ドイツは偽善、メルケル首相はチャーチル英元首相から学べ-ダス氏

デリバティブ(金融派生商品) 専門家で、「トレーダー、デリバティブ、そして金」の著者、サティ アジット・ダス氏(54)に、欧州ソブリン債危機や同氏の新著「エク ストリーム・マネー」についてブリュッセルで聞いた。同氏は欧州議 会で危機について議員らに講義するために同地を訪れた。

同氏はギリシャ問題でのドイツの対応について語り、メルケル独 首相は英国のチャーチル元首相から学ぶことができると話した。また、 ベルギー・フランス系銀行、デクシアの救済についてもコメントした。

ダス氏:欧州銀行監督機構(EBA)は救済までの3カ月間、デ クシアが健全だと言ってきた。デクシアのレバレッジ問題への対処を 避ける姿勢には驚かされる。

ギリシャを救済するにしても銀行を救済するにしても、各国には 巨額の負担が生じる。ムーディーズ(・インベスターズ・サービス) はベルギーの信用格付けを引き下げ方向で見直しているが、フランス も遠からず後に続くだろう。

聞き手:ギリシャ救済は実はフランスの銀行とドイツの輸出を救 おうとするものなのですか?

ダス氏:最初からそうだった。ドイツの偽善は驚異的だ。ドイツ が周辺国経済に資金を出すのは輸出を増やすためだ。ドイツがユーロ を救いたがっていることは誰もが知っている。借り手は悪いことをし たが、貸し手も全く罪がないわけではない。

聞き手:欧州の政治家の対策は対症療法的と思いますか?

ダス氏:そういう危険がある。がんにかかっているようなものだ。 がんだと認めればあらゆる治療法の選択肢を模索することができる。 認めることを拒み続けて転移を許していては長期的にどうなるか診断 できない。

民主主義では正直さが必要だ。チャーチル元首相を考えると、私 はあまり好きではないが、戦争の初期に元首相を特徴付けていたのは 正直さだった。ほかに選択肢はないので戦うしかないと明言していた。

聞き手:ギリシャでデフォルト(債務不履行)が起きた場合はど うなりますか?

ダス氏:銀行システムが破綻するだろう。政府は海外から借り入 れることができなくなる。ギリシャはどんな緊縮策を取るにせよ3年 にわたって約20%のマイナス成長に見舞われるだろう。

欧州の他の諸国も逃れられない。貯蓄は銀行救済に消え、各国の 格付けには下押し圧力がかかる。低成長の悪循環に陥るだろう。これ はまだ最良のケースだ。

聞き手:日本の失われた10年と同じように聞こえますが。

ダス氏:振り返って考えると、日本は人々が考えているよりもう まくやったのかもしれない。(ジェームズ・プレスリー)

(プレスリー氏はブルームバーグ・ニュースの芸術・娯楽部門の ライターです。この記事の内容は同氏自身の見解で、インタビューか らの抜粋です。)