NY外為:ユーロが下落、危機の早急な解決ないとのドイツ見解で

ニューヨーク外国為替市場で はユーロが下落。欧州ソブリン債危機の解決には時間がかかるとの認 識をドイツが示したことが手掛かり。ユーロは先週、ドルに対し週間 ベースでは2年余りで最大の上げとなっていた。

ドルは主要貿易国の通貨に対し、1カ月ぶり安値から上昇。メル ケル独首相の首席報道官が、危機が即解決されるという「夢」が23 日の首脳会議でかなう可能性は低いとの政府見解を示したことで、逃 避需要が高まった。オーストラリア・ドルやカナダ・ドルなど世界の 経済成長と関連性の強い通貨は、米ドルに対して値下がり。株価や商 品相場の下落が材料視された。

BNPパリバの為替ストラテジスト、メアリー・ニコラ氏は「市 場の動きは欧州の動向を表している」とし、「カナダ・ドルや豪ドル といった高利回り通貨はリスク回避の環境では若干弱くなりがちだ。 行きつ戻りつの展開が続いている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時3分現在、ユーロは対ドルで前週末比 1%安の1ユーロ=1.3747ドル。一時1.3914ドルと、9月15日 以来の高値を付ける場面もあった。先週は3.8%上昇と、週間ベー スでは2009年3月以来の大幅高だった。ユーロは円に対してはこの 日1.5%値下がりし、1ユーロ=105円64銭。一時は107円68銭 と、9月9日以来の高値に上昇する場面があった。ドルは対円で

0.5%安の1ドル=76円84銭。

米株式市場ではS&P500種株価指数が1.9%安。また商品銘 柄で構成するトムソン・ロイター・ジェフリーズCRB指数は

0.8%下げた。これらを手掛かりに円はユーロとドルに対して上昇し た。

「バズーカ砲」

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの為替ストラテジスト、マー ク・マコーミック氏(ニューヨーク在勤)は「リスク回避の動きが若 干出ており、それが円を押し上げている」と分析。「結局のところは、 ドイツの全方位的な説得努力が重要になる。メルトダウンを回避でき る可能性がある一方で、欧州の金融問題をすべて改善するのに必要な、 大きなバズーカ砲はまだ手に入れられそうにない」と述べた。

カナダ・ドルは0.9%安の1米ドル=1.0194カナダ・ドル。カ ナダ最大の輸出品である原油の値下がりが響いた。

シティグループは、豪ドルが米ドルに対し抵抗線となる200日 移動平均を上回るのは難しいとみている。

豪ドルのテクニカル分析

豪ドルは今月に入り5.8%上昇。前月は9.8%下落していた。 この日は1.5%安の1豪ドル=1.0186米ドル。一時1.0372米ド ルまで上げ、200日移動平均の1.0382米ドルに近づいた。

シティの主任テクニカルアナリスト、トム・フィッツパトリック 氏は顧客向けリポートで、「当社の見方で1豪ドル=1.0400米ドル 近辺というのは、豪ドルの騰勢が衰え、下落に転じる水準だ」と説明 した。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は0.7%上昇し77.17。一時は76.44と、9月16日以来 の水準まで下げる場面もあった。

メルケル独首相のザイベルト首席報道官はこの日、首相が「この パッケージによって何もかもが解決し、月曜には全てが完了している という夢物語がまたしても根を張りつつあるが、その夢の実現は不可 能だ」との見解を明白にしたと述べた。