不動産倒産、12年は3年ぶり500件台に増加へ、小型中心-商工リサーチ

東京商工リサーチは2012年の不動 産会社の倒産件数が約500件に達し、09年以来の水準に増加するとの見 通しを示した。欧州債務問題などで国内景気の先行き懸念が高まる中、 借入金の返済猶予など政策の効果も薄れ、倒産は資金力の弱い中小業者 が中心になるとみている。

商工リサーチの友田信男取締役・情報本部長によると、11年は前年 並みか微増の450件程度の見込みで、12年予想の約500件は前年比で 10%増となる。09年は596件だった。商工リサーチのデータから算出し た1件当たりの平均負債額は08年が36億円、10年は13億円、11年(1 -10月)現在は6億円と倒産は小型になる傾向が強まっている。

また、中小企業金融円滑化法に基づく返済猶予を受けながらの倒産 が今夏以降急増し、1-9月は前年同期比3倍の108件、9月は月間最 多の24件に上ったという。

友田氏は自己資本に対する負債の割合(DEレシオ)が2倍以上の 会社は注意する必要があると指摘した。その上で、「財務内容が悪い企 業は早急にスポンサーを見付けるか財務体質を改善する必要がある」と 述べた。ブルームバーグ・データによると、上場不動産約150社のうち 同レシオ2倍以上の不動産会社は45社に上っている。

大手との二極化進む

一方、友田氏はブランド力や資金調達力のある大手との間で経営体 力の「二極化が進む」と予測した。クレディスイス証券の望月政広アナ リストによると、首都圏マンション発売では三井不動産、三菱地所など 大手7社のシェア2010年は51%と2000年以来最高になっている。

不動産会社の倒産はリーマンショックの影響が出た08-09年は年 間600件弱の高水準で推移。中でも08年は日本版不動産投資信託(J リート)初の破綻となったニューシティ・レジデンス投資法人の1124 億円を含め負債総額が100億円以上のケースが38件に上った。ただ、 10年には441件と倒産件数の増加に歯止めがかかっていた。