米国の対中制裁法案、成立の可能性の有無よりもメッセージに意義か

米上院の対中制裁法案の可決は、 議会で行われる一種の儀式のようなものであり、そこに含まれるメッ セージは制裁そのものと同じくらい重要なようだ。

上院は先週、米製造業者が人民元相場の操作によって被害を受け たと自ら証明した場合、中国からの輸入製品に対し関税措置を求める ことを認める法案を賛成63、反対35で可決した。ただ、共和党が過 半数を握る下院のジョン・ベイナー議長(オハイオ州)は、同法案が 貿易戦争の引き金になる恐れがあるとして「深刻な懸念」を表明。成 立する見込みがないことを事実上宣言した。

同法案を支持する議員らは、これが法制化されるかどうかにかか わらず、中国側にメッセージを送っていると主張する。国内政治の観 点からすれば、賛成票を投じることが得点につながる可能性もある。

「公平な貿易を守るものだ」として同法案を共同提案したジェフ・ セッションズ上院議員(共和、アラバマ州)は、「議員の多くがこの法 案を政治的に良いことだと判断している」と指摘。ただ、人民元の評 価をめぐり中国に制裁を科すことが「良い政策だとは思っていない」 と語った。