ユーロ圏の危機対応にドイツが冷水、ECBは国債購入拡大に二の足

欧州が債務危機を克服するための 選択肢が狭まっている。今週末の首脳会議が危機打開の突破口になる との期待にドイツが水を差した上、欧州中央銀行(ECB)は国債購 入の拡大に二の足を踏んだためだ。

欧州株式相場とユーロは17日、上昇して始まった後に反落した。 ドイツ政府が23日の首脳会議について、債務危機収拾の決定打にな るという期待は「夢物語」だと一蹴したのを受け、相場は急落した。 フランス銀行(中央銀行)のノワイエ総裁は、イタリアなどの国を守 るための多面的戦略の一環として、ECBの国債購入プログラムを拡 大する可能性を排除した。

20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は欧州連合 (EU)の首脳に週末までに戦略を打ち出すよう迫ったものの、ギリ シャのデフォルト(債務不履行)回避と銀行支援、危機拡大の防止に 向けて浮上する計画をめぐり意見の溝が深まっている。

ハイ・フリークエンシー・エコノミクスの創業者でチーフエコノ ミストのカール・ワインバーグ氏はブルームバーグテレビジョンのイ ンタビューで「今は本当に苦境にある」と述べ、「エゴや国益、政治 的な考慮が多くあるため、解決策への到達が妨げられている」と指摘 した。

ECBは17日、先週の国債購入が22億ユーロ(約2300億円) だったと発表した。これは8月の市場支援プログラムの再開以降で最 低。ECBは国債購入プログラムからの出口戦略を模索すると同時に、 4400億ユーロの欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の機能拡 大のために中銀のバランスシートを利用することにも反対している。

「システミックな脅威」

米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは18日、 欧州の中央銀行にはユーロ圏の金融機関と国債市場を支える「かなり 大きな能力」があるものの、「システミックな脅威がさらに加速しな い限り」介入は引き続き限定的になる公算が大きいとの見解を示した。

週末にパリで開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議は、欧州 が打ち出しつつある危機対応計画を部分的に支持した上で、23日の 欧州首脳会議を期限に解決策の提示を求めた。

コメルツ銀行のシニア通貨ストラテジスト、ルッツ・カルポビッ ツ氏は17日付のリポートで、「EU当局者が週末までに解決策をど うやって提示することができるのか分からない。それは今の見通しと はかけ離れたものだろう」と述べた。

メルケル独首相のザイベルト首席報道官は、EU首脳らはブリュ ッセルでの首脳会議で世界の当局者が求めるような完全な解決策を打 ち出せないだろうと発言。危機解決策の模索が「来年に入っても続く ことは確実だ」と述べた。

同報道官によると、首脳会議の議題には欧州の銀行の資本増強を いかにして「協調した形」で進められるかと、EFSFを可能な限り 効果的に活用する方法が上っているほか、ギリシャ支援や経済・財政 政策の引き締めの在り方も議論されるという。

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