ユーロが1カ月ぶり高値から反落、EUサミット警戒-ドル円77円前半

東京外国為替市場では、ユーロが ドルと円に対して約1カ月ぶりの高値から反落した。20カ国(G20) 財務相・中央銀行総裁会議の声明を受けて、危機回避に向けた包括的 な対策への期待先行でユーロ買いが進んだものの、今週末には対策を めぐる詰めの協議が行われる欧州連合(EU)首脳会議(サミット) を控えて一段の買いには慎重な姿勢が強まった。

ユーロ・円相場は一時1ユーロ=106円71銭まで下落したあと、 107円台を回復したものの、上値は限定され、午後にかけて106円台 で推移。午後3時58分現在は107円04銭付近で取引されている。前 週末の海外市場では一時107円45銭と、9月9日以来のユーロ高値を 付けていた。

前週末の海外市場で1ユーロ=1.3894ドルと、9月16日以来の ユーロ高値を付けていたユーロ・ドル相場は、東京市場では午後の取 引で一時1.3827ドルまで水準を切り下げている。

野村証券金融市場調査部の池田雄之輔チーフ為替ストラテジスト は、欧州の債務問題に対応した包括的計画に関して、ギリシャ向け第 2次支援に向けたヘアカット(債務減免)比率の修正など、「一つも簡 単な課題はない」と指摘。週末のEUサミットまでに期待通りのもの が出てくる可能性はかなり低いとし、市場に「ユーロの問題は根深い」 との見方が戻るとみて、週内はユーロが売られやすい展開を見込んで いる。

一方、ドル・円相場は1ドル=77円台前半を中心に推移。早朝の 取引で76円94銭まで円が値を戻す場面も見られたが、日中は77円台 前半を維持した。前週末の海外市場では、日本政府が新たな円高対策 を発表するとの一部報道を受けて円売りが優勢となり、一時77円45 銭と、2営業日ぶりの水準までドル高・円安が進んでいた。

欧州サミット警戒

パリで開かれていたG20会合は15日に閉幕し、声明でユーロ圏 に対して4400億ユーロの欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の 能力を最大限に引き上げ、債務危機の波及を阻止するよう求めた上で、 23日に開かれるEUサミットまでに計画を打ち出すよう期限を設定 した。

みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは、G20声明では、危 機回避に向けてEUサミットに期待をつなぐことができたと説明。た だ、ユーロ圏の参加国がそれぞれの利害を持ちながら、お互いのため に歩み寄る必要がある状況に変化はなく、1週間という短い期間で調 整が可能かと言う点には疑問も残ると言い、「失望のリスクをため込ん でいる」面があると指摘している。

週末のEUサミットが域内債務問題のヤマ場となる中、欧州当局 者はギリシャ債の評価額最大50%引き下げと銀行支援策、中央銀行に よる国債購入の継続を債務危機打開へ向けた修正戦略の柱として検討 しているという。協議に詳しい関係者が明らかにした。

ドイツのショイブレ財務相は、同国とフランスは同じ立場にあり、 「共通通貨を防衛するために共に取り組んでいる」と述べた。フラン スのサルコジ大統領およびバロワン財務相との昼食会の後に語った。 ショイブレ財務相は銀行に高い資本基準を求める必要があるとの意見 で両国は一致したと話した。

ロイター通信が独誌ウィルトシャフツウォッヘに掲載されたイン タビューを基に伝えたところによると、ドイツ銀行連盟(BDB)の シュミッツ会長は、ギリシャが支払い不能の状態にあることを最終的 に認めるようユーロ圏の政策担当者らに求めた。また、保有する国債 に対する資本バッファーの確保を金融機関に義務付けるルールの設定 も強く要求した。

米国材料に焦点移行へ

一方、米国では前週末に発表された9月の小売売上高が前月比で

1.1%増と、2月以来の大幅な伸びとなり、株価が反発。株価の予想変 動率の指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティ リティ指数(VIX指数)は28.24と、8月3日以来の水準に急低下 している。

小売売上高の好調を背景とした米株上昇の流れを引き継いで、週 明けの東京市場では日経平均株価が前週末比131円64銭(1.5%)高 で取引を終了した。

上田ハーローのシニアアナリスト、山内俊哉氏は、欧州関連の材 料はG20でいったん「出尽くした感じ」がするとして、今週は「少し 軸が米国に移る」可能性があると指摘。前週末には米小売売上高が予 想を上回り、リスク回避の緩和につながったが、今週も米指標や企業 決算を受けた株価動向が焦点になるとみている。

今週は米国で物価指標のほか、住宅関連指標などの経済指標が発 表される。また、18日には米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナ ンキ議長の講演が予定されている。

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