ラッカー総裁:FRBの成長押し上げ努力は物価上昇招く恐れ

米リッチモンド連銀のラッカー 総裁は17日、金融政策の影響を受けない諸要因によって景気回復が阻 害されているため、連邦準備制度理事会(FRB)が成長を押し上げ ようとすることでインフレを押し上げるリスクがあるとの見解を明ら かにした。

ラッカー総裁は同日、メリーランド州ソールズベリーで講演。事 前原稿によると、同総裁は空き家や今後の税率など成長を抑制する可 能性が強い諸要因について、非金融的事象であり、多くはFRBが金 融緩和策で相殺できる能力を超えたものだと指摘。「非金融的な成長阻 害要因を相殺するために中央銀行が追加の金融刺激策を講じようとす ればインフレ加速という結果を招くことを、歴史は繰り返し証明して いる」と述べた。

同総裁はまた、FRBが保有する短期の国債4000億ドル(約31 兆円)を売却して期間が長めの国債を同額購入し長期金利の押し下げ を目指す「オペレーション・ツイスト(ツイストオペ)」について、先 月の連邦公開市場委員会(FOMC)で反対したことを明らかにした。

同総裁は住宅ローン担保証券(MBS)の償還元本を政府機関発 行のMBSに再投資する決定も支持できなかったと述べ、中銀が一部 の経済セクターに信用を導こうとする試みは「全く不適切だ」と語っ た。

9月のFOMCではツイストオペに対して、ダラス連銀のフィッ シャー総裁、フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁、ミネアポリス 連銀のコチャラコタ総裁の3人が反対票を投じており、ラッカー総裁 も追加金融緩和に反対の勢力に同調した格好。同総裁は今年、FOM Cの議決権メンバーから外れている。

最も起こり得るシナリオ

同総裁は最も起こり得るシナリオとして、「成長率が今後2年は漸 進的に上向く展開」を予想した上で、「しかし、かなり控えめな成長が 続いたとしても私は驚かないだろう。現在の成長阻害要因に関しては あまりに不確実性が高いと考えているため、力強さに欠ける動きにな る可能性を排除しない」と付け加えた。

FOMCは9月21日の声明で、「インフレ率が数四半期かけてF OMCの2つの責務に一致していると委員会が考える水準、もしくは それを下回る水準に落ち着く」との認識を示した。

これに対し、ラッカー総裁はインフレが年率2%を下回る水準に 落ち着くとの見方に疑念を表明、「インフレ率が持続的に2%を大きく 下回るとは思えない。過去のリセッション(景気後退)からの経験か らは、インフレのリスクは上向きであることが示唆されている。この ため、現時点でインフレへの警戒を緩めるべきではないと思う」と語 った。

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