米国債:反落、欧州が危機収束策で進展との観測-英紙報道で

米国債相場は反落。30年債利 回りが上昇した。欧州首脳陣が債務危機の波及阻止へ向けた対策で合 意に達するとの観測が広がり、安全資産の需要が弱まった。

フランスとドイツが欧州救済基金の規模を2兆ユーロに拡大する ことで合意したとの英紙ガーディアンの報道を受け、米国債相場は上 げを失った。メルケル独首相の首席報道官はこの報道についてコメン トを控えた。利回りは朝方、一週間ぶり低水準を付けていた。米格付 け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが前日、欧州危機に よる債務拡大でフランスの「AAA(トリプルA)」格付けが圧力に さらされているとの見解を発表したことが手掛かり。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレ ーディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は、「欧州を めぐって様々な話が飛び交っている」とし、「米国経済のニュースは 改善しているが、引き続き欧州が関心の的となるだろう」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後4時48分現在、30年債利回りは前日比4ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上げて3.17%。一時3.05%まで下げる 場面も見られた。同年債(表面利率3.75%、2041年8月償還)価 格は27/32下げて111 2/32。

「集中討議」

域内の債務危機の解決へ向けた政策の実施を目指し、23日には ブリュッセルで欧州連合(EU)首脳会議が開催される。メルケル独 首相は18日、次回の欧州連合(EU)首脳会議が「重要な一歩」と なるものの、ユーロ圏のソブリン債危機を解決する最後のステップに はならないと述べた。

ドイツのザイベルト首席報道官は18日、フランスとドイツが欧 州金融安定ファシリティー(EFSF)の規模拡大について「集中討 議」していると述べた。同基金の規模拡大について合意したとの英紙 ガーディアンの報道については発言を控え、交渉の中間結果について はコメントしない方針だと述べた。

米財務省がこの日発表した8月の対米証券投資統計によると、外 国の政府と投資家の米国債保有率は前月比2%増加し、4兆5700億 ドルと過去最高に達した。年初から8カ月間で、外国人投資家の米国 債保有高は3.1%増加した。

海外で最大の米国債保有国である中国は、米国債の保有高を 365億ドル減少させた。中長期債の保有高は3.5%減少の1兆1230 億ドルとなった一方、短期債は140億ドルに増加した。

海外2位の米国債保有国である日本は、保有高を2.4%増加さ せ過去最高の9366億ドルとした。

PPI上昇

米国債は午前にも上げを失う場面があった。米労働省が発表した 9月の生産者物価指数(PPI)全完成品は前月比0.8%上昇と、 5カ月ぶりの高い伸びを示したことが背景。前月は横ばいだった。市 場予想は前月比0.2%上昇だった。

消費者物価の予測値を示す2年債と同年限インフレ連動債(TI PS)の利回り格差(ブレークイーブンレート)は1.35ポイントに 縮小した。年初来の最高は4月に付けた2.70%。