米国債:上昇、10年債利回り下落-欧州危機の長期化観測で

米国債相場は上昇。一時は7 週間ぶり高水準にあった10年債利回りは押し下げられた。欧州のソ ブリン債危機が長引くとの懸念から、最も安全とされる資産の需要が 高まった。

米30年債は反発。ドイツ政府のザイベルト首席報道官が、欧州 連合(EU)が23日の首脳会議でユーロ圏債務危機を一気に収束さ せる「夢」は実現しないとの政府見解を明らかにしたことが背景。ニ ューヨーク連銀がこの日発表した製造業景況指数が予想以上に縮小し たことも、安全資産を求める動きを後押しした。

ミラー・タバク・ロバーツ・セキュリティーズの債券ストラテ ジスト、エイドリアン・ミラー氏は、「欧州で本当に具体的な計画が 打ちたてられるまで、市場は今後も相当な分裂状態となるだろう」と し、「欧州懸念に根差すネガティブ・リスクが全てを左右し、米国債 相場を押し上げている」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後3時42分現在、10年債利回りは前営業日比9ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)下げて2.16%。一時2.29%と、8 月29日以来の水準まで上昇する場面もあった。同年債(表面利率

2.125%、2021年8月償還)価格は3/4上げて99 22/32。

30年債利回りは10bp下げて3.14%。一時3.29%まで上昇し、 9月16日以来の高水準を付けた。

「凌いでいく」

ニューヨーク連銀が17日発表した10月の同地区の製造業景況 指数はマイナス8.5だった。前月はマイナス8.8。ブルームバーグ・ ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値はマイナス4だった。 同指数はゼロが景況の拡大と縮小の境目となり、これで5カ月連続水 面下に沈んだ。

米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した9月の鉱工業生産指 数は前月比0.2%上昇し、ブルームバーグがまとめたエコノミストの 予想中央値と一致した。

ジェフリーズ・グループの政府債エコノミスト、トーマス・サイ モンズ氏は「ここ2週間の統計は、米景気はリセッション(景気後退) へ向かっていないと感じさせるものだったが、数字は非常に底堅いと いうわけではないことも明らかだ。従って何とか凌いでいく状態が続 くだろう」と述べた。

G20週末会合

週末の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、 欧州が打ち出しつつあるソブリン債危機への対策を部分的に各国が支 持した。これを受けて米国債相場は一時、軟調に推移していた。ギリ シャのデフォルト(債務不履行)を回避し銀行の資本を強化、危機拡 大を阻止する方法が模索されている。G20は23日の欧州首脳会議を 期限に解決策の提示を求めた。

メルケル独首相は「このパッケージによって何もかもが解決し、 月曜には全てが完了しているという夢物語がまたしても根を張り つつあるが、その夢の実現は不可能だ」との見解を明白にしたと、 同首相のザイベルト首席報道官が17日、ベルリンでの記者会見で 述べた。危機解決策の模索が「来年に入っても続くことは確実だ」 と付け加えた。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロ ス氏(ニューヨーク在勤)は「市場は、欧州が計画を実行できると証 明するよう強いるだろう」と述べた。

米財務省はこの日、オペレーション・ツイストと呼ばれる借り入 れコストの引き下げ策の一環として、13億7000万ドル(約1052億 円)のインフレ連動債(TIPS)の入札を実施した。この日落札さ れたTIPSの償還期限は2013年7月から14年7月。

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