当面の間、かなり緩和的な状態が続くだ ろう」と続けた。

10年債利回りは前日比11ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下の2.42%。同国債(表面利率3.75%、2021年9 月償還)価格は0.980上げ111.595。2年債利回りは2bp下げ

0.60%となった。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 小林 恭子 Kyoko Kobayashi +1-212-617-5230 kkobayashi39@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor:Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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