米国株:反落、危機解決期待に水差すドイツ見解で-金融株安い

米株式相場は反落。金融株が 軟調になったことに加え、欧州債務危機が早急に解決に向かうとの楽 観的な見方をドイツ政府が否定したため、売りが優勢になった。

S&P500種株価指数の銀行株指数は6.3%安。シティグループと ウェルズ・ファーゴは景気低迷と欧州絡みの市場混乱で減収となり、 株価はともに下落した。アルコアやキャタピラーなど景気敏感株も安 い。米紙USAトゥデーを発行するガネットは8.7%安。発行部数と 広告収入が減少し、減益となった。

S&P500種株価指数は前営業日比1.9%安の1200.86。先 週は週間で6%上昇していた。ダウ工業株30種平均は247.49ド ル(2.1%)安の11397.00ドル。

34億ドル相当の資産を運用するパリセード・キャピタル・マネ ジメントの最高投資責任者(CIO)、ダン・ベルー氏は電話インタ ビューで、「欧州の指導者は問題が解決に向かうということを適切な 口調で表現したがっている一方で、期待を高め過ぎることも望んでい ない」と指摘。「金融システムが健全でなければ、持続的な景気回復 は難しいだろう。加えて、相場が取引レンジの上限近くにあることも 売りにつながっている」と述べた。

S&P500種は先週、企業業績への楽観に加え、欧州首脳が域 内銀行の支援に向けて対策を講じるとの楽観的な見方を背景に上昇し た。終値ベースで約1年ぶりの安値を付けた10月3日から14日ま でに11%上げた。そのため、約2カ月間の価格レンジ1074.77-

1230.71の上限に接近した。

ユーロ圏首脳会議

ドイツ政府は欧州連合(EU)が23日の首脳会議でユーロ圏債 務危機を一気に収束させる策を示すことはないとの見解を明らかにし た。週末の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、 欧州が打ち出しつつあるソブリン債危機への対策を部分的に各国が支 持した。ギリシャのデフォルト(債務不履行)を回避し銀行の資本を 強化、危機拡大を阻止する方法が模索されている。

ウェルズ・ファーゴ・ファンド・マネジメントのチーフ・ポート フォリオ・ストラテジスト、ブライアン・ヤコブセン氏は電話インタ ビューで「欧州の問題が早急に解決されることはないだろう」と発言。 「この景気回復局面は低成長の影響を受けるかどうかで、地域やセク ターによってばらつきが出るだろう」と語った。

ニューヨーク連銀管轄地区の10月の製造業が予想を上回るペー スで縮小し、株価先物は通常取引が始まる前の時間外取引で下落した。 9月の米鉱工業生産指数は上昇。

景気敏感株で構成されるモルガン・スタンレー・シクリカル指数 は3.1%下落。ダウ輸送株平均は2.8%下げた。アルコアは6.6% 安とダウ平均の構成銘柄で最も下げがきつい。キャタピラーは3.1% 下げた。

銀行株

KBW銀行指数は3.9%下落。ウェルズ・ファーゴは8.4%安。 同社が朝方発表した7-9月(第3四半期)決算では純利益が過去最 高を記録したものの、収入が196億ドルと、前年同期から6%減少 したことが嫌気された。予想平均の202億ドルも下回った。低金利 で金利マージンが縮小した。米失業率が9.1%と高止まりし顧客が借 り入れを控える中、ジョン・スタンプ最高経営責任者(CEO)は経 費削減に注力してきた。

同CEOは発表文で、「景気回復は予想以上に緩慢で、しかも均 一ではない」と指摘、「われわれは経済環境を変えることはできない が、可変項目は制御するよう懸命に努めてきた」と述べた。

シティグループは1.7%下落。7-9月(第3四半期)決算は、 会計上の利益と不良債権による損失の縮小で利益が予想を上回った。 しかし、会計上の利益を除くベースでは8%の減収となった。

アメリカン航空の親会社AMRは6.1%下落。一時は11%下げ、 売買が停止される場面もあった。アメリカン航空はこの日、パイロッ ト労組との5年超に及ぶ協議が締結に向けて「重大な進歩」を遂げて いるとしながらも、協議を中断すると発表した。