日本株は輸出中心反発、欧州進展と米統計好感-オリンパス波乱続く

東京株式相場は反発。欧州債務問 題解決への取り組みが前進するとの期待が広がったほか、米小売り統 計の堅調さを受け、海外景気の先行き懸念が後退した。電機や輸送用 機器など輸出関連株が高く、原油など商品市況高を受け商社、鉱業な ど資源関連株も上昇。不動産、証券株の上げも目立った。

TOPIXの終値は前週末比13.07ポイント(1.8%)高の761.88、 日経平均株価は同131円64銭(1.5%)高の8879円60銭と9月2日 以来、約1カ月半ぶりの高値で、一時8900円台に乗せる場面もあった。

一方、英国人前社長の突然の解任を受け、アナリストらから投資 判断の引き下げが相次いだオリンパスが大幅続落するなど、波乱展開 が持続。この影響で精密機器株は安く、相場全般の重しとなった。ま た取引終盤は、政府の10月の月例経済報告の中で経済情勢判断が半年 ぶりに引き下げられたことも、指数の伸び悩みにつながった。

大和住銀投信投資顧問株式運用部の岩間星二ファンド・マネジャ ーは、「欧州が銀行の資本増強に向け、本腰を入れて取り組み始めたと いう印象が広がり、買い安心感につながっている」と指摘。ただ、欧 州金融安定化基金(EFSF)の規模拡大やギリシャ国債の債務減免 などがスムーズに決まらなければ、「マーケットに失望感が広がろう」 と話していた。

15日に閉幕したG20財務相・中央銀行総裁会議では、欧州が見直 したソブリン債危機への取り組みに対し、米国など各国の支持が寄せ られた。当局者らは、23日に開かれる欧州連合(EU)首脳会議での 断固たる対応を要求。4400億ユーロのEFSFの能力を最大限に引き 上げ、債務危機の波及を阻止するよう求めた。

またG20は、世界経済にとってシステム上重要で、資本増強の必 要な銀行を最大50行指定する方向で検討している、とG20参加国の 当局者2人が明らかにした。金融安定化理事会(FSB)のドラギ議 長によって作成されるこれら銀行のリストは、11月3-4日の仏カン ヌでのG20首脳会議に間に合うよう、公表される見通しという。

米小売統計は2月来伸び、リスク回避和らぐ

一方、米商務省が14日発表した9月の小売売上高(速報値)は前 月比1.1%増と、2月以来の大幅な伸びを示した。ブルームバーグ・ ニ ュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.7%増だった。大和 住銀の岩間氏は、「米経済に対する懸念が後退し、思ったより悪くない という認識が広がりつつある」と言う。

欧州、米国景気の後退懸念を和らげる材料が相次ぎ、投資家のリ スク回避姿勢が後退する中、米国株オプション取引の指標で、投資家 の不安心理を示すシカゴ・ボラティリティ・インデックス(VIX) は14日、28.24と8月3日以来、2カ月半ぶりに30を割り込んだ。

為替市場では円が対ユーロ、対ドルで前週末に比べ円安方向での 動きとなり、東証1部33業種では電機や輸送用機器、機械など輸出関 連株が上昇。原油など商品市況の上昇を好感し、三菱商事など大手商 社株、国際石油開発帝石など鉱業株も高い。ニューヨーク原油先物相 場は14日、3.1%高の1バレル=86.80ドルと9月20日以来の高値ま で上昇していた。

このほか、銅市況の上昇も支援した非鉄金属、ガラス・土石製品 など素材関連株も上昇。10月以降は首都圏のマンションの発売戸数が 増加してくる可能性が高く、住宅ローン金利の低さから需要環境も堅 調と野村証券が指摘した不動産株も買われた。

オリンパスはストップ安場面、代金はことし最低

一方、先週末にマイケル・ウッドフォード前社長を解任したオリ ンパスが大幅続落し、一時制限値幅いっぱいのストップ安を付けた。 売買代金は、2位のトヨタ自動車の約6倍に当たる875億円で断然ト ップ。会社側の説明責任の不十分さや経営者交代によるコストカット 力の後退懸念などがアナリストから指摘され、ゴールドマン・サック ス証券やドイツ証券、野村証券などが相次いで投資判断を「買い」か ら「中立」に引き下げた。

またオリンパスについては、前社長の要請で、2008年の英医療機 器会社ジャイラス買収で支払った顧問料に関し十分な調査を進めるべ きだとする報告書を、外部の監査事務所がまとめていたことが明らか になっている。そのほか、株式売り出しによる需給悪化懸念で明光ネ ットワークジャパン、業績下方修正のツガミが下落率上位に入った。

東証1部の売買高は概算で14億5314万株。米国時間きょうから、 米主要企業の決算発表が本格化することなどから売買代金は8917億 円と年初来最低を記録。値上がり銘柄数が1368、値下がりは211。東 証1部の売買代金上位ではファナック、JT、三井住友フィナンシャ ルグループ、ソフトバンク、コマツ、ホンダが上昇。これに対しオリ ンパスのほか、セブン&アイ・ホールディングス、太平洋セメント、 住生活グループなどが安い。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前週末比0.9%安の48.69 と続落、東証マザーズ指数が同1.1%高の412.15と反発した。