ロンドンのヘッジファンド街に邸宅再び出現-高級住宅ブームで改装へ

商業不動産としては世界で最も 賃貸料の高いロンドンのセントジェームズ・スクエアにあるオフィスビ ルが、寝室9つを擁する邸宅に改装される見通しだ。国外からの買い手 による需要が拡大し高級住宅価格が過去最高水準に達していることが背 景にある。

高級不動産ブローカー、英WAエリスのパートナー、リチャード・ バーバー氏によると、セントジェームズ・スクエア7番地のこの建物は 100年以上前に設計され、後にオフィスビルに改修された。今回の改装 後の販売価格は5000万ポンド(約61億円)を上回る可能性があると いう。建物を所有するグリーン・プロパティー(ダブリン)は、改装費 用として約1400万ポンドを投じる計画で、庭園やプール、温泉などの 設備を加える。

高級不動産が不足しているため、ウェストエンド地区など不動産価 格の高い地域で建物の改装が加速している。同地区にあるオフィスの大 半は、もともと住宅として利用されていた。英不動産ブローカーのナイ ト・フランクによると、ロンドン中心部の高級住宅の平均価格は9月に 過去最高の397万ポンドに達し、それまでのピークだった2008年3月 の水準を4.5%上回った。

英ヘンリービジネススクールのサイモン・スティーブンソン教授 (不動産・都市計画)は「このようなケースがかなり増えると思う」と 指摘。ただ、それは「100年前のようにウェストエンド全体が再び住宅 地域になる」ことを意味するわけではないとの見方を示した。

ロンドンのセントジェームズ地区と近隣のメイフェア地区は欧州で 最もヘッジファンドが集中する地域。セントジェームズ・スクエアは英 王室のアドバイザーだったヘンリー・ジャーミン氏がチャールズ2世か ら土地を供与され、1660年代に建設した。現在は162年の歴史を誇る 会員制クラブ、東インドクラブのほか、英石油会社BPや世界2位の鉱 山会社、英豪系リオ・ティントの本社などが立ち並んでいる。

ナイト・フランクのリチャード・カット氏によるとグリーン・プロ パティーが販売する邸宅は、インドや中東、旧ソ連の買い手を引き付け る可能性がある。英コンサルタント会社サビルスが先月発表した調査に よると、ロンドンの高級住宅地の不動産市場では買い手のうち金額ベー スで40%を国外の買い手が占め、これらの資産家が購入する住宅の面積 の平均は7850平方フィートとなっている。