債券下落,欧州懸念後退し株高-入札控え5年債利回り2カ月半ぶり水準

債券相場は下落。前週末の米国 市場で、経済指標の改善に加え、欧州債務懸念が若干後退したことを受 けて、株高・債券安となった流れを継続した。国内株価が反発し、円債 市場は売りが優勢となった。あすに入札を控えていることも相場の重し となり、新発5年債利回りは約2カ月半ぶりの高水準をつけた。

損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの平松伸仁シニアイン ベストメントマネジャーは、「前週末の海外市場で金利が上昇したこと を受けて、円債市場は売りが優勢となった。欧州も債務問題解決に向け て重い腰を上げてやろうとしているものの、明確な対応策が決まってい るわけではない。これまで債券のポジション(持ち高)を構築していた のを巻き戻している程度の動き」と説明した。

東京先物市場で中心限月12月物は、小幅ながら3営業日続落。前 週末比8銭安の142円11銭で始まった後、売りが膨らみ、一時は15 銭安の142円04銭まで下落し、9月1日以来の安値をつけた。しかし その後は、徐々に下げ幅を縮め、1銭安の142円18銭まで値を戻し、 結局、2銭安の142円17銭で引けた。

前週末の米国市場の動向を引き継ぎ、朝方は売りが先行したが、午 後に入って下げ渋る展開となった。ドイツ証券の山下周チーフ金利スト ラテジストによると、「債券相場はあすの5年債入札を無難にこなすと の見方が多く、先物などにヘッジ売りが膨らまないことで午後に下げ幅 を縮めた」という。

前週末14日の米株式相場は反発。9月の小売売上高が前月比

1.1%増加と、エコノミスト予想(0.7%増)を上回ったことを手掛か りに買いが入った。S&P500種株価指数は前日比1.7%高の

1224.58。一方、米国債相場は下落。米株高や欧州の債務危機が解決に 向かうとの観測から安全逃避先としての国債需要が減退した。米10年 債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp)高い2.25%程度となった。

国内株式市場で、日経平均株価は反発。前週末比131円64銭高で 取引を終えた。

パインブリッジ・インベストメンツ運用本部の松川忠債券運用部は 「米国景気に対して楽観的な見通しが増え、債券から株式に資金が戻り 始めている。欧州問題もベルギー・フランス系金融大手デクシア破たん を受けて各国が結束し、急激な悪化懸念が後退している。市場が良いニ ュースに反応し始め、リスク資産は買われる方向」と語った。

新発10年債利回りは1.025%に上昇

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利 回りは、前週末比0.5bp高い1.02%で始まった後、徐々に水準を切り 上げ、一時1bp高い1.025%に上昇し、3日以来の高水準をつけた。 その後は、若干上げ幅を縮め、午後3時36分現在は0.5bp高い

1.02%で推移している。

UBS証券の伊藤篤シニア債券ストラテジストは、「23日のユー ロ圏首脳会議(サミット)で欧州債務問題への抜本的な解決策が出るか もしれないという期待感があるほか、米国債相場が小売売上高など指標 改善で売られたことから、円債市場は軟調となっている」と述べた。

超長期債や中期債も売られた。20日に入札を控えている20年物 の130回債利回りは2bp高い1.745%まで上昇。30年物35回債利回 りは一時3bp高い1.96%まで上昇した。パインブリッジの松川氏は、 「超長期債は20年債入札に向けて売りが出ており、今週は利回り曲線 が傾斜化する方向。株価が底堅くなってきたうえ、円安気味」と分析し た。

あす入札が実施される5年物の99回債利回りは0.5bp高い

0.38%と、7月29日以来、約2カ月半ぶりの高水準で推移した。もっ とも市場では、5年債利回りが0.4%に接近し、投資家からの需要が見 込まれるとの声も聞かれた。ドイツ証券の山下氏は、5年債利回りにつ いて、「ここ数日はじり高歩調だが、ここから0.4%付近に向けては残 高積み増しが十分でない銀行勢などの需要がおう盛とみられる」と語っ た。

あす5年債入札

財務省はあす18日、5年利付国債価格競争入札を実施する。5年 債は2011年度第3次補正予算に伴う国債増発の対象とみられている。 表面利率(クーポン)は前回債と同じ0.4%が予想されている。発行額 は2兆4000億円程度。

損保ジャパン日本興亜アセットの平松氏は、あすの入札について、 「5年債利回りが上昇しており、水準的にも心配ないと思う。金融機関 の資金余剰は続いており、利回りが上昇する場面では、着実な買いが入 るだろう。無難な結果になるのではないか」と予想している。

またドイツ証券の山下氏は、「第3次補正予算編成に伴う増発規模 が大きく膨らまない見通しのほか、今後の為替や株価動向次第で日本銀 行が資産買入基金を増額する可能性があるなど、あすの入札は買いのタ イミングとして良い」と見込んでいる。

財務省が13日開催した国債市場特別参加者(プライマリーディー ラー)会合では3次補正予算に伴う国債増発について、出席者から2年 や5年債、1年以下で増発可能との声が多かった。14日の国債投資家 懇談会では、10年債以下の年限で各1000億-2000億円程度の増発が 可能との意見が大勢を占めた。

--取材協力:赤間信行、船曳三郎 Editors:Joji Mochida, Masaru Aoki

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